死者の日

リメンバーミーの世界観!メキシコを旅して見た、祭りと文化。

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メキシコがいま、旅行先としてかなり注目されています。

というのも、ディズニー・ピクサーによる映画『リメンバー・ミー』が公開されたから!!

リメンバー・ミー公開の影響

リメンバーミー(スポット)パペルピカド

リメンバー・ミーは、メキシコ好きのわたしにとっても待ちに待った映画でした!

公開後すぐに観に行き、映画を見た感想も記事にしてます。

ところで。

このウェブサイトでは、メキシコをテーマに沢山の記事を執筆していますが、

なんと、

映画公開後、このウェブサイトへのアクセス数が一気に急増⇒約3倍になりました!!(←これ実際ブログやっている人はわかるかもですが、ものすごいことです。)

ただただ、衝撃。

それだけ、リメンバー・ミーを通してメキシコに興味を持った人が増えたということだと思います。特に人気なのは、やっぱりリメンバー・ミーの舞台になった街の紹介記事ですね。

こんなにこのウェブサイトが注目されたのは開設された一年前から見て初めてのこと。

いや~。やっぱピクサー、スゴイわあ~。

この、影響力。

そして、実際映画を見たシンプルな感想としては、

めっっちゃ良かった。

が、正直、

「自分はメキシコが好き過ぎるから、めっちゃひいき目で評価してしまっているのでは?」

と、

自分の客観性の欠如をナゾに心配して、他の人にこの感動と情熱を伝えきれずにおりました。

というわけで、

心にたぎる思いを抑えに抑え、かな~~り控えめに、周りの友達や兄弟に

「おすすめだよ~」

「映像綺麗だし、感動するよ~」

みたいに、やわらか~~くおすすめしたところ、

観た友達と兄弟が

リメンバー・ミー、めっっちゃ良かったわあ…!!

って感想くれるもんだから、

ですよね!!!!!!!!!!!!

と。(笑)

そんなわけで、

みんなからの感想を聞いた時に思ったのが、

メキシコ好きだから自分にしかわからない感動だったのかもなんて、完全に調子乗ってたな~自分。

っていうね。

じゃあ『トイ・ストーリー』を観て、おもちゃ業界の人にしかわからない感動があるのか!という。(もしかしたらあるかもしれんけど。)

ピクサーのクリエイターたちを舐めるな!(自戒)

良いものは良いんだ!!

って、改めて感じました。

(その辺の詳しい感想は、ここで書いてるので省きます。)

ピクサーはやっぱり、世界中の人々に普遍的な感動を届けてました。

リメンバーミーの映像、美しすぎ。

リメンバーミー(スポット)meri-go-rudo

めっちゃ脱線してしまいましたが、前置きはこの辺にして。

リメンバー・ミーの予告編を見ていてまず印象的だったのが、その映像のカラフルさと圧倒的な美しさです。

観るだけで目が楽しくワクワクしてくる、とても「フォトジェニックな映画」だと思いました。(別に写真を撮るわけではないですが。^^;)

登場人物で実在のアーティスト「フリーダ・カーロ」の日本語吹き替えを担当した渡辺直美さんも、インタビュー記事の中で

死者の国の色彩がきれいすぎてビックリしました!SNS映えNo.1映画です。

と話していました。

さすが、日本でフォロワー数1位のインスタグラマーの感想ですね。

 

そして、わたしも実際映画館で作品を通して観てみたら、本当に美しくて。

物語も良かったですが、ここに描かれてる世界が好き!ってなりました。

公式パンフレットを読んだら、今までのピクサーに前例のないような「光の描き方」の工夫や、斬新なアイデアがたっぷり盛り込まれていたみたいです。

そして、この映画の美しさに感動するのと同時に、

「『リメンバー・ミー』の舞台であるメキシコは、やっぱり世界一フォトジェニックな場所だ」

と改めて思いました。

世界一フォトジェニックな国、メキシコを旅して見る世界

リメンバー・ミーは、いわずもがなメキシコが舞台になっています。

そして、ピクサーの制作チームは、メキシコに実在するスポットからインスピレーションを受けて、死者の国のイメージを作っていったんです。

あの死者の国の元になった場所って、メキシコに実在するんです!

完全一致で瓜二つのスポットもあれば、イメージモデルになっただけの場所もあります。

もちろん、あの映像の美しさはピクサー製作スタッフたちのクリエイティビティや努力の賜物には違いありません。

が、

アニメーション映画の中だけでなく、現実世界にも息を飲むほどの感動を与えてくれる場所は存在する

と考えると、とてもワクワクしてきませんか?^^

というわけで、

この記事では『リメンバー・ミー』のモデル地をはじめ、メキシコの絶景を紹介していきたいと思います。

リメンバー・ミーのモデル地

モデルになったと思われる場所を地図でマークしていったら、こんな感じになりました。(↓)

  • グアナファト
  • ハニツィオ島
  • オアハカ
  • セノーテ

と連なる面々(所々?)を見るだけでも、メキシコ好き&メキシコを旅行したことのある人的には、

リメンバー・ミー、めっちゃイイとこどりしてるな!

って思うと思います。

それくらい、メキシコの素晴らしいスポットや手仕事を網羅してるんです。

実はこの「モデル地」については、他の記事でもさんざん書いてしまっているので、詳しい情報については省きます。

写真&一言コメントのセットだけバーっと貼っていくので、見てみてください。

グアナファト

ではまず、グアナファトから。

街を一望できる展望台から。

世界一カラフルな街

として有名で、ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。

道を歩いているだけで幸せになれるような、コロニアル風のカラフルな街並み。

夜景も素晴らしいんです!!!

この夜景の立体感は、写真で伝わらないからぜひ目で見てほしい…!

フォトジェニックなスポットまみれ。

路地散歩も楽しいです。

坂が多く、迷子になります。(笑)

「おもちゃ箱をひっくり返したような街」

とも言われます。

たしかに、そんな感じかも!

南国風の花も咲き、のどかな昼下がり。

グアナファトのこの「立体的な街」は、リメンバー・ミーのなかの「死者の国」にも大きな影響を与えています。

おそらくこの世で「死者の国」に一番近い景色はグアナファトの夜景だと思います!

ハニツィオ島

伝統が色濃く残るミチョアカン州の「ハニツィオ島」では、毎年11月にある死者の日が盛大に祝われています。

島に行くには、橋はないので交通通手段はボートのみ。

こじんまりとした島です。

一年の中でも「死者の日の夜」だけは、幻想的な空間に一変。

国中から多くの人が訪れます。

オアハカ

死者の日といえば、オアハカ!という人も多いのではないでしょうか。

オアハカでは死者の日が近付くと、お墓や祭壇など、伝統的な死者の日の様子を見ることができます。

花とローソクをモリモリに盛って。

とにかく派手に!!(笑)

メキシコ人の間で人気No.1の、聖母グアダルーペとともに。

お墓は、毎年コンテストが行われるほど豪華に飾られます。

祭壇も豪華!!

厳かに故人に祈りをささげる人の姿も。

アレブリヘス

リメンバー・ミーでは、死者の国には「アレブリヘス」という架空の動物が出てきましたね。

実はあのアレブリヘス、メキシコのオアハカで実際に作られている、カラフルの架空の木彫り動物たちなんです!!

見ているだけで楽しくなる、鮮やかさ。

ものすごい数の職人がいますが、デフォルメの仕方や色の組み合わせ、ポーズの独特さには、一人一人の職人の個性が出ます。

アレブリヘの生みの親とも言われるのが、「マヌエル・ヒメネス」さん。

今はもう亡くなってしまいましたが、オアハカではいまも沢山の職人さんたちがアレブリヘを作り続けています。

着色前のアレブリヘたち。

この時点でも、見ていてかなり面白い♪

このアレブリヘって、メキシコの手仕事の歴史の中ではかなり新しいもので、1950~60年に初めて「木彫り動物」として作られはじめ、本格的に名前が知られるようなったのは、1980頃からなんです。

なので、「メキシコの新しい伝統」ですね。

それでも、今はメキシコを代表する手仕事であり、「最もメキシコらしいフォークアート」の一つとして多くの人に愛されています。

わたしも個人的に大好きでコレクションしているフォークアートです。

だから、映画に出てきたときは、

まさか、死者の国にアレブリヘが出てくるとは!

という驚きと喜びがありました^^

アレブリヘの中には、メキシコシティ産の紙で作られたものもあり、そちらも木彫りのアレブリヘと同じように架空の生物です。

パペル・ピカド

アレブリヘに引き続き、メキシコの手仕事を。

映画では、ものがたりの最初のダイアログ場面(ミゲルの家族の歴史を語る部分)で使われていた、メキシコの伝統的な切り絵「パペル・ピカド(papel picado)」。

前にこちらのパペルピカドの記事でも紹介したように、メキシコではイベントやお祭りがあるたびに飾られている、祭りの風物詩です。

こんな感じで、街中を飾ります。

機械製のものもありますが、ほとんどは伝統的に手で作られています。

メキシコって、何気に切り絵の技術がスゴイんです!!

いろいろなデザインがありますが、たいてい祭りのテーマに合わせて作ります。

この写真だと見にくいですが、メキシコの独立記念日のパペル・ピカドなので、メキシコカラー(赤、緑、白)で、大砲、フリーダカーロ、独立の英雄たち、メキシコの国旗の中に描かれるワシがデザインされています。

それにしても、まさかあんなふうにパペル・ピカドを使ってくるとは…!

その発想と創造力がスゴイ!

モンテ・アルバン遺跡

「死者の国」の中には、オアハカ州にあるモンテ・アルバン遺跡の要素も入っていました。

オアハカ州からは、かなり多くのスポットやものが映画に使われいるようですね。

この、ピラミッドの階段部分が出てきていました。

メキシコでは珍しい借景遺跡で、山の頂上にあります。

このあたりで現在も子孫がたくさんいる「サポテコ」の古代文明の時代に作られました。

サムラ・セノーテ

「バジャドリッド」というユカタン半島の町の近くにあるここサムラ・セノーテは、ユカタンに数千あるセノーテの中でも最も神秘的な洞窟です。

リメンバー・ミーの物語中ではあまり詳しくは語られませんでしたが、ミゲルとヘクターはここに少しの間閉じ込められてましたね。

「セノーテ」とは、マヤ語で「聖なる泉」の意味。古代文明のマヤにおいて、セノーテはとても重要な水源であると同時に「神の宿る場所」でもありました。

映画では、洞窟内にマヤ文明の石像も出てきていたので、チェックしてみてください!

テノチティトラン


photo by-Xuan-Che-CC-BY-2.0

ここテノチティトランは、もう存在していない街です。

というのも「テノチティトラン」とは、かつて栄えたアステカ王国の首都。

実は、現在のメキシコシティです。

この世界的メガシティーが、500年前には湖と島だけだったなんて!

とビックリするかもしれませんが、

植民地時代、この小さな島と巨大な湖を埋め立ててスペイン人が街を作っていった結果、現在のメキシコシティが出来上がりました。

アンクリッチ監督とピクサーの製作スタッフたちは、死者の国について考えていたとき、

「死者が増えて、どんどん拡大していく世界とはどのようなものだろうか?」

と考えました。

その際に、水に囲まれたテノチティトランの街に注目し、

水の中から現れ、拡大していく都市

という、死者の国の発想を得たのだそうです。

たしかに、湖に浮かぶこのちっぽけな街から街が拡大し続け、最近はどんどん高層ビルが建築されて世界的な巨大都市になっていくテノチティトラン(現在のメキシコシティ)は、実在の「拡大し続ける街」ですよね。

内情は、植民地化や湖の埋め立てによる地盤悪化、大都市化による諸問題など暗い面も含むので、死者の国の方がよっぽど夢があるような気がするけど^^;

とりあえず、「テノチティトランからインスピレーション得る」というその発想がスゴイです。

まとめ

ここまで見てきて、『リメンバー・ミー』は、

  • アステカ
  • マヤ
  • サポテコ

という、かつて栄えたメキシコの巨大古代文明3つからインスピレーションを得ていたことがわかりました!

それに加えて、死者の国の建物群には、

  • グアナファトを始めとするスペイン植民地時代のコロニアルな建物や、大聖堂
  • ビクトリア朝の建物
  • コンテンポラリー(現代的)な建築(エルネスト・デラクルスのライブ会場とか)

など、メキシコの歴史を通して関わってきた、本当に多様な建物様式も取りこまれています。

メキシコの様々な要素をミックスして組み立てたものが、あの死者の国なのです!

メキシコ人のアイデンティティもこの死者の国と同じように複雑で、様々な要素がミックスされた自分を「メキシコ人」として捉えています。

ここでマヤやアステカ、もしくはスペイン植民地時代の要素だけに偏っていたら、すべてのメキシコ人にとって平等で普遍的な「メキシコらしさ」は生まれていなかったかもしれない…。

そう考えると、アンクリッチ監督とピクサー陣はそのあたりのバランス感覚もスゴいし、

本当に、誠実に丁寧にメキシコに向き合って、この作品のコンセプトを作っていったんだなあ

と感じ、じ~んと胸にくるものがありました。

「フォトジェニック」の先

フォトジェニックの、さらに奥にあるもの。

「綺麗」という感想の奥にある、人々によって受け継がれてきた伝統や、積み重ねた歴史の価値。

つまり、視覚だけでなく、さらに奥、心にも余韻が残るような意味や感動。

それが、このリメンバー・ミーを観て感じたものでした。

そしてその感動は、メキシコの街や自然、文化からも感じられるものです。

メキシコを旅行していたときに見た沢山のワクワクするような景色やモノには、どれもそんなものが宿っていた気がします。

だからこそ、世界中の人々は、そしてわたしは、メキシコに惹かれるのかなあ、と。

「メキシコにありのまま存在する美しさ」と、「リメンバー・ミーの映像が生む美しさ」の間には通じるものがあり、共鳴していたからこそ、この映画はメキシコに住む人々にも認められ、愛されているのだと感じました。

きっと、すべての国や文化の中にはそんな美しさや感動があります。

そして、知れば知るほどその国や文化を好きになっていくんだろう、と。

世界中にいろんな文化がある中で、

バックパックで世界一周をした時わたしは、

メキシコほどその美しさを視覚的に表現し、感動を伝えてくれる国はない

と思いました。

もちろん、明るい面もあれば影もあるけれど…。それでも、メキシコは「フォトジェニック」という言葉以上に表現力豊かで、美しい国です。

視覚に価値が集中しがちな現代だからこそ、

視覚を入り口に、さらにその先や奥にあるモノを感じていくためのきっかけ

があるといいと思います。

そしてメキシコは、その「きっかけ」を生みだすのにうってつけな場所だと思います!!

なので、メキシコが今後さらに多くの人に知られ、訪れられることを願っています^^

メキシコに旅行した人は、いつかわたしと語りあいましょう~!(笑)