「メキシコのお酒といえば、テキーラ!」と思うかもしれませんが、実はメキシコで最も身近で、庶民に愛されているお酒は「メスカル(Mezcal)」だと言われています!
そして、そんなメスカルの一大生産地であるオアハカを訪れるメキシコ人観光客が、何よりも楽しみにしているアクティビティーの一つが、「本場オアハカのメスカル工場巡り」なのです!
工程を学び、いろんなタイプのメスカルを試飲することができます!
メキシコらしさをたっぷり感じられる体験になるはず😊
もくじ
「メスカル」とは?
メスカルとは、メキシコの最も庶民的な蒸留酒で、メキシコの国民的三大地酒の一つです!
- メスカル(Mezcal)
- テキーラ(Tequila)
- プルケ(Pulque)
この3つのお酒は、すべて「アガベ(マゲイとも呼ばれる。日本語だとリュウゼツラン)」という植物から作られています!
この3つの中で最も古い歴史を持つのは「プルケ」で、白く濁ってトロトロとした舌触りの不思議なお酒で、アガベの樹液を使って作られます。
スペイン人たちが植民地化のためにやってきた後、スペイン人たちの「酒が飲みたい!!」という希望を叶えるため、ヨーロッパの技術が持ち込まれ、アガベから作る蒸留酒「メスカル」や「テキーラ」が生まれました!
植民地化後から、プルケやメスカルを含むアルコール類は「庶民の飲み物」として広がっていきます。
「メスカル」と「テキーラ」の違い
メスカルとテキーラの作り方は非常に似ている(どちらも蒸留酒)のですが、メスカルの中でも「ブルーアガベ」という特定の種類のアガベを使い「ごく一部の産地・蒸留地域」で作られたものだけが「テキーラ」と呼ばれます。
メスカルの味の特徴は、スモーキーで燻製の香りが強いものが多いです!
ただ、銘柄や種類によっても全然味が違うので、メキシコの酒飲みは「自分のお気に入りのメスカル」があります。(日本人にとっての日本酒と似てますね!)
テキーラは元々メスカルから生まれたので、メスカルは「テキーラの母」とも呼ばれています。
オアハカ産メスカルはメキシコで大人気
メスカルは、材料の「アガベ」が育ちやすい高地の、様々な地域で作られています!
現在は、ドゥランゴ、グアナファト、ゲレロ、サンルイスポトシ、タマウリパス、サカテカス、ミチョアカン、プエブラなど…。そして、ほとんどのメスカル(メキシコの65%)はオアハカ州で作られています!
オアハカには「伝統的な製法」で作っている工房が多い
オアハカにはたくさんのメスカル工場があり、その多くが200年前から変わらない伝統的な製法でメスカルを作り続けています!
その「伝統的な製法」というのが、土に埋めて発酵させたり、ロバや馬に引かせてジュースを出したりと、本当に面白いんです。「オアハカの文化学習」としても、とても見応えがあります!!
わたしはそこまで強いお酒が得意ではないのですが、メスカル工房見学は本当に面白かったので、「お酒好き以外の人」にもおすすめです。
最近は、近代化した設備で作るメスカルも増えてきていますが、見学に行くならぜひ伝統的な工場を見に行ってみてほしいです♪
オアハカのメスカル工場見学へ!【体験談&感想】
わたしが実際にメスカル工場見学に行った時の体験を紹介します!
1. ツアーの一環でメスカル工場へ
わたしが参加した現地ツアーは、わたしたち(わたし&母)以外の全員がメキシコ人だったのですが、まずメキシコ人たちの「メスカル工場見学」への期待値がすごかったのが印象的でした。
ツアーでいろんな見所に行くたびにガイドさんが説明してくれるのですが、「次は、〇〇(観光地)です」と言われても、毎回「OK!」「イェイ!」くらいだったのが、「次は、メスカル工場です!」と言われた途端に
「ヒャッホ〜〜〜〜!!!!」
「この時を待ってたぜーーーっ!!!」
という感じで、明らかに車内はテンション上げ上げでした。笑
そして、到着したのが、こちら!
「Don Agave」というブランドの、オアハカ・メスカルの工場です!
工場だけど、なんだかおしゃれ。昔ながらの建築を使っています!
裏には、オアハカの山々が広がっていて、気持ちのいいところです!!
2. メスカルの作り方を見学
メスカル工場に到着すると、わたしたちのグループに専属のガイドさんがついてくれて色々案内&説明してくれました!
まずは、メスカルの材料や作り方を見せてもらいます。
メスカルの材料「アガベ」
まずは、材料になる「アガベ」を見せてくれました。アガベは、アロエのような形の多肉植物です!
いろんな種類があり、現在は「52品種」のアガベがメスカルに使えます。種類によって味が大きく変わるんだそう。
行った時には、ちょうど「アガベの花」が咲いていました!背が高い!!
工場の裏に、アガベ畑があるみたいです。
メスカルの材料になるのは、アガベの葉っぱを刈り取った後の、この根元の部分。「ピーニャ」と呼ばれています!
匂いを嗅いでも何も香らず、とても硬いです!ここからメスカルを作っていきます!
メスカルの伝統的な作り方
このピーニャを、土に埋めて数日間蒸し焼きにして、香りづけをします!
埋めるための場所を見せてもらいました!焼き石がいっぱい敷いてありました。
発酵を終えたピーニャが、こちら。
青っぽさが消えて、まるで巨大な松ぼっくりのような見た目です!スモーキーな香りがしてきます!
触ってみると、少し柔らかく湿り気があります。
ガイドさんが、ピーニャをちぎって試食用にくれました。歯でこすようにしゃぶる感じです。これがめちゃくちゃ美味しい!!
まだお酒にはなっていないのでノン・アルコールですが、スモーキーでジューシーでとても甘いんです。(これ販売すればいいのに…!)
次に、ピーニャを潰して「ピーニャ・ジュース」を出す工程。
ここでは昔ながらの製法で、石のうすをロバで引いて潰します。見学時にはロバはいなかったけど、ものすごく伝統的な絞り方ですよね!
ピーニャをお酒にする工程
次に、ピーニャの繊維やジュースを一緒に「発酵槽」に詰めて、発酵させます!
水や砂糖などをかけると、発酵が始まります。発酵することで、アルコールが発生してきます。
蓋をして、1週間くらい放っておくそう。
これで、基本のメスカルは完成!
地下に、樽も並んでいました!樽に入れて数年間寝かせることもありますが、メスカルは寝かせずにすぐに飲むことの方が多いようです。
3. メスカル試飲パーティー!
ガイドさんが、「次は、実際にうちで作ったメスカルを試飲してみましょう!!」と言った瞬間、
メスカルを作る工程の説明に若干飽き気味になっていたメキシコ人観光客の人の目が輝き、
「ついに!!!」
と、めっちゃテンション上がってました。笑
試飲は、ここで行います!
試飲がしやすいように、切ったリモン(メキシカン・ライム)が、用意してあります!
こんなにいろんな種類のメスカルを用意してくれました!!全部で10種類以上!(全種類飲めます)
シンプルなメスカル(ランク別)から、クリーム入り(フルーツ味、コーヒー味など)までいろんな種類があり、クリームは、お酒が苦手なわたしにもとっても飲みやすく美味しかったです♪
ガイドさんが、一人一人に好きな量(少なめにリクエストももちろんOK)注いで、メキシコ式の「コール」をしてくれるのですが、これが面白い!!
スペイン語がわからなくても、みんなお酒が入って爆笑しながら陽気に飲みまくっているので、無条件に楽しいです。笑
メスカルの一番有名なコールといえば、これ!
“Para todo mal, mezcal, y para todo bien, también.(全ての悪いことにメスカルを、そして全ての良いことにも)”
「どんな時にもとにかくメスカルを飲もう」ってことですね。笑
試飲は好きなだけ飲めるので、最後にはだいたいの瓶が空になってました。笑
10人くらいのグループだったのですが、、みんなお酒強いなあ〜!
試飲が終わったら、気に入ったメスカルを購入できます!
わたしはコーヒークリーム入りのメスカルを一本買いました!メキシコ人観光客たちは、一人5本くらい買ってたんじゃないかな…?値段もすごくお得だったみたいです!!
この、試飲テーブルの「秘密の楽園」的なロケーションもすごく良かったなあ…!
↑もっと大人数のグループだと、こっちに案内されるみたいです!
木のトンネルって、なんだかワクワクしますよね〜!
…というわけで、大満足のメスカル工場見学でした!!
「工場」というと、大規模なものを想像していましたが、かなりこじんまりとした規模で、オアハカのほとんどのメスカル工場がこんな規模感なんだとか。
メスカルが、人の「手仕事」でできているんだと実感できました!
メスカル工場見学は、現地ツアーに参加がおすすめ
メスカル工場を見学する際には、「現地ツアー」に参加するのが一番です!
個人で行っても、案内してもらえる?
個人で行っても一応案内してもらえるのですが、ごく簡単な説明になります。ツアーに行った方がガイドさんもやる気があり、充実した説明をしてもらえます!
また、わざわざ自分のためだけに説明してもらったら、気持ち的にたくさん買わないといけなくなるので…。笑
おすすめの現地ツアー(見所巡る系)
「見所を巡る系ツアー」であれば、オアハカ現地で予約できる「一人200ペソ(約1,200円)」のツアーがおすすめです!!
これ、超格安なのに、オアハカの必見スポットを一通り巡ってくれてとても効率がいいです!
行き先は、、
- イエルベ・エル・アグア(石灰の滝の見所)
- ミトラ遺跡
- トゥーレの木
- テオティトラン・デル・バジェ村のサポテックラグ(タペテ)工房
- メスカル工場
の5ヶ所。
※ビュッフェ・ランチ(150ペソ)や各見所の入場料(合計100ペソほど)は、別料金です。それ全部合わせても450ペソ(2,700円くらい)で丸一日観光できるので、コスパは素晴らしいと思います♪
現地ツアーの予約方法やおすすめの会社は、こちらで紹介している通りなので参考にどうぞ!↓
わたしはこの同じ会社のツアーに何度も参加している(安いしオアハカ行くたび参加。笑)のですが、行くメスカル工場が変わることがあります。
同じ会社のツアーで、「El Ray」というもう少し小規模なメスカル工場を見学したこともあります。(曜日によって、行く工場が違うのかも?)
今回紹介した「Don Agave」が、メスカル初心者的には一番楽しい&ロケーションもサービスも良かったので、ツアー会社に事前に「どこのメスカル工場に行くのか」を聞いておくといいかも。
プロと巡る、メスカル専門ツアーもある
オアハカには、メスカル工場を巡る専門ツアーを開催している会社もあります。お酒好きの人・メスカルをがっつり楽しみたい!という人は、メスカルをテーマにしたツアーに参加するのもいいかも。
わたしが探した中で、良さそうだったのはこの2つ↓
- Mezcal Educational Tours
メスカルの知識が半端ないAlvin Starkman氏が案内してくれる、メスカル好きのためのツアー。mezcalistas.comというメスカル専門サイトでもおすすめされてます。 - Las Bugambilias Tours
ガイドのRene氏とともに「World Capital of Mezcal(世界のメスカルの中心地)」と言われる村「Santiago Matatlán」に行き、伝統的なメスカル作りを学べます。
どちらも、上で紹介したツアーとは違って「個人ツアー」なのでお値段は高め(最低50ドル/人〜)ですが、メスカルについてしっかり学びたい人には最高のツアーです。
対応言語は、「スペイン語or英語」のみ。
これからオアハカに行く人の役に立てば嬉しいです♪
オアハカ旅行するなら、こちらの記事も役にたつかも!↓