今回は、2018年3月16日公開のディズニーピクサー映画『リメンバー・ミー』の舞台になった、メキシコの3つの街について紹介しようと思います。
この映画、メキシコの伝統行事「死者の日」をテーマにした物語なんです!
もくじ
ディズニーピクサーの新作『リメンバー・ミー』
2018年3月16日に、ディズニーピクサーから新作映画『リメンバー・ミー』が公開されました!
英語のタイトルは『COCO(ココ)』だったのですが、邦題は『リメンバー・ミー』です。
物語のあらすじ
12歳のメキシコの少年ミゲルの家族は、過去のある出来事がきっかけで音楽を嫌悪し禁止していた。
その「出来事」とは、ミゲルの曽祖父が音楽家になるという夢のため妻を捨てたこと。しかしミゲルは、家族に隠れながらも音楽への情熱を心に秘める、ギターの天才少年だった。
ある日、彼にとっての音楽のヒーローである故アーネスト・デ・ラ・クルズと自分との関係を偶然にも知ってしまったとき、ミゲルはうっかり死者の国に入りこんでしまう…。
予告編ムービー(日本語Ver.)
この映画の舞台モデルは、メキシコの3つのスポット!
この映画を作るため、ディズニーピクサーのスタッフはメキシコ各地を巡り、ある3つのスポットを『COCO(リメンバー・ミー)』の中に「舞台モデル」として主に取りこみました。
それが、この3か所。
- Guanajuato (グアナファト)
- Oaxaca(オアハカ)
- Michoacan(ミチョアカン)
グアナファトは「死者の世界」のモデルになり、オアハカとミチョアカンは物語内で出てきたお墓のモデルになりました。
どれも、メキシコが誇る本当に美しい場所です♪
それでは、それぞれ、どんな場所なのか見ていきましょう!
1.グアナファト
まず「グアナファト」は、リメンバー・ミーの中に登場する「死者の世界」のモデルになっている街です!
予告編の中だと、「死者の世界」はこの部分(一瞬です。0:50部分)。(↓)
リメンバー・ミーの中では、つみきのようにそびえ立つ不思議な街並みが描かれています。
そしてモデルになったグアナファトは、「世界で最もカラフルな街」として世界中で有名で、ビビッドカラーの家々が立ち並び、
「おとぎの国のよう」
「おもちゃ箱をひっくり返したような街」
と形容されています。
ピクサースタジオのプロダクション・デザイナーであるHarley Jessup氏は、インタビューにこんな風に答えていました。
私たちは5年以上前から製作に関わりはじめ、メキシコにリサーチ旅行に行きましたが、特に“死者の国”の大きなインスピーションとなったのは、メキシコのグアナファトの街でした。幾層にも重なった鮮やかな色合い都市で、狭い階段や橋がたくさんあり、急な坂道で上方向に伸びるように街が設計されていました。その幾層にも重なった感覚を取り入れました。
ディズニー公式ニュースより
Jessup氏の言うように、グアナファトはカラフルな家々がお椀型の山に沿って立体的に幾層にも重なっています。狭い迷路のように入り組んだカラフルな路地裏を散歩するのが楽しい街です♪
(↑)展望台からのグアナファトの景色。
夕方に撮ったので少し赤みがかっていますが、本当にカラフルな街だということが分かると思います!
素敵なビュースポットや街角を探すのが楽しく、ワクワクするような冒険心を掻き立てられます。
そんなグアナファトの中を散歩すると、こんなかんじ。
本当に、まるでつみきのような街並みです。
一軒一軒、壁の色だけでなく窓枠部分や屋上の色にもこだわっているところが多いです。
しかも、2016年の秋ごろ、街全体で家々の壁塗り替えが行われたので、最近はより一層鮮やかなグアナファトが楽しめるようになりました♪
カラフルな広場で一休み。
パラソルで売っているアイスクリームを片手にのんびりするのも良さそう。
サーモンピンクの教会を目印に。
角やカーブを曲がるたびに、違う景色が表れます。
寒色系の路地。ブルー&グリーンが爽やかな通りです。
坂の多い街なので、階段路地も多め。
虹色の壁に囲まれて歩いていると、幸せ気分で階段も辛くない…かも?
南国風ビビッドピンクの花、ブーゲンビリアも街中で見かけます。
南国フラワーは、カラフルな街並みとよく合いますね~。
赤と黄色の路地裏。窓枠の形も、各家によって違って面白いです。
昔の手洗い場の名残。
ちょっとしたストリートアートや落書きもちらほら見かけます。
前の写真の一つ前の角にて。
思わず入りこんでいきたくなるような、わくわくするような散歩道がいっぱいです!
石畳と窓の格子がおしゃれな通り。
コロニアルな雰囲気満点です。
グアナファトは、本当にどこを切り取っても絵になるような素敵な街なんです♪
ちなみに…リメンバー・ミーに出てくる「死者の世界」の世界は、基本的に昼の描写はなく、暗闇に浮かび上がるような夜の街並みが描かれていますね。
実はこのグアナファト、夜景も「世界最高レベルに美しい」と称賛されている街なんです!
山に沿って街の光が積み重なるように広がり、つみきのような家々の四角い輪郭を浮かび上がらせています。
(↑)別の角度からもう一枚。
中心地のカテドラル(大聖堂)などもライトアップされています。
私のカメラではこれが限界ですが…実物はもっともっと美しく、感動間違いなしです!
さて、グアナファトが「死者の世界」全体のモデルになったのに対して、ピクサーのスタッフは、死者の日当日の伝統行事やお墓(デコレーション)の様子は、
- オアハカ
- ミチョアカン
という二つの地域を訪れて、その世界観を参考にしました。
次はその様子を見てみましょう!
2.オアハカ
オアハカは、「メキシコで最もメキシコらしい場所」といわれている州です。
というのも、ここオアハカはなんと先住民率40%以上を誇り、今でも多種多様な文化や伝統が残っている地域なのです!
日本人の間では、「死者の日といえばオアハカ」と言われているほど死者の日のイベントが盛り上がることで有名な場所でもあります。
そんなオアハカの死者の日の様子は、こんなかんじ。
死者の日のイベントが数多く行われ、「民族衣装×ガイコツメイク」のメキシコ人のダンサーたちがダンスを披露したり、行進をしたりします。
手に持っているのは、死者を導くといわれているロウソクとマリーゴールドの花。
オアハカ州の先住民のかわいい民族衣装も一緒に楽しめて、死者の日のオアハカは一石二鳥な感じです。
さて、肝心のお墓は、リメンバー・ミーのトレイラー中ではこんなかんじでした。
オアハカのお墓も、かなり近い感じです。
故人のお墓を、マリーゴールドなどの花々や生前故人が好きだったもの(食べ物、飲み物など)、そして火を灯したキャンドルをいっぱい飾りつけます。
もりもり。
このように、カラフルな砂で砂絵(故人のお気に入りの聖人など)を描くバージョンも。
とにかく花とキャンドルいっぱいで、豪華に飾り付けられます!
3.ミチョアカン
ミチョアカン州のパツクアロ湖周辺には、今でも伝統的な暮らしを守る先住民が多く暮らしています。
リメンバー・ミーの公式サイトには、参考にしたのは「ミチョアカン州」としか書かれていなかったのですが、パツクアロ湖に浮かぶ島「Janitzio(ハニツィオ島)」は、メキシコ人にとっての「死者の日といえばココ!」という有名スポット。最も伝統的な死者の日を見ることができる場所です。
なので、おそらく映画の中で死者の日のモデルになったのもこの島なのではないかと個人的に踏んでいます。
毎年この時期には、メキシコ中から観光客が集まり、普段は静かなこの島が盛大に盛り上がります。
(↑)死者の日の夜の様子。
島内にいくつかあるお墓エリアが、花と長いロウソクで埋め尽くされます!
基本的にはわきあいあいとした雰囲気ですが、故人のため厳かに薬草の煙を焚く人日との姿も。
また、この島までは陸路がないので手漕ぎボートで連れていってもらうのですが、それもまた味わい深い体験。
ボートに乗って、ロウソクの光でいっぱいの島に向かっていると、まるで異世界に入っていくような気分になります。
ちょうど、ハリーポッター映画でいう、ホグワーツ城に向かう時の雰囲気です。(わかる人はわかるはず!笑)
リメンバー・ミーでは、
「異世界(死者の世界)に紛れ込んでしまう」
というのがテーマなので、本当にそんな雰囲気を味わうことができるのが、ここハニツィオ島です。
以上、『リメンバー・ミー』の舞台モデルになったメキシコの3か所(グアナファト、オアハカ、ミチョアカン)についてでした。
まとめ
メキシコには、本当に美しい場所が数えきれないほどあります。
今回『リメンバー・ミー』の舞台モデルに選ばれたのは、その中でもとくに「メキシコらしさ」を感じられる場所だったと思います。
メキシコの、「死者の日」という伝統行事は、最近はテレビで何度か紹介されたこともあり、日本でもかなり認知度が高まってきています。
こちらの記事(死者の日に行きたいメキシコの街おすすめベスト5)でも紹介していますが、
オアハカもハニツィオ島も、
「メキシコで死者の日を過ごすならぜひココで!」
とわたし個人的にもとてもおすすめの場所です。
また、グアナファトは
「メキシコで一番感動した!!」
と絶賛する人が絶えないほど素晴らしい街。
もしリメンバー・ミーを見て、「メキシコに行ってみたい!」と思った人は、ぜひこの3つの場所に行ってみてください♪
映画『リメンバー・ミー』の公開日について
国別で公開日をまとめると、こんなかんじ。
- 2017年10月20日 メキシコ:モレーリア国際映画祭 (初公開)
- 2017年10月27日 メキシコ
- 2017年11月22日 全米
- 2018年1月19日 イギリス
- 2018年3月16日 日本←やっと!
いつものことですが、日本に来るの遅~。
もうすでに2017年10月20日には、メキシコのモレーリア州で開催される「モレーリア国際映画祭」で紹介されていて、メキシコ国内では2017年10月27日に公開です。
全米では、2017年11月22日に公開するようです。
死者の日はちょうど11月1,2日で、27日はちょうど死者の日前の週末に当たるので、「合わせてきたな~!」って感じですね。
それにしても、ディズニーピクサーはアメリカの制作会社なのに、いくら物語の舞台がメキシコだからって「メキシコで初上映」って、なんかすごく粋ですね。
メキシコの文化を題材にしていることへのリスペクトを表しているのでしょうか。←追記:実際にそうだったみたいです!!
この映画が、世界中の人がメキシコ文化について知るきっかけに、そしてメキシコの人達にとっても、自分たちの伝統文化の価値を再発見できる良い機会になるといいな~と思います!
早く、公開にならないかなあ~。
ちなみに、この物語のメインテーマになっている「死者の日」というイベントについては、他の記事(カテゴリー:死者の日)でもいろいろ紹介しています。
特に下の記事(↓)では、『リメンバー・ミー』の物語内でも重要な要素についていろいろ説明しています。
映画を見る前に読んでも面白いと思うので、興味のある人はぜひ^^
⇒マリーゴールドの意味とは…?知られざる「死者の日」の歴史と習慣
追記
3月18日、映画ついに見てきました~!
ってことで、こちらに感想やリメンバー・ミーの感動が倍増する裏話紹介しました。
(↑)実際に観てみたら、ここで紹介した場所以外にも完全一致で確実にモデルになっているスポットがあったので、追加で紹介してます。よかったら読んでみてください^^
あとは、こちらも最近人気です。(↓)