カルニータス(Carnitas)は、わたしがメキシコで一番好きなタコスの具の一つです!!
今回は、カルニータスの作り方(@日本の家庭バージョンで簡単に作れるバージョン)を紹介します。
ちょっと時間はかかりますが、意外と簡単に作れます。
もくじ
カルニータス(Carnitas)とは?
「カルニータ」もしくは「カルニータス」とは、ひとことで言えば「ラード(豚脂)で低温調理した豚肉」のことです。
つまり、素材には「豚」しか使ってません。
めちゃくちゃシンプルだけど、これがぶっ飛ぶほど美味しいのです…!!
相席食堂 長州力より
「ラード(豚脂)」で料理するのがポイント
「お肉を脂で揚げる」と聞くと「めちゃくちゃ脂っこそう…」と思うかもですが、実際はそんなことはありません。
豚肉の表面の、余分な脂は溶けて無くなります。(お肉がクレンジングされる感じです!)
さらに、天ぷらや揚げ物料理と同じ要領で、素材の水分が外に逃げないので、ジューシーで、豚の旨味が凝縮されているんです!!
「究極の豚肉料理」
めちゃくちゃシンプルで、現在はメキシコ全土で作られている「定番の豚肉料理」です。
Netflixの「タコスのすべて」というシリーズでも、カルニータスについて紹介されていました!
わたしも、この番組を見てメキシコのカルニータスの美味しさを思い出し、「日本の家でも食べたい!!」と次の日すぐにカルニータスを作りました。
ジューシーで柔らかくて、一口食べれば口の中に豚の旨味がブワーッと広がります。
「こんな美味しい豚肉、食べたことない!」ってなります。
これぞ、究極の豚肉料理です!!
カルニータスの生まれた場所
発祥の地はメキシコの首都「メキシコシティ」ですが、、
カルニータスがさらに美味しく進化を遂げて人々に広まったのは「ミチョアカン州(Michoacán)」という、メキシコ中西部のエリアです。
ミチョアカンにはわたしも行ったことがありますが、昔ながらの風習や手仕事、グルメがしっかり残っているとても面白いエリアで、有名な「死者の日(Día de Muertos)」のお祭り発祥の地でもあります。
そんなミチョアカンには、各町に有名なカルニータス店やタコス屋台があります。
わたしも「パツクアロ」という湖畔の町に滞在していた時は、有名カルニータス店で毎朝30分くらい並んで、絶品カルニータスを味わってました♪
この時は、ミチョアカン州がカルニータスで有名なエリアだとは知らず…でも本当に、美味しかったです!!!
(メキシコ人、美味しい肉のためにはめっちゃ並びます。日本の人気ラーメン屋くらい並びます。)
「豚のオレンジ煮」もカルニータス
「カルニータス」と一言に言っても、実はいろんな種類があり、メキシコ北部やアメリカでは主に「豚のオレンジ煮(もしくはマーマレード煮)」のことをカルニータスと呼びます。
日本のメキシコ料理屋でも「カルニータス・タコス」を頼むとオレンジ風味の豚肉が出てくることが多いですし、レシピを調べてもそっちの方が多いです。
が、それは今回紹介するカルニータスとは別物なのでまた別の機会に紹介します!(オレンジ煮のカルニータスも美味しいよ!)
カルニータスの材料
さて、早速「日本のお家で作れるバージョンのカルニータス」のレシピを紹介していきます!
用意するのは、3つだけ!!
- ラード(豚脂)1kg
- 塊の豚肉(ロースがおすすめ)1kg
- 塩
この量で、だいたい3〜4人前分くらいできます。
そして必要な調理器具は、「大きめの鍋」のみ。
わたしの家にあるのは「2.5L」の中鍋なので、それで作りました。大きいカレー鍋などがある場合、さらに大量に作ることもできます。
ラードについて
わたしの場合は、「肉のハナマサ」に行って冷凍ラードを仕入れました。
ラードはめっちゃ安くて、100gあたり29円。
「2kgで600円」くらいで買えます。(冷凍コーナーにあります)
↑ただ、この方法だとこんな感じで「ラード作り」からやらないといけなくてわりと面倒です。
なので、普通にラードだけを通販で購入してもOKです。
Amazonだと、100%国産豚脂の純製ラードがわりとお手軽価格で手に入ります。↓
節約派の人は、わたしのように冷凍ラードから作ると安いです。笑
塊の豚肉について
本来カルニータスは、豚の全身の肉を巨大な銅鍋で煮込んでいく料理なのですが…「豚の全身の肉」は手に入りにくいので、普通の「ブロック肉」ならOKです。
ポイントは、できるだけ大きいブロック肉を用意すること。
わたしのおすすめの部位は、「ロース肉」です。
これも「肉のハナマサ」で2kgパックを2,000円くらいで買いました。(使ったのは1kg)
メキシコでは内臓、豚足、顔、皮など、なんでもカルニータスにします。
とりあえず、肉の専門店や業務スーパーに行けば確実に手に入ります。
関東圏の人は「肉のハナマサ」、そのほかの地域ならエープライス、エンド商事、ODAなど!
カルニータスのレシピ
レシピは、めちゃくちゃシンプルです。
- なるべく大きい鍋の中で、ラード1kgを中火で温める
- ラードが温まったら、豚肉1kgを投入(すべて浸るくらい)
- 弱火〜中火で、2時間半煮る
終わり!!
めっちゃ簡単です。
カルニータスの見た目(時間経過とともに)
↑肉を入れた直後。500g×2ブロックです。
肉を入れた直後は、油の温度がかなり下がってしまうので、あらかじめラードを熱めに+強火にしておくといいです。
↑強火でしばらく煮ます。10分後くらいの状態。(一度ひっくり返しました)
ちょっとお肉のサイズが大きすぎたので、ここから一度取り出して半分に切りました。(→250g×4ブロックに)
↑ここからは、弱火〜中火でグツグツするくらいでキープ。
写真は、ラード調理をはじめて、1時間後の状態。アクを取りたい人はとってもOKですが、必須ではないです。(わたしはこのまま続行しました)
↑2時間後の状態。だいぶ茶色っぽくなっていきます。
2時間くらいでも、250gブロックであれば中に火は通っているので、ここで引き上げてもOKです。
↑3時間後の状態。
美しいあめ色のカルニータスができました!!!
美味しく作るコツ
カルニータスの作り方は、めちゃくちゃシンプルに「豚肉を豚脂で煮るだけ」なのですが…
とりあえず「美味しく作るポイント」だけ紹介します。
① 最初の数分間は熱いラードで煮る
最初にお肉を投入するときは、なるべく熱いラードで強火で煮ます。
これで、お肉の旨味を閉じ込めます。
5〜10分後くらいに弱火〜中火にして、塩大さじ1杯を入れて、あとは2時間半放置です。
③ 好みの硬さで、煮る時間を調節しよう
メキシコには、豚の皮を揚げた「チチャロン」という料理(素材?)があります。
「豚皮せんべい」のような感じなのですが、長めに調理するとカルニータスの表面がチチャロン風になります!
↑わたしはたまたま時間を忘れてて3時間煮てしまい、表面ががっつりチチャロン風になりました。
ただ、肉のブロックのサイズによっては「硬い部分が増えてしまう」というデメリットもあるので、調理時間は「2時間〜2時間半」がおすすめです。笑
500gなら2時間半〜3時間くらいが目安。
このあと、残ったラードでトルティーヤを揚げて、「トルティーヤチップス」にするのもおすすめです。
ラードで揚げたトルティーヤチップスは、市販のものと一味違って絶品です!!
「ワカモレ(アボカドソース)」を一緒に作れば、もう一品できます♪
使い終わったラードは、金網でこしてゴミを取り除いたら、タッパーに入れて冷蔵庫に保管しておけます。
↑固まると、白くなります。
スプーンですくって、植物油の代わりにチャーハンやその他の料理に使うと、コクが出て家庭料理がめちゃくちゃ美味しくなります!
カルニータスの食べ方
カルニータスができあがったら、さっそくこの絶品お肉を食べましょう!
カルニータスを手で割ってみると…
柔らかホロホロなお肉が!!!
外はカリカリ、中はふっくらジューシーです😊
包丁でほぐす
カルニータスをタコスに使うなら、包丁でほぐしていきます。
このとき、なるべくお肉の繊維に沿って、ほぐすように切ってください。お肉が熱いので、フォークなどで押さえると作業しやすいです。
ほぐしたら、塩をかけます。
↑これくらいの細かさでOK。
至高のタコスができる!
カルニータスは、ぜひ「タコス」にして食べてほしい!!!
トウモロコシ粉100%のトルティーヤとの相性がバツグンなので、
シンプルに「トルティーヤ+カルニータス+野菜(生玉ねぎとパクチーのみじん切り)+サルサ+ライム」でいただくのが◎!!
最高のタコスができます!!!
日本の家で、ここまでレベルの高いタコスが食べられるとは…!(←自画自賛)
タコスにするなら、トルティーヤとサルサの作り方もチェック。
本場メキシコ屋台風の楽しみ方
人数がいるなら、いろんな肉の部位を買ってきてカルニータスにして、部位ごとに楽しむのも楽しいです。
メキシコのカルニータス・タコスの屋台では、部位ごとに頼むのが定番。
- Lomo=ロース
- Costilla=あばら
- Buche=内臓(主に腸)
- Macisa=脚などさっぱりした部位
- Cabeza=頭・顔
- Lengua=舌
- Surtido=全身ミックス
などなど、いろんな部位でタコスを注文します。変わり種だと、「Ojos=目玉」や「Seso(脳みそ)」などもあり、本当に「全身」を食べます。
豚タン(舌)をカルニータスにしたタコスも、美味しいですよ〜✨
あとは、野菜、サルサ、ライムなど揃えれば完璧!
ちなみに、メキシコシティので、カルニータスが美味しいおすすめ店は「Los Cocuyos」という歴史地区にあるタコス屋さんです。
↑この記事でも紹介しているので、気になる人はチェック。
以上、日本の家で作れる「カルニータス」のレシピと、食べ方のヒントでした!!
本格的なメキシコ料理が食べたい人は、ぜひ挑戦してみてください😊
カルニータスで作るタコスは、最高です!!!