メキシコのグルメ

【メキシコの昆虫食】フミル(カメムシ)を生きたまま食べる祭 @タスコ

メキシコは、世界有数の昆虫食文化をもつ「昆虫食天国」です。

とくにメキシコ南部には豊かな自然とともにたくさんの虫がいて、なかにはその地域の「伝統食品」として有名な昆虫も。

そんな昆虫食文化の中でも異彩を放つのが、「フミル(Jumil)」です。

タスコの珍名物、フミル(カメムシ)

「フミル」と呼ばれる昆虫。

メキシコの昆虫食カメムシ2

その正体は…なんとカメムシです。(「カメムシの仲間」と紹介されますが、姿も匂いも全てがカメムシそのもの)

見た目は茶色で、枯れ葉の中に隠れています。雨季の終わりに森で大量発生する種類です。

「タスコ」という街がカメムシで有名

カメムシは、メキシコの中でも南部の、メキシコシティから南西に車で3時間ほど行った「タスコ(Taxco)」という街の珍名物として密かに有名です。

タスコには「Día del Jumil(フミルの日)」という祭りがあり、カメムシを食べる習慣があります。

Día del Jumilには、近所の山から採取してきたカメムシを、ククルチョという紙のコーンのような入れ物にたっぷり入れて路上で売るのが伝統的な光景ですが、最近は空気穴をいっぱい開けたビニール袋で売られてるパターンが多いです。

「タスコ」は観光地としても人気の街

タスコは、メキシコシティからも近く、しかも街並みがとても美しいことで有名です。

メキシコには美しい街がいっぱいあるのですが、有名なのは「カラフルな街」として知られるグアナファトやサンミゲル。「タスコ」はまだあまりメジャーではありません。

でも、タスコに広がる真っ白な家々と石畳の街並みは、まさに中世の南部スペイン。本当に美しく、とってもおすすめな街なんです!!!

タスコの路地

わたしも、ここ10年間で5、6回は訪れています。…が、つい最近まで、カメムシで有名な街だということは全く知りませんでした😂😂😂

…というか、街でカメムシを見たことすら一度もありません。

そこで気になってタスコの友達に聞いたり、現地で調べたりしたのですが、Día del Jumilの祭りに合わせていかないとカメムシは見つからないみたいです。

カメムシの食べ方、味は…?

そしてその味は…カメムシそのまま😂

あの臭さが永遠に口に残り、めちゃくちゃ強烈らしいです…。

しかも食べ方は「生きたまま」トルティーヤに包んで食べます。

メキシコの昆虫食カメムシ5
単独で。カメムシの味がダイレクトに伝わる…

メキシコの昆虫食カメムシ6
他の具材と一緒に。

最近は潰してサルサに混ぜるパターンが多いようです。

メキシコの昆虫食カメムシ8
すりつぶして作ります。

メキシコの昆虫食カメムシ3
見た目だけでは、カメムシ入ってるってわからない…(食べる瞬間、絶対匂いで気付きますが。)

メキシコの昆虫食カメムシ4
鶏肉にかけたり、タコスにかけたり。

タスコの人でも、全員がフミルを食べるというわけではなく、祭りの日でも食べるのはかなり少数派だそうです。なので、もちろんタスコ以外の出身のメキシコ人はほぼ手をつけません。笑

…しかも、食べたことのある人に話を聞いても、「美味しい」って言ってる人は見たことがないんですよね😂😂

カメムシを食べたことのある人の体験談

味の説明を求めても、

「とても……独特だ」

「強烈。とにかく強烈。」

「あの臭いが口いっぱいに広がる」

「食感はチャプリン(バッタ)より硬めで、風味は土とカメムシを混ぜた感じ」

「しばらくキスはできないな!ハハッ!」

…といった感じで。

たぶん想像通りの味なんだろうな〜と…。

ただ、日本でよくみるようなカメムシより、あの独特の匂いは若干控えめみたいで、「土」とか「木材」の香りが強いみたいです。

調理方法のコツ

カメムシは、基本「生」で食べないと匂いが飛んでしまうので、熱は加えないんだそう。

なので、

  • 生きたまま
  • そのまま潰してサルサ

という感じで、カメムシの香りを最大限楽しめる(?)方法で調理するのがポイントなんだそうです。

ちなみに熱を加えると、独特の風味が消えるぶん、驚くほど食べやすくなるんだとか…!

メキシコで最もハードルの高い昆虫食?!

わたしは今までにメキシコのいろんな昆虫(芋虫のグサノ、蟻チカタナ、蟻の卵エスカモーレ、バッタのチャプリンなど)を食してきましたが…

カメムシだけは正直ちょっと、食べたくない😂😂😂 挑戦すらしたくない…

ちなみに、タスコ出身の人が、オアハカ(メキシコ南部の虫食で有名なエリア)出身で、一通りの昆虫をわりと日常的に食べている人に「タスコではフミル食べるよ!」って言ったら、

「まじで?!ごめん、ちょっとムリかも…」

って、引かれたんだそうです。笑

なので、虫をふつうに食べる地域の人にとっても、カメムシを食べるのは相当ハードルが高いみたいですね…!

全国に広がらない理由

食用虫の種類が豊富なオアハカの虫は、けっこう全国展開しています。

メキシコシティでも、チャプリン(バッタ)やエスカモーレ(蟻卵)を食べられるオアハカ料理のレストランはあるし、グサノは結構おつまみとして南部を中心に人気です。

…ですが、カメムシはまず見ない。

その理由は、、、

おそらくでしょう。笑

祭りの開催地であるタスコですらも、祭りの時期以外はカメムシ入りのメニューはまず見ない。名物のはずなのに…?(オアハカでは、年中いろんなレストランがバッタや蟻を出してるのに!!)

あとは、基本「生きたまま食べる」ってのがハードルが高すぎるのかもしれません。。

 

「カメムシのカクテル」は年中楽しめる

いろいろ調べてみたところ、わたしが以前書いたタスコの名物料理とおすすめレストランの記事で紹介した有名レストラン「Restaurante La Hacienda」では、「coctel de jumil(カメムシのカクテル)」が通年楽しめるそうです!

すごいアイデア。どんな味…?

ちょっと試してみたい気もするけど、タスコの中では高級なレストランだからそれなりに値段しそう。。

祭りの日程以外でカメムシを味わってみたい人は、ここに行ってみるといいかもです!

 

「Día del Jumil(フミルの日)」の祭りについて

メキシコの昆虫食カメムシ7

「Día del Jumil(フミルの日)」のお祭りは、毎年11月の最初の月曜日に開催されます。

80年くらい続いているイベントもあるらしく、Cerro del Huixtecoという山の中で開催されます。(街中ではないらしい)

「あの祭り」とほぼ日程がかぶってる

…そう、11月の最初の週といえば、まず思い浮かぶのがメキシコの有名な祝日「死者の日」。

ツィンツンツァン村の墓地(死者の日)4

この日程はほとんどの人は、カメムシを食べる祭りよりも、死者の日のパレードとか飾り付けが盛大な街に遊びに行きたいはず。笑

(正確には、死者の日の次の月曜日がカメムシ祭りなので、頑張れば死者の日からハシゴできなくはないけど、死者の日で有名な土地ではイベントはその後も続くので、できれば誰でもそっち優先したい。笑)

また、盛り上がり具合も「街をあげてめっちゃ盛り上がる!!」というわけではなく、一部の人が楽しむ程度だそうです。

なので、わざわざこの時期にタスコを訪れる人は超少数派だと思いますが、物好きな人は、ぜひカメムシを食べに行ってみてください😂

 

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