メキシコ・オアハカにある有名な手仕事の村、テオティトラン・デル・バジェ(Teotitlan del Valle)と、そこで作られている「タペテ(tapete)」という織物について紹介します。
オアハカ市内から日帰りで行くことができるので、日帰りツアーが大人気の村です。
一つ一つ手織りで作られるので、全く同じものは一つとしてない一点ものです。
ぜひ、お気に入りを探してみてください!!
もくじ
テオティトラン・デル・バジェ(Teotitlan del Valle)
テオティトラン・デル・バジェ(Teotitlan del Valle)とは、オアハカ市から約30kmほど離れたところにある村。
プレ・ヒスパニック(古代メキシコ)の時代からこのあたりに住む先住民族「サポテコ」が多く住む先住民の村で、今でもサポテコの伝統的な模様をあしらった羊毛ラグ(オアハカ現地では「Tapete(タペテ)」と呼ばれる)の生産が盛んです。
タペテは、英語だと「オアハカン・ラグ」と呼ばれています。
村の歴史
植民地時代の15世紀半ばに誕生した、サポテコの人々によって作られた最初の村の一つです。
「Teotitlan(テオティトラン)」とは、ナワトル語で「神々の国」という意味。
サポテコ語では「Xaguixe(ハギヘ)」と呼ばれ、「山のふもと」を意味します。その名の通り、オアハカのシエラ・フアレス山脈の麓にある村です。
村の中心部にある教会は、17世紀に建てられたもので、植民地化の歴史を物語っています。なんとここ、「サポテコの遺跡」の石材を崩して作られているんです。オアハカにある有名な「ミトラ遺跡」も、当時の今期すた同じようにサポテコの重要な建物をぶち壊し、その石材を再利用して教会を建てています。
この教会の裏側に回り込むと、サポテコの遺跡の模様が残っていてよくわかります。
教会には、この村のタペテに次ぐ名産品の「花のろうそく」が飾られています。
村に住む人々
今でも、この村に住むほとんどの住民がサポテコの血を引いていて、サポテコの言葉を話すことができます。(メキシコで「先住民」を名乗るときは、その言葉を話せるかどうかがとても大事です。)
だいたいが、スペイン語も話すことのできるバイリンガルです。なので、コミュニケーションもスペイン語でOK。(英語はできない人が多いです😅)
農業と織物で生計を立てている家庭が多く、今では村の150世帯くらいが織物などの民芸品の生産をしています。
村の雰囲気
のどかで素朴な雰囲気の村で、治安もいいです。
この村を歩いてみるとわかるのですが、どこの家族もラグ制作の作業場を開放して「ショップ兼工房」にしているので、いろんな家族の手作りラグを気軽に見ることができます。
いわば、「村まるごと、織物博物館」という感じです!
オアハカの羊毛ラグ「タペテ」について
タペテは、サポテコの言葉では「laadi(ラディ)」と呼ばれていますが、一般的には「タペテ」と呼ばれています。英語では「サポテック・ラグ(Zapotec Rug)」。
オアハカで最も人気のお土産・民芸品の一つで、オアハカ市内のショップでもよく目にします。
↑オアハカ市内にある、タペテ・ショップ。
タペテについては、書くと長〜〜くなるので別記事にまとめています。詳しく知りたい人は、読んでみてください。↓
タペテの作り方・デモンストレーションの見学方法
テオティトランデルバジェ村でタペテ作りをしているほとんどの家族は、自分の家で糸紡ぎから染料作り、染めの作業、織りまでのすべての工程をこなします。
デモンストレーションの見学の方法
村では、その一連の作業を「デモンストレーション」という形で見学することもできます。
ただこのデモンストレーション、かなり人が集まった状態(ツアーなど)じゃないとやってもらえないのと、個人でやってもらった場合はどうしても「絶対買わないといけない感じ」になります。😅
なので、作り方のデモンストレーションを見たい人はツアー参加がおすすめです。
テオティトランデルバジェ村に行くツアー
オアハカでは、地元の企業による「1日ツアー」が開催されていて、テオティトランデルバジェ村の工房がコースに組み込まれたコースもあります。
しかも、1日ガッツリ楽しんで一人200ペソ(約1,200円)と格安!!(繁忙期は300ペソ〜。需要によって値段は変わります)
事前予約よりも、現地の中心地にあるツアー会社に頼む方が安いです。
詳細はこちらの記事でも紹介してるので、興味のある人はチェックしてみてください。↓
ツアーでは毎回、このおじさんが説明してくれます。笑
ツアーのメリット
ツアーのメリットは、大人数で行くので作り方のデモンストレーションを見ることができる、という点。必ず買わないといけないわけではないので、気に入るものがなければ買い物しなくてもOKです。(見学チップはあげた方が◎)
また、やっぱりタペテの値段も、村で買う方がオアハカ市内のショップで買うよりもずっと安いです。
ツアーのデメリット
デメリットは、滞在時間が短く、1つの工房しか見られない点。
1日ツアーは他にもいろんな村や見所を巡るので、テオティトランデルバジェ村には30分くらいしか滞在しません。それに、訪れるのも1工房のみ。
「作っている村と工房を見てみたい」というくらいなら、ツアーがぴったりですが、
「自分の気に入るタペテをじっくり探したい」「いろんな工房のデザインを見て回りたい」という人には物足りないかも。
そういう人は、現地ツアーでさらっと見ておいて、後日個人で訪問するのがおすすめです。
ちなみに、ツアーで訪れる工房はとくに割高なわけでもなく、村で手に入る平均価格です。そして、オアハカ市内のどの店よりも安いです。
なので、安心して買って大丈夫!
テオティトランデルバジェ村への行き方
ここからは、ツアーではなく個人で行く方法を紹介します。
バスか乗合タクシーで行くことができますが、乗合タクシーの方がおすすめです。
理由は、バスだと時刻表に行動を合わせないといけないし、いちいちバス停に寄って止まるので乗合タクシーの2倍時間がかかるからです。値段も、ほとんど変わりません。
40〜45ペソくらいです。
乗合タクシーの乗り方
オアハカ市の南東にある「アバストス市場」の隣の乗合タクシー乗り場に行きます。
このあたりに行くと、フロントガラスに行き先が書かれた赤と白の乗合タクシーがたくさん走っています。
この中で、「Teotitlan」と書いてあるタクシーを探して乗ります。
なかなか見つからない時は、同じ方面の「Tlacolula」や「Mitla」行きでもOKです。
乗り込むときに、運転手に、
「テオティトランデルバジェ村に行きたい(”Quiero ir a Teotitlan del Valle”=キエロ イル ア テオティトランデルバジェ)」
と伝えておきましょう。
客が5人集まったら出発です。まさかの助手席に二人乗りでかなり狭いので、後ろの席がおすすめです。
テオティトラン・デル・バジェ村の入り口へ
乗合タクシーで行けるのは、テオティトラン・デル・バジェ村の入り口(分岐点)までです。
村の中心地まではまだまだ4kmほど距離があるので、ここからはモト(三輪タクシー)に乗り変えます。モトは一人5ペソとかです。
いつも村の入り口でスタンバイしていて、村の住人も使っています。テオティトランデルバジェで降りたら、一緒に降りた人についていくか、村の入り口の方まで歩道橋で移動すれば、すぐに乗れます。
↑もしモトがいなくても、このあたりで待っていれば来ます。
テオティトランデルバジェの中心地についたら、適当に散策してみてください。すぐに、店前にタペテを飾っている店や工房が見つかります。
帰り方
帰りも、同じようにモトで分岐点まで行って、そこからオアハカに行く方面の走っている乗合タクシーを拾います。
赤&白の乗合タクシーが通るときに手を挙げれば、(空席があれば)止まって乗せてくれます。
個人で行くなら、テオティトランデルバジェ村のティアンギスの日(毎週月曜)に合わせよう
個人で行くなら、時間に余裕がある人はぜひ、テオティトランデルバジェ村のティアンギス(青空先住民市)が開かれる月曜日に合わせて行きましょう!
より効率よく、たくさんのタペテを見ることができます!
まとめ
以上、オアハカの織物の村「テオティトラン・デル・バジェ村」についてでした!
オアハカでは一村一品が盛んですが、この村でも住人の多くがラグ作りに携わっています。日本では数万円するような超高級ラグも、この村まで行けばとってもお得に買えるし、デザインも豊富で目移りします✨
デモンストレーションもとても面白く、「こんなに手が込んだ作品なのか!」とびっくりすると思います。自然物から様々な色を生み出す作業は、まるで魔法のよう。
ぜひ、オアハカの「魔法」を見に、テオティトランデルバジェを訪れてみてください😀