数年前、初めてメキシコに来たわたしに、あるメキシコ人の友人がこんなことを語ってくれました。
「メキシコの本当の魅力は、大都市のメキシコシティやリゾート地のカンクンではなくて、地方にこそあるんだよ。」
そして実際にいろんなメキシコの周辺都市を巡ってわかりました。メキシコの地方都市は本当にめちゃくちゃ魅力的です!!
メガシティのメキシコシティとは違い、周辺都市には美しい街並みもしっかり残っていて、かつて植民地時代だったころの中世ヨーロッパ風の雰囲気が色濃く感じられます。
16世紀や17世紀の建物がそのまま残されていることが多く、改築を繰り返すヨーロッパの街よりも歴史を感じる地域もあるほど。そして街並みは周辺の自然環境ともうまく調和し、まるでタイムスリップしたような気分に浸ることができるんです。
さらに、自然系の見所も豊富。ちょっと足を伸ばすだけで、日本では見られないようなダイナミックな絶景が広がっています!
今回は、いまメキシコシティにいる人向けに、メキシコシティからふらっと遊びに行ける、周辺都市や見所、観光地をまとめました。
どこも日帰りや1,2泊のエクスカーションが可能です。
メキシコに来たら、ぜひ魅力あふれる地方都市を訪れてみてください!
もくじ
1.テオティワカン遺跡
テオティワカン遺跡は、かつてさかえたテオティワカン文明の名残。メキシコシティから行くべき観光地の中では最も重要な見所です!
1,000年以上前に滅びたテオティワカン文明には、現代のわたしたちは想像もできないような世界観の中、暮らしていました。そんな彼らの暮らしぶりを想像しながら、かつての巨大都市をてくてく歩くのもまた面白いです。
保存状態のいい壁画や石像もたくさん残っているので、遺跡エリア内にある博物館にもぜひ寄ってみましょう!
見どころと名物
テオティワカン遺跡の見所はいわずもがな、現在公開されている3か所のピラミッドです!
- 太陽のピラミッド…一番大きなピラミッド
- 月のピラミッド…遺跡エリアで最も重要なピラミッド。かつて儀式が行われていました。
- テツァルコアトルの神殿…装飾の保存状態がよく、「ケツァルコアトル」という雨の神(羽毛の生えた蛇)の石彫が素晴らしいです。
ちなみに、ほとんどの観光客は行かないのですが、テオティワカン周辺にある村では、毎年季節ごとにカトリックの伝統的なお祭りが開催されます。
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(↑)テオティワカンの街の教会。祭りの時には大量の生花で飾り付けます!
そして、村の地面の下には今でもテオティワカンの遺跡が眠っているんだとか…。1,000年以上前の遺跡のうえで人々が暮らしている…。なんだか不思議な場所です。
行き方やツアー
テオティワカンへは、メキシコシティの北バスターミナルから毎日たくさんバスが出ています。(ほとんど毎時1本。)
メキシコシティの北ターミナルからテオティワカンの入り口までは、片道70ペソ程度で所要時間は1時間くらい。直行バスなので、とても簡単に辿り着くことができます!
テオティワカン遺跡まで直行バスがあるのは、北バスターミナルに入って一番左隅にある「Autobuses Teotihuacan社」のみ。タイムテーブルは以下の通りです。
Autobuses Teotihuacan社 | 毎日、7:15~22:00まで15分に1本運行 | 52ペソ |
参考:Horarios de autobuses para llegar a las piramides Teotihuacan(閲覧:2018年12月3日)
とりあえず、本数も多くいつ行っても乗れるので、飛び込みでOK。
ツアーについて
テオティワカンに行けるツアーもいろいろあります。
他の見所と組み合わせた1日ツアーや、日本語ガイドがついてしっかり説明をしてもらえるツアーなどいろいろあるので、現地ツアーを多種類扱っているベルトラのページ
テオティワカン遺跡について、詳しくはこちらの記事で説明してます。↓
2.テポストラン
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テポストランは、あまり知られていないのですが実はメキシコ屈指のUFOの聖地で、「メキシコで最もUFO目撃情報の多い場所」です!しかも、メキシコは世界で一番UFO目撃情報が多い国でもあります。
つまり…ここテポストランは、世界で一番UFOが出る場所なんです。
テポストランの町の隣にある山の頂上には、謎のピラミッドの遺跡があり、とってもミステリアスな雰囲気。メキシコに来るミステリー好きやオカルト好きの中には、「ここに来るためにメキシコに来た」、なんて強者もいたりします。
見どころと名物
山の上のピラミッドには、トレッキングで行くこともできます。結構急ですが、歩いて1時間ほど。
頂上のピラミッドは、世界で一番UFOが出る場所なので、複数人で行く人は、ぜひUFOを呼んでみましょう!(笑)(わたしたちも呼びましたが、結局見られず…。残念。)
頂上には、「ハナグマ」という中年米版タヌキのような動物がいて、懐っこく近づいてきます。(上の写真はそのときの。)可愛いですが、こやつら意外と凶暴。わたしの友達はお菓子を力ずくで奪われたので、食べ物を持っている人は要注意です。
さらに、テポストランの街自体もこじんまりとしていて可愛いです。街の古い修道院には、中世の時代に描かれた、美しいバラの柄の壁画&天井絵が残っているのでぜひチェックしてみてください。
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さらに、テポストランの近くには、「TUBOHOTEL
ここ、「世界で最もヘンテコなホテル」にも選ばれているほど個性的なホテルで、その名の通り、巨大な土管の中に泊まれちゃいます!
©TUBOHOTEL
とってもユニークな体験になりそうですね^^しかもかなり安いので、お手軽に泊まれますよ~。
行き方とツアー
テポストランまでは、メキシコシティの「Taxqueña(タスケーニャ)」という南バスターミナルから所要1時間20分。
人気の路線で、毎日50本以上の直通バスが出ているので、予約は不要。南バスターミナルに行けば、すぐにチケットを買ってバスに乗れます。
3.ケレタロ
中世のころ作られた水道橋がそのまま残る景観で有名なケレタロは、メキシコシティから気軽に訪れることのできる地方コロニアル都市です。
のんびりとした雰囲気の中、かわいらしいカラフルな家々が立ち並んでいます。
ケレタロの町はあまり観光地としては有名ではないのですが、中心部にある歴史的建造物は世界遺産にも登録されています。
周辺にある見どころもどこも素晴らしいので、起点として滞在するのにおすすめです。
見どころと名物
ケレタロの見どころとして、何よりも素晴らしいのが、近くにある「ある絶景」。
ケレタロの街から60キロほど西に行くと、ペニャ・デ・ベルナルという約300mの高さの岩山が聳え立っています。一枚岩の巨岩で、なんと世界で3番目に大きい一枚岩なんです!
バスに揺られていると突然現れるその岩山の姿はただただ圧巻。ふもとに広がる「ベルナル」という町もとても可愛く、不思議な岩山を背景にしたこの町の景観は、わたし的にメキシコの中でも5本指に入るほど印象的でした。
岩山には、途中まで上ることもできます。
また、ケレタロはとても美味しいチーズやワインの名産地としても知られています。ワイン製造所やチーズ工房を見学することもできて、試食試飲もできます。
歴史と文化、自然の景観、グルメがすべて楽しめる至れり尽くせりな町です^^
場所と行き方情報
メキシコシティからケレタロまでは、毎日直通のバスが毎時2~4本とたくさん出ているので、事前予約など全く必要なし。Estrella Blanca社、Coordinados社、ETN社、Pegasso社の4社が運航しています。
北バスターミナル(Terminal Norte)から出発して、所要時間は片道3時間ほどです。(南バスターミナルからも出ていますが、北の方が本数多め。)
日帰りで行くこともできますが、バスもちょっと長くかかりますし、ケレタロ周辺には素敵な見所が多いので1泊以上してのんびり過ごすのがおすすめです!
4.タスコ
タスコは、「山間の真珠」という言葉がよく似合う、山の中にある「白の街」です。
タスコに並ぶ真っ白の家々は、窓格子の装飾の美しさ、屋根瓦の素朴さもあいまり、わたし的にはスペインのアンダルシア地方の村々(かつて10カ所ほど巡ってきました、)よりも雰囲気があると感じます。アンダルシアの村々が「現代の白い街」なら、タスコは「中世の白い街」です!
道にはモザイク模様の石畳が敷き詰められ、極め付けに、街中を白のメキシカンビートル(タスコの公式タクシー)が走り回っていて、まるでタイムスリップしたような気分に浸れます。
おすすめの見所
タスコの2つある展望台から見る景色は、本当に素晴らしいです。
また、タスコは町自体がとても可愛く、散歩しているだけでも楽しいので、ぜひ路地をいろいろ巡ってみてください。
面白いお店やカフェに巡り合えるかも…!また、治安もとてもいいので安心して出歩けます。
タスコの「銀製品」は世界一お得!
そしてタスコの名物といえば、なんといっても銀製品。
メキシコの銀生産量は世界一。そんなメキシコの中でも「銀といえばタスコ!!」というほど、この町の銀製品は有名です。
かつて銀鉱山の発掘で栄えたこの町には、腕のいい銀細工職人がたくさん住んでいます。しかも、主にこの町から世界中の国に銀製品が輸出されているので、ここで買う銀製品は世界で一番お得なんです。
わたしも、日本では高価な銀のネックレスチェーンをお得にゲットしました。たしか2,000円以下で、もちろんちゃんとした本物の銀です。
週末(土日)には、銀のティアンギス(青空市場)も開催されます!たくさんの露店が出て賑やかです。
場所と行き方情報
タスコへは、メキシコシティの「南バスターミナル」から、長距離バスで2時間半ほどで行くことができます。
バスの時間割は、以下の通り。
Costa Line社 | 1日12本
7:05 8:05 9:05 11:05 13:05 14:05 15:05 16:05 17:05 18:05 19:05 20:05 |
250ペソ |
ADO社 | 1日6本
6:45 8:30 10:05 12:35 13:30 19:05 |
244ペソ |
参考:Terminal Central del Sul del D.F. Horario(閲覧:2018年12月3日)
※料金・タイムテーブルは変更される可能性もあります。
5.グアナファト
映画『リメンバーミー』に登場する「死者の国」のモデルになった街「グアナファト」は、世界一カラフルな街として知られています。
16世紀に銀が発見されたことによってスペイン人が入植して築かれたコロニアル都市なので、中世ヨーロッパの雰囲気が町全体に色濃く残りつつも、同時に「メキシコらしさ」を感じられる不思議な町。
おもちゃ箱をひっくり返したような街並みはただただ壮観。夜景の美しさもメキシコでNo.1です!
(↑)私のカメラではこれが限界…。
今、日本人の間で「メキシコで、カンクンの次に行きたいスポット」として話題になっていて、訪れる日本人の数も年々増加しています。
最近はおしゃれなレストランやカフェも増えてきているので、のんびりするのによさそうです^^
見どころと名物
街の全貌を見下ろせる「ピピラの丘」は、グアナファトに来たら一度は絶対に行くべき必見スポット!
自分で歩いて坂を上っても行けますし、去年はケーブルカーもできたので、楽ちんに行けます。
(↑)ピピラの丘からの景色。感動間違いなしです!
街歩きもたのしく、カラフルな家が連なる路地を歩いていると思いがけずかわいい路地裏や街角スポットを発見してうれしくなります♪
場所と行き方情報
グアナファトまでは、メキシコシティから直行バスが出ています。所要時間は約4時間半。結構遠いですが、足を延ばす価値は十分あります!
日帰りはもったいないので、ぜひ最低一泊はして、メキシコNo.1の夜景も楽しんできてください^^
行き方について、詳しくはこちらの記事で紹介してます。(↓)
6.サンミゲルデアジェンデ
ここサンミゲルデアジェンデは、一言でいえば「物語の世界に迷い込んだような街」。
「Travel+Leisure」という海外の旅行雑誌で、2017年と2018年度と2年続けて「世界の街ランキング」で第一位になっている、知られざるメキシコの名所です!
街は、カラフルな家々が美しく中世ヨーロッパっぽい雰囲気が満点。
もう一つのカラフルな町「グアナファト」と比べられることが多いのですが、サンミゲルからグアナファトまでバスで30分~1時間程度で行けるので、ぜひ両方訪れて「自分はどちら派なのか」を見てみるといいかも。
ちなみにわたしは、メキシコの手仕事のショッピングが楽しく、おしゃれなカフェやレストランがたくさんあるサンミゲルデアジェンデ派です!
見どころと名物
歩いて行ける町はずれの「展望台」からの景色は、ぜひ見てきてください^^
どこまでも続くメキシコ中央高地平原に、サンミゲルデアジェンデの街がシンデレラ城のようなカテドラルを中心に広がっている様子を見ることができます。
夜の中心地はライトアップも美しいです♪
週末は、マリアッチ隊も登場していつも歌声が聞こえ、とても賑やかで、まるで街ごとディズニーランドのような町です!
こちらの記事で、詳しく紹介しています♪↓
7. トラントンゴ洞窟温泉
「メキシコ版パムッカレ(トルコの景勝地)」とも呼ばれるここは、メキシコシティから北に行ったイダルゴ州にある秘境的スポット。
最近はガイドブックでも紹介されるようになり、知名度が上がってきてます!!
ここは一言で言えば「自然の地形を活かした巨大温泉テーマパーク」のような場所で、天然温泉が湧き出る山の一帯に、巨大な洞窟、階段温泉プール、温泉の川など、見どころがいっぱい!!
源泉が噴き出す、鍾乳洞洞窟を探検したり…
温泉の川で遊んだり。温泉の成分によって、川の水が美しいミルキーブルー色になっていてとてもきれい!!水深も浅く、流れも穏やかなので川遊びにピッタリ。
何よりも、全部温泉なので川なのにとてもあったかいのが最高!!
壮大な滝も。(この下に洞窟があって探検できます。)
散策しながら、こんな秘湯チックなスポットを探すもよし。
敷地内は、シャトルバスを使って移動するほどの広さで、どこに行ってもここでしか見られないような絶景まみれで本当に楽しいんです!!
あと、格安でジップラインもできます。(ちゃんと安全です👍)
アクティブ派、自然大好き派の人はぜひ一度は訪れて欲しいスポットです。
メキシコシティからだと、バスを乗り継いで片道5〜6時間かかる上に、現地にも見所がいっぱいあるので、できれば1泊したいところ。
敷地内には格安でテントを借りられるキャンプ場や、庶民派レストラン、1,000ペソ/部屋ほどで泊まれる宿もいくつかあるので、ぜひ1泊以上かけてメキシコの大自然を満喫してきてください!!
詳しくはこちらの記事で紹介しています!↓
まとめ
以上、「メキシコシティから日帰りor1,2泊で訪れることのできる周辺都市まとめ」でした。
まとめると、以下の7か所。
- テオティワカン遺跡(片道1時間)
- テポストラン(片道1時間半)
- ケレタロ(片道3時間)
- タスコ(片道2時間半)
- グアナファト(片道4時間半)
- サンミゲルデアジェンデ(片道3時間半~4時間)
- トラントンゴ温泉(片道5,6時間)
どこもとってもおすすめですが、特にテオティワカン遺跡、タスコ、サンミゲルデアジェンデ、グアナファトの4か所にはぜひ行ってみてほしいです。それぞれ違った雰囲気で、メキシコの面白さがあります。
メキシコシティに滞在する人は、ぜひ大都市のメキシコシティから少しだけ足を延ばして、魅力あふれるメキシコの地方都市や美しい大自然にも訪れてみてください♪
この記事が、これからメキシコを旅行する人の役に立てば幸いです^^