メキシコシティ南部にある、ユニークな見所「ソチミルコ(Xochimilco)」。
ソカロ周辺の歴史地区とともに、ユネスコの世界文化遺産にも登録されているメキシコシティの癒しスポットです!!
見所もいろいろあり、半日〜1日楽しめる、週末にぴったりの観光地です!
もくじ
ソチミルコ(Xochimilco)とは?
まず、「ソチミルコ(Xochimilco)」とは、どのような場所なのでしょうか?
ここは、メキシコの首都メキシコシティの中心地から南に約30kmほどいったところにある街で、古代文明「アステカ」のころから続く伝統文化を色濃く残していることで有名な、世界遺産です。
メキシコ市民にとっては憩いの地で、美しい運河があることから「メキシコのベネチア」とも呼ばれています!
「ソチミルコ」の意味
「ソチミルコ」とは、ナワトル語で「花の野の土地」という意味。
ここでは、古代アステカの時代からたくさんの畑や花の栽培が行われていて、植民地化されたあとも、昔ながらののどかな風景が残っていました。
↑現在も、花を栽培している様子を見ることができます!
現在でも、このあたりでは春〜夏にかけてたくさんの花が咲きます。
メキシコシティとソチミルコの歴史(湖の名残)
「メキシコシティは、元は巨大な湖だった」、と聞くと驚く人も多いかもしれませんね。
スペインがアメリカ大陸に到着した頃、アステカ帝国の首都である「テノチティトラン」は、「テスココ湖」という巨大湖の上に浮かぶ水上都市でした!
16世紀にスペイン軍によって制圧されたあと、このあたりは大規模な干拓が行われ、湖はほとんどなくなり、その上にヨーロッパ風の街が築かれていきました。
そして、現在も唯一、古代メキシコの時代の運河の名残を残しているのが、ここソチミルコなのです。
週末には、メキシコシティからたくさんのグループや家族づれが、集まってとてもにぎやかになります。
ソチミルコでは、遊覧船「トラヒネラ」を使った運河巡りが楽しい!
ソチミルコの一番の見どころである「ソチミルコ運河」では、毎日「Trajinera(トラヒネラ)」と呼ばれるカラフルで可愛い遊覧船が、人々を乗せて運河巡りをしています。
ずらっと並んだ、カラフルなトラヒネラは圧巻!
船には一台一台に「Lupita」「Maria」など名前がついていて、なんだか可愛いらしいです。
メキシコの人って、結構自分の車とかバスとか屋台に名前(愛称?)をつけてるんですよね。
この運河巡りは有名で、特に夏のメキシコシティの風物詩。
ど派手なカラフルな色で塗りつけられたトラヒネラは昔から変わらないデザインで、カラフルなテーブルや椅子も付いています。
最大、20人まで乗ることができます!
トラヒネラを漕ぐのはプロの技!
ソチミルコには一応モーターボートもあるのですが、現在でも長〜〜い木の棒で川底を押しながら進む、伝統的な手漕ぎのトラヒネラが主に使われています。
↑わたしが乗った船の船漕ぎ親子。
子供でも、上手に漕いでました!
1人前になるまで、どれぐらい時間がかかるんだろう??
力もいるし、これは大変な仕事…!
「船の上で買い物」もできる!
週末はマリアッチ達もよく演奏していて、好きな曲を頼めば、盛大な演奏&歌で盛り上げてくれます。
ちょっと呼べば船に近づいて、演奏してくれます。
マリアッチの音楽は「1曲100ペソ〜」でリクエストできるので、もしお気に入りのメキシコの音楽があれば、オーダーしてみると楽しいかも!
ソチミルコ名物の「花売り」の姿も。
絵になる風景です。
花の輪っかや、アレンジメントを売る人たちや、お菓子を売っている人もいました。
↑サラペ(メキシカン・ブランケット)などの、メキシコ土産を売っている人たちも。
メキシコ流のパーティや結婚式も見られる
実はここソチミルコ、メキシコシティの若者にも大人気のスポットで、パーティや結婚式を見ることもできます!
船の上で「披露宴」をやるチランゴ(メキシコシティのローカル)のカップルも多いそうで、私もいちどウェディングドレスを着た女性とタキシード姿の男性の夫婦が、家族と一緒に乗り込んでいくのを見たことがあります!
ソチミルコの船ツアーの値段と、2つのコース
船ツアーについて、詳しく紹介します。
ソチミルコの船乗り場に行くと、船漕ぎたちがこちらにやってきて話しかけてきます。
- 何人で乗りたいのか
- 何時間コースで乗りたいのか
といったことを、スペイン語で聞かれます。
船の値段は、400〜500ペソ/時間
ソチミルコの船の値段は、「外国人だとボッタくりが多い」と話題だったのですが、悪い噂が問題になり、観光局が値段を決めることになりました。
ソチミルコ観光局によると現在は1時間当たり400〜500ペソ(約2,400〜3,000円)と決められているそうです。(船乗り場によって若干違います)
「船1台あたりの値段」なので、なるべく大勢で行った方がお得です。
頑張れば、350ペソくらいまで値下げしてくれると思いますが、タイミングと相手によります。
※もしかしたらまた値段が上がっているかもしれないので、一度ソチミルコのFacebookで正式な値段を確認してからいくといいかもしれません!
ソチミルコの船のコースは2種類
ソチミルコの船遊びには、2つのコースがあります。
1. ruta turística (観光ルート) |
さくっと楽しみたい人は、1時間から選べる「観光ルート」 |
2. ruta ecología (自然保護区ルート) |
ソチミルコを満喫したい人は、5時間かけてゆっくりと自然保護区を巡るルート |
その他のコースのリクエスト可能で、舟漕ぎとの交渉で決めます。(定額料金×所要時間)
ruta ecologíaにすると、浮島に上陸できます。ただ、長時間コースにしてもメキシコ人の大団体は、自然を全然見ていなくて、ただ飲んで楽しんでいます。笑
ただこの辺の自然は本当に綺麗で楽しいので、「メキシコシティの喧騒を離れて、自然の中でゆったり過ごしたい!」という人にもとってもオススメです!
船の乗り合いもOK
人数が少ない場合は、他のグループに混ぜてもらうのもOK。
ただし、自分たちで他のグループを見つけて話さないといけないので、コミュ力が必要です!
ソチミルコ観光:船で行きたいおすすめの見所
ソチミルコ観光(船ツアー)でおすすめな行き先や、アクティビティをまとめました。
浮島で「チナンパ農業」を見学する
ソチミルコは、豊かな文化を味わうことのできるスポットでもあります。
この土地独特の、川の底にある栄養分たっぷりの泥を利用した「チナンパ農業」も有名。ソチミルコ運河にある浮島に上陸して、チナンパ農業の様子を見学させてもらうこともできます。
「浮島」といっても、かなりしっかりした陸のような場所で結構おもしろかったです。
オレンジの皮などをとると一緒に埋めていて、そこにたくさん見たことのないような虫が集まっていて、分解していました。
生ごみなのに、全然臭くないのでびっくりしました!
かなり「エコロジカルな実践」だなぁと思います。
私はチナンパ農業については勉強不足なので、詳しいことはよく分かりませんが、その「持続可能性」から今、世界的に注目されている農法なんだそうです!
変わった生物を見る
また、珍しい動植物の生息するエリアとしても有名で、野生のウーパールーパー(メキシコサラマンダー)の生息地でもあります。
わたしも、このチナンパ農業をしているおじちゃんが飼っている生き物をいろいろ見せてもらって、触らせてもらいました!
こういう白いの(↓)を想像していたのですが…
実際には、こんな真っ黒でした。↓
ヌメヌメ!!!
ただ、何度ソチミルコに行っても「野生」に実際に出会ったことは一度もなく、おじちゃんいわく「野生はほぼ絶滅している」そうです😢
ただ、わたしの友人は「親戚が捕まえてペットにした(←多分違法…)」らしいので、もしかしたらいるのかも…?!
ヌメヌメしていない方のトカゲを触らせてもらいました。
↑なぜか蛇もいた。
最近話題のホラースポット「人形島」
怖いものが平気な人は、最近有名な世界有数のミステリースポット「人形島(La Isla de las Muñecas)」に行ってみるといいかもしれません。
「人形島」は、わたしも実際に行ったことがあり、記事でも紹介していたのですが…原因不明のバグが起こったので、記事を消してしまいました。(ついでに、怖くなって写真フォルダに残っている写真も残らず消しました。)
…というわけなので、あまり詳しいことはここでも書くことができません…。
もしかしたら、ほんとにヤバいところなのかもしれません。
おすすめの乗り場
どの船乗り場からも人形島に行くことができますが、「クエマンコ乗り場」がおすすめです。
わたしの時は、往復「4時間」くらいのコースでいけました。
人形島に行く場合、どこの船乗り場から出発しても往復で「最低4時間」はかかります。たっぷり時間の余裕を持っていきましょう!
レプリカもあるよ
「本物の人形島に行くのは、ちょっと怖い!」と言う人は、レプリカの島もあるので、そっちに行くのもありだと思います
絶対に本物の島に行きたい場合は、ちゃんと船漕ぎの人に「本物の島に行きたい(Quiero ir a la isla real.)」と、主張しておきましょう。
本物の場所は、ここ(地図)。
「泣き女」の島
あと、このあたりには、泣き女「ジョローナ(Llorona)」という、メキシコで有名なお化けが出る場所もあります。
そちらも、人形島と並ぶソチミルコの有名ホラースポット。
船を漕ぐ人に特別に頼めば「夜のツアー」も組んでくれるので、怖いものが得意な人は泣き女のいる島に夜に行ってみるのもいいかもしれません。
ただし、実際に行ってくれる船漕ぎはあまりいないので、根気よく探してみてください。
ソチミルコの他の見所・イベント
春のお祭り
ソチミルコでは、美しい春のお祭りも開催されます!
毎年、4月初旬〜中旬に開催される「Flor más Bella del Ejido(ラ・フロール・マス・ベジャ・デル・エヒード)」では、ソチミルコの名産品の「花」で着飾った女性が、美しさを競います!
(↑)伝統衣装と髪の毛のアレンジ、めっちゃ可愛い…!!
頭に花、モリモリ!!
外国人にはまだあまり知られていないものの、その華やかさ・美しさともに必見の、素晴らしいお祭りです!
※この「Flor más Bella del Ejido」の祭りは、2020年度はコロナ・ウイルスの影響で延期されるそうです…。
船乗り場の近くに、植物園もあるよ
ソチミルコ周辺では、今もたくさん花や植物が生産されています。
「クエマンコ船乗り場」の近くには、巨大な植物園(地図)もあるので、興味のある人はぜひついでに寄ってみてください!
残念ながら植物は日本に持ち帰れないのですが、珍しい植物も多く、見るだけでもなかなか面白いです!
サボテンだけでなく、花もいっぱい売られています。
ソチミルコでの注意点、3つ
行く前に知っておきたい「注意点」をまとめました。
1. 飲酒は禁止!
昔は、ソチミルコの名物日本でいう「屋形船の宴会inメキシコ」といった感じで、とにかくみんな飲む、飲む!「飲むために行く場所」でもありました。
(たまに飲み過ぎて川に落ちてる人も見かけるほど…)
ただ最近は、ソチミルコでのアルコール販売は「危険」ということで禁止されました。
酔っ払いの姿を見かけることは少なくなったものの、みんな「思いっきり飲んでからソチミルコに遊びに来る」ようになったらしいです😂
2. 船の値段は「定額」!
明らかに観光客だと「ぼったくられた」という話もたまに聞くので、ちゃんと船の値段は事前に把握しておきましょう!
予算は、「400〜500ペソ/時間」。
(利用する人数2〜3人など少ない場合、少しまけてくれることもあります。最安で350ペソです。)
遊覧するだけでも、最低2時間くらいのコースがおすすめです。ソチミルコの自然をたっぷり味わえて、気持ちいいですよ〜!
3. 天気が悪いと寒い!
ソチミルコは、天気が悪いとかなり冷え込むので、一応上着も持参しておいたほうがいいと思います。
一度、めちゃくちゃ曇っていて途中で小雨も降りだし、寒さにガタガタ震えながらトラヒネラ船に乗っていたのですが、かなりの苦行でした😭
ソチミルコで食べたいグルメ・レストラン
ソチミルコでは、グルメも楽しみましょう♪
1. Tlapique(トラピケ)
トウモロコシに運河のチナンパ農業で育った野菜や小魚をモリモリに詰め込んだソチミルコ名物の「Tlapique(トラピケ)」は、必食です!!
ここの名物で、ソチミルコ以外では見たことがないので、ぜひ😊
レストランで食べるグルメというよりも、ソチミルコ周辺の屋台で売られています。
2. ミチェラーダ
ソチミルコといえば…ミチェラーダ(メキシコ流ビールカクテル)!!
「ソチミルコに来たら、四の五の言わずにミチェラーダを頼むんだ!」と、あのホセ(わたしのぶっ飛んだメキシコの友達)も言ってました。
↑ミチェラーダ売りのおばちゃん。
…が、現在はソチミルコではお酒NGなので、乗り場近くでは見かけません。ただ…、ちょっと離れたところにはあるので、ソチミルコ「周辺」で見つけたら飲んでみるといいかも!😊
クエマンコ乗り場の近くの「Las Vaqueras」というレストランは、ミチェラーダで有名です。
「Para llevar(パラ・ジェバール=持ち帰りで)」と頼んで、メキシコ人流に船の上でピクニックがおすすめ!
3. 珍酒「プルケ」
メキシコの「国民的三大地酒」として有名なお酒といえば、「テキーラ」、「メスカル」、そして「プルケ」!
プルケは新鮮じゃないとダメなので、滅多に飲むことのできない珍しいお酒です。「プルケリア」という専門店で飲むのが一般的なのですが、メキシコシティ市内にも美味しいところは数少ないんです。
ソチミルコの「Nuevo Nativitas乗り場」の近くに、「Pulqueria El Templo de Diana(地図)」というプルケリアがあるのですが、そこは地元民に愛される超有名プルケリア。
小さいサイズで「20ペソ(約120円)〜」、本格プルケを楽しめます!
プルケ自体、かなり特殊な味&テクスチャーのお酒なので、好みは分かれますが…貴重な体験になるはず。
お酒好きの人は、ぜひ行ってみてください!!
ソチミルコの場所と、行き方
実際に行きたい人向けに、メキシコシティからソチミルコへの「アクセス方法」をまとめました!
ソチミルコの場所
ソチミルコの船乗り場(Embarcadero)は全部で9カ所ほどありますが、有名どころは3ヶ所!↓
この3つは、わたしも行ったことがあります。
メキシコシティ市内から近いのは、「Cuemanco(クエマンコ)の船乗り場」です。
タクシー・Uberで行く方法
一番簡単&楽チン!!
中心地からだと、40分〜1時間くらいでたどり着きます。料金は、1台あたり250〜300ペソ(約1,500〜1,800円)ほど。
お昼前くらいに行くと、市内渋滞に巻き込まれることもなく楽です。
行き先は、市内から近い「Embarcadero Cuemanco」を指定するのがおすすめです。
公共交通手段で行く方法
① メトロで「Tasqueña」駅へ
まず、メトロでメキシコシティ最南部の「Tasqueña(タスケーニャ)」駅まで行きます。(↓)
青い②番線の、一番下(南)の駅です!
② Tasqueñaで乗り替え
Tasqueñaについたら、乗り換えます。
- タクシー:所用15分
- 鉄道:所用40〜45分
- ミニバス:所用40〜45分
タクシーが一番早くて楽でおすすめ。
<鉄道で行く場合>
メトロのTasqueña駅についたら、メトロと繋がっている鉄道駅に行きます。(案内が出ているのでわかりやすいです。)
そして、窓口でチケットを購入してから「TL1」という鉄道の「Xochimilco行き」に乗ります。
by Panchosama:CC BY-SA 3.0
鉄道の所要時間は、35~40分ほど。タスケーニャから17番目の駅が「ソチミルコ駅(地図で見る)」です。
ソチミルコで降りたら、
…に行けます。
「Nuevo Nativitas」の方が乗り場としては大きいのですが、「Fernando Celada」の方が、船の定価は安いみたいです。
ちなみに、Fernando Celada船乗り場の近くにある「Carnitas San Marcos」という屋台のカルニータのタコスが異常に美味しいです。おすすめ。
<ミニバスで行く場合>
一番安くソチミルコに行く方法です。「Embarcadero Cuemanco」を目指します。
ミニバス乗り場は、タスケーニャ駅を出てすぐ、バスがたくさん集まっているところです。(地図で見る)
ソチミルコに行くのは、47-A、57、162-D番ですが、「ソチミルコ」「エンバルカデロ」と言っていれば、その辺にいる人が乗るべきバスを教えてくれます。(乗る前に一応ドライバーに確認しておくといいです。)
船乗り場の近くの大通りで降ろされるので、そこから南に10分ほど歩くとEmbarcadero Cuemancoの船乗り場に到着です。
まとめ
ソチミルコは、「巨大都市メキシコシティの中で、最もメキシコらしい場所」とも言われ、トラヒネラに乗って酒盛りや運河巡りをするために、たくさんの人がやってきます!!
ソチミルコを訪れるなら、週末がおすすめ
チランゴ(メキシコシティに住むローカル)にとって、ソチミルコは「週末を過ごすのに最高の場所」です。
せっかく行くなら、メキシコ人で賑わっていて活気のある「週末」が絶対におすすめ!!
平日の朝に行ったことがあるのですが、全然人がいなくてビックリしました。
それはそれで、鳥の鳴き声とか、木々が風に揺れる音を楽しむことができて良いのですが…。あまりに閑散としていて寂しい気持ちになりました。笑
1900年代初期の白黒映像で、貴族たちがここソチミルコでデートしている映像も見たことがあります。大昔から、ここは変わらず「人々の憩いの場」なんですね。
「メキシコシティに行ったら、一度はソチミルコに行かなきゃもったいない!」
ともいわれる、必見の場所です^^
都会の喧騒に疲れたら、ぜひソチミルコへ!
ソチミルコには、今までになんども訪れていますが、毎回ほんとに楽しいです!
都市の喧騒からも離れて、綺麗な空気の中でのんびり過ごすことができるので、メキシコシティに滞在していて週末がヒマな人は、ぜひ行ってみてください😊
ソチミルコで盛り上がっているメキシコ人グループを見るだけでも結構楽しいですよ。笑
メキシコシティのおすすめの見所は、こちらでも紹介しています!↓
ぜひチェックしてみてください😊