タコスが食べたい。ものすごく食べたい。それも、アメリカナイズされたやつじゃなくて、メキシコシティの屋台で食べるような庶民派のタコスが食べたい。
ということで、「日本で本格メキシコ流タコスを作る方法」を調べてみました。
…でも、結局満足いく内容のものはあまり出てきません。
そこで、メキシコの屋台職人にレシピを聞き、日本でも作れるようアレンジしました。
このレシピを備忘録代わりに残しておこうと思います。
タコスが好きすぎて、最近は月2以上の頻度でお家タコスしてるので、どんどんレシピを改善してます♪
ぜひみなさんも、激うまタコスを作って食べてみてください!
メキシコのタコスは、本当にめちゃくちゃ美味しい
ところで、メキシコのタコスの美味しさは異常です。メキシコに行くたびにタコスを食べすぎて、タコス中毒になり、メキシコから帰ってきた次の日にすでにタコスが恋しくなっています。
それくらいハマる、タコスの魔力。
特にメキシコの中でも首都メキシコシティの屋台のタコスは本当にレベルが高く、人気の多い乗り換え駅のタコス屋は「ちょっと美味しい」程度では淘汰され、「めちゃくちゃ美味しい」レベルのところしか残っていません。
前に、タコスについてこんな記事を書きました。(↓)
わたしはメキシコシティに行くたびに、「めちゃくちゃ美味しい」のさらに上を行く「感動的に美味しい」タコス屋を求めてさまよってい、今までに100か所以上の屋台や専門店を試してきました。そんな中で、超お気に入りのタコス屋台が3つくらいあります。
プロによる本格タコスの作り方(日本で作ろうVer.)
そんなタコスのプロである彼らに教えてもらったレシピと秘密ですが…メキシコにいないと作れないものが多い( ノД`)
特に材料。
サルサ(ソース)に使う唐辛子の種類、トマトの種類(青トマトとか)は日本には全然ないので、わたしなりにかみ砕いて日本でも作れるような食材にアレンジしてみました。
ただ基本は、彼らの教えてくれたレシピに忠実です。ぜひ、家で作ってみてください^^
ポイントは「全てがフレッシュ」なこと
美味しいタコスに絶対に欠かせない条件…それは、全てがフレッシュなこと。
どういうことかというと、フレッシュなサルサ(ソース)、肉、野菜はもちろん、トルティーヤもフレッシュなのが超重要なポイントなのです。
既製品のトルティーヤを使うのと、食べる直前に焼くのとでは風味も味わいも全然違います!炊き立てのご飯が一番美味しいように、トルティーヤもフレッシュだとタコスが100倍美味しく仕上がります!
用意するもの・材料
トルティーヤを作るための材料
- マサ(トルティーヤ用のとうもろこし粉)
1人前=100gほど - 塩(適量)
- オリーブオイル(適量)←あまり香りの強くないもの。サラダ油でもOK
「マサ」は、普通のスーパーでは売っていないので特別に用意する必要があります。コーンスターチやコーンミールとは違うので、そこだけは注意です。
わたしはよく楽天の「キョウダイマーケット」という中南米食品専門ネットショップで買っていますが、正直どこのマサもそこまで味は変わらないので好きなところで買えばいいかと。
Natureloのホワイトマサ(Amazon)は美味しいし1kg2,000円以下とコスパも抜群!10種類以上のマサを試して、わたし的に一番美味しかったおすすめブランドです!
マサにはホワイトとイエローがあり、若干風味が違うけどどちらも美味しいです!
メキシコ・ツウの人は、よりトウモロコシの風味の良い「ブルーコーン」のマサを使う人もいます!Natureloのブルーコーンマサ(Amazon)もコスパいいです!
タコスに挟む具材
- 豚肉・鶏肉・牛肉 すきなだけ
おすすめは豚バラ肉です。塊よりもバラがおすすめ。(調理が楽なので)
タコスに乗せる野菜
- たまねぎ すきなだけ
- パクチー(コリアンダー) すきなだけ
(苦手な人はナシでもOK)
「乾燥パクチー」は、全然違う感じになるのでわたしは使いません。生のパクチー一択です。
サルサ(かけるソース)
- 生の青唐辛子 4~6本(好みで)
- たまねぎ 1個
- トマト 4個 or ミニトマトたくさん
- にんにく 4かけ
- アボカド(好みで) 1個
+ライム すきなだけ
辛いのが苦手な人は唐辛子を抜いてもいいのですが、唐辛子の旨み成分がタコスを劇的に美味しくしてくれるので、できれば入れた方がいいです!
近所に売っていれば、おすすめは生の青唐辛子。風味豊かで、美味しいサルサができます。
(↑)わたしは生唐辛子を冷凍保存して少しずつ使ってます。
辛いの苦手な人・子供も食べる時は、唐辛子のうまみ成分に近いシシトウでも代用OK。「辛くないバージョン&辛いバージョンを両方作りたい」という場合、ハラペーニョ・ピクルスを後入れするのがお勧め。リオ・サントのハラペーニョはコスパ最強です。
ハラペーニョ・ピクルスは他にもいろんな種類があるので、好みで選んでください!
>現在販売中のハラペーニョ・ピクルス一覧(Amazon)
特別に必要な調理器具
- ホットプレート(フライパンでも代用可能)
- トルティーヤプレス(麺棒でも代用できます)
- ミキサーorみじん切り器(サルサを作るときに使います)
- クッキングシート(トルティーヤ作りで使います)
自宅に「トルティーヤプレス」がある人はほとんどいないと思いますが、これがあるとめっちゃ簡単&楽しくトルティーヤが作れるのでおすすめです。
日本で手に入る中で一番安くてお手軽なのは、Norpro製のトルティーヤプレス。(Amazonだと3,000円台〜と安いし、Primeで次の日届きます。)
Norproには6インチ(15cm)と8インチ(20cm)の2種類ありますが、初心者には大きい20cmサイズの方が使いやすくておすすめです。
より本格的なトルティーヤを作りたいなら、ちょっと高いけどVictoria製。(予算8,000円台)以前6社のトルティーヤプレスを比較したとき、圧倒的に一番クオリティーの高いトルティーヤができました。(わたしも愛用しています。)
ただ、Norproがアルミ製で軽い(約1kg)のに対して、Victoria製は鋳物で約4kgとめちゃくちゃ重いので子供が使うには危ないです。子供と一緒に作るならNorproが無難。
Ⅰ.トルティーヤ作り
本格・激うまタコスは、トルティーヤ作りからスタートします。
「ええっ面倒くさっ!」
「市販のでいいじゃん!!」
と思うかもしれませんが、トルティーヤには絶対こだわりましょう!
なぜならトルティーヤがタコスの味を決めてしまうから。
微妙なトルティーヤを使うと、タコス全体のクオリティがガタ落ちします。逆に、フレッシュな美味しいトルティーヤを使えばどんなタコスも絶品に!!(←本当です。)
『美味しいタコスの見分け方』の記事でも書いていますが、感動的に美味しいタコス屋の多くは「自分たちでトルティーヤ作り」をしています。そしてみんな、「トルティーヤが一番大事だ」と口を揃えて言っていました。つまり、トルティーヤ作りこそが絶品タコス作りの要なのです!
どうしてもトルティーヤ作りが面倒な場合は、冷凍トルティーヤを購入することもできます。
本場のタコスは基本とうもろこし粉なので、小麦で作った「フラワートルティーヤ」ではなく「コーントルティーヤ」を選びましょう~!
1.すべての材料をボールに入れてこねる
マサは、1人前80〜100gくらい使います。2〜3人前なら200gで作るのがちょうどいいです。
200gのマサ(トルティーヤ約15枚分)を使う場合
- 水:260ml(マサの1.3倍の量)
- オリーブオイル:ぐるっと1回し
- 塩:小さじ1杯
- マサの量に対して1.3倍の水を入れてください。
例:マサ200gの場合、[200×1.3=260]で260mlの水を入れる - さらに、その総量の0.6%の塩を加えます。
例:生地460g(マサ200+水260)×0.006=約3g]→3gの塩を入れる - オイルはぐるっと。
生地500gに対して大さじ1杯ほど - 生地が耳たぶくらいの固さになるよう十分こねます。
うどんをこねるイメージで、コシを入れて!
わたしは塩強めのトルティーヤが好きなので、もう少し入れます。お好みで。
2.生地を直径3㎝のボールにする
生地をちぎって手のひらでコロコロ丸め、直径3㎝のボールをたくさん作ります。1つあたり30gくらいになります。
これが、トルティーヤのタネになります。
3.トルティーヤプレスを使う
次に、トルティーヤプレスを使って、丸いタネを平たいトルティーヤにしていきます!
まずトルティーヤプレスにクッキングシートを敷き、そこにタネを置きます。
※この写真ではクッキングシートの代わりにビニール袋使ってます。
そして、トルティーヤプレスでタネを挟み、グッと力を込めて押します。
開くと、ちょうどいい薄さの円形のトルティーヤ(厚さ1㎜~1.5㎜)ができています。
それを、クッキングシートからはがします←これが意外と難しい。そ~っとはがします。
ボロボロになってしまうので、綺麗なトルティーヤを目指すならオイル入れておきましょう👍
麺棒や重い本を使って作る場合は、なるべく均等に薄く伸ばしてください。綺麗な円形になるようにがんばって!
メキシコシティの屋台で食べるトルティーヤの大きさは、私たちが普段見慣れているトルティーヤよりもだいぶ小さく直径8〜10㎝ほどです。
3cmのタネ(30g)で作れば、自然とこの大きさのトルティーヤになります。
4.ホットプレートで焼く
トルティーヤプレスを使って平たくなったトルティーヤを、あたためておいたホットプレートで焼きます。(油は引かない)
なるべく高い温度(わたしはいつも230~250度に設定しています)で、トルティーヤの両面を1分ずつ焼きます。
うまくいくと、トルティーヤをひっくり返したときに中の空気が膨張してボールのように膨らみます!…が、これは至難の業。初めてではなかなかできません。(わたしが作るときも滅多になりません…)
焼きあがったら、トルティーヤのできあがりです!
乾燥しないように重ねて、濡らしてキツく絞ったキッチンペーパーに包んでおきましょう。
Ⅱ.タコスに挟む具材づくり
肉を塩でシンプルに焼く
これは、ものすごく単純に肉を焼くだけです。味付けは塩のみ。今回はスパイスは使いません。
脂身の多い肉を使うと、溶けた脂でさらに揚げる感じになり、ジューシーに美味しくなります。
わたしはいつも豚バラを使っているのですが、豚バラをそのままの状態で「ちょっとコンガリするまで」焼きます。(ちょっと焦がすと、香ばしさとカリッと触感が出てより美味しくなります)
塩で味付けをして、終了です。塩は、肉がほぼ焼き上がってから入れます。肉の総量の0.6%の量を入れるとちょうどいいです。例:肉が200gの場合、塩は[200×0.006=1.2g]
そして、焼き終わった肉をみじん切りにします!(自分の好みで。)
ボールに入れておきましょう。
タコス作りにおいて、具材肉の調理にスパイスは必須ではありません(コショウすらも!)塩のみというシンプルさで、素材のうまみが十分引き立ちます。
また、ひき肉も基本的に使わず、焼いた肉を刻むスタイルが基本です。そのほうが脂身が残って美味しいんです。
スパイスを入れる種類のタコスもありますが、それは特別な種類(パストールなど)か、北部、TEX-MEX(アメリカ版)のものが多いです。
より「本場の味」を追求するなら、(かなり手間と時間はかかりますが)メキシコが誇る究極のタコス肉「カルニータス」を作るのもおすすめです!>カルニータスの作り方
牛肉を煮込む「ビリア」という肉料理もタコスに合います。>ビリアの作り方
2.いろんな具のパターン
わたしは豚バラ肉だけでもいい派ですが、いろんな具を用意しても楽しいです。
- 薄切りの牛肉(刻まずそのまま)
- 軟骨入りの鶏肉焼きの刻み
- 焼いたエビ
などなど。
最近作った中で評判が良かったのは、鶏もも肉&パイナップルの組み合わせ。
鶏もも肉をこんがり焼いてみじん切りにし、それからパイナップルを細かく切ったものと混ぜ合わせます。
メキシコの「アル・パストール」と呼ばれる、ケバブのような屋台タコスにも似ています。(本場はスパイス漬け豚肉×パインの組み合わせ。)
海鮮タコスもおすすめ。
冷凍エビを、にんにく、チーズと絡めて焼いて、玉ねぎ&マヨを乗せて食べてもとても美味しかったです!
自分の好みを探して、いろいろ試してみてください♪
Ⅲ.タコスに乗せる野菜を用意する
タコスにのせる野菜も、本場は限りなくシンプル。
「たまねぎ」と「パクチー」の2つを、細かくみじん切りにして終了。
メキシコでは、タコスを頼むと「Con verdura?(野菜付ける?)」と聞かれます。「Si.」と答えると、いつも玉ねぎとパクチーの刻みが乗ります。
玉ねぎとパクチーは、タコスを食べるときの「お決まりの野菜セット」なんです!
(↑)こんなかんじで。
パクチーが苦手な人がいる場合は、別々で用意しておきましょう。
辛い玉ねぎが嫌いな人は、切ってからしばらく水にさらしておいたり、新玉ねぎや紫玉ねぎを使うと辛さがやわらぎます!
Ⅳ.サルサ(ソース)作り
タコスにかける「サルサ」作りも、重要な工程!
1.野菜を強火で焦げ目がつくまで焼く
以下の材料を全て、強火で焼きます!
- トマト(1コ)→半分に切る
- たまねぎ(1/2コ)→4等分くらいに適当に切る
- にんにく1かけ→みじん切り(にんにくチューブでもOK)
- 唐辛子(お好みの量)→4等分くらいに適当に切る
↓
全部一気に、焦げ目がつくまで焼きます。
この「焼く」作業がとても大切。
「野菜の甘み」が出てサルサにコクが出ます。(一度、面倒だったので横着して焼く作業を省いたら、微妙なサルサになりました…)
2.ミキサーやみじん切り器に入れる
焼いた野菜をすべて、ミキサーやみじん切り器に入れて混ぜます!
素材感を感じたい人は、みじん切り器を使うのがおすすめ。わたしの使っているのはこれのデカいサイズです。(↓)
さらに、塩をサルサ総量の0.6%の割合で加えて混ぜます。
サルサは、これで終了。
簡単に、絶品サルサができあがります!
辛さが苦手な人は、唐辛子ナシで作って、後からハラペーニョピクルスを刻んで入れます。
トマトの代わりにフルーツトマトやミニトマトを使うと、トマトの風味や味わいが濃くなりさらに美味しいです!
本当だったら、このサルサは「トマト・ベルデ(緑トマト)」を使い、「サルサ・ベルデ(緑サルサ)」と呼ばれるのですが、日本では緑トマトは入手困難なので、普通のトマトでOK。
見た目はオレンジ色〜赤色のサルサになります。
3.アボカド入りサルサも作れる
今作った赤いサルサに、生のアボカドを混ぜれば、アボカド入りのサルサも作れます。
アボカド入りとアボカドなしの2種類のサルサを用意してもいいかも。
(↑)左がアボカドなし、右がアボカドあり。
アボカドを加える場合、味見しながら塩もさらに足してください。
これで、タコスづくりの調理作業はすべて終了です!
タコスを食べよう!
タコスは、食べる直前に自分で作るもの。手巻きずしのような感覚で、自分の好きなものだけ入れて食べます!
食べる手順としては、こんなかんじ。
- トルティーヤを手のひらに乗せる
- トルティーヤの上に、好きな具(肉とか)を3分の1ほど載せる
- 野菜(玉ねぎ、パクチーお好みで)を乗せる
- 好きなサルサをかける
- 最後に、上からライム(orレモン汁)を絞る
- すべてを包み、つまみ上げるように持って、食べる!
分量はお好みで♪
わたしはライムを絞らないことも多いですが、それぞれが好きなように食べればOKです。
このレシピ通りに作れば、めちゃくちゃ美味しいタコスが誰でも作れます♪みんなでわいわいパーティ感覚で食べられて、とても美味しいですよ~。
ぜひ、今度のホームパーティや友達同士の集まりでタコスを作ってみてください!とても美味しい&楽しい会になると思います^^
- 安いトルティーヤプレスならNorpro製の大サイズ
- トウモロコシ粉(マサ)はNatureloのホワイトマサ
- 均一でパーフェクトなトルティーヤができるから超絶おすすめなマニア向けトルティーヤプレスはVictoria製(笑)
家で作れる本格ワカモレのレシピはこちら↓トルティーヤ・チップスと一緒に食べればめちゃ旨です!!!!
タコスに合わせて、メキシコ名物のビール・カクテル「ミチェラーダ」もいかがですか?家で簡単に作れます!↓