ヤギ肉のスープをタコスにして食べる、ビリア(Bírria)。
メキシコ中央部のハリスコ州の郷土料理でもあります!
この記事では、ビリアの美味しいお店や、日本で本格的な味を簡単に再現するためのレシピを紹介します!
もくじ
「ビリア(Bírria)」とは?
新鮮なヤギ肉を、旨味たっぷりのチレ(唐辛子)と絡めてオーブンでじっくり焼いたり大鍋で煮たりしたあと、ほろほろお肉を肉汁のコンソメスープと一緒に食べる絶品料理です!
英語では「メキシカン・シチュー」とも呼ばれます。
食べるのが難しい?
スープでビッタビタになるので、タコスの中できれいに食べるのが一番難しい!
手はベトベトになる覚悟で食べましょう。笑
でもせっかくなら大きめのトルティーヤを使って「スープたっぷり」で食べるのが一番美味しいです◎!
いろんな部位を食べる
ビリアは、本格的なお店では内臓から頭の肉までいろんな部位を食べることができます。
でも内臓系は本当にヤギ肉感が強いので、臭みが苦手ならマシサ(肩)とかピエルナ(脚)、ペスクエソ(首)、コスティージャ(あばら)あたりの部位が無難。
ビリアの歴史
ビリアとは、「不廃物」や「ゴミクズ」という意味です。
もともとは廃棄される食材で、植民地自体にスペイン人には不要だったから、先住民や混血におこぼれとしてわたされました。
山羊肉はどうしても臭いから、いろんな香辛料に漬けて、味を誤魔化しながら調理したのが、ビリアの始まりです。
ビリアの名店
ハリスコ州周辺で生まれたご当地グルメビリアは、今ではメキシコ全土で愛される郷土料理。
だからハリスコの州都である「グアダラハラ」にはもちろん、今はメキシコ全土に美味しいビリア専門店(Birrieria=ビリエリア)があります。
グアダラハラ
手軽に楽しみたいなら、伝統的なビリアを楽しめるのはグアダラハラ郊外に本店がある「Birrierías Chololo(エル・チョロロ)」。
Netflixの『タコスのすべて』でも紹介されていた名店で、メキシコ人の間でも有名な店。今は2つの支店も中心地にできて、よりアクセスしやすくなりました!
グアダラハラに行くなら、ここはマスト!
ビリアを長年作り続けている職人が、こだわりのレシピと伝統的なスタイルの土釜で最高のビリアを作ってくれます。
なんと「エル・チョロロ」では、マゲイの葉っぱも入れて煮込むらしいです。
アグアスカリエンテス
アグアスカリエンテス(Aguascalientes)にある「フアレス市場」は、ビリアの市場として有名。
地元の人が集まっていて、いろんなお店でビリアを食べられます!
メキシコシティ
わたしはもっぱらメキシコシティでビリアを開拓してきたので…むしろ他のエリアのことはよくわかってないです。笑
ハリスコや北部だけでなく、メキシコシティでもめちゃくちゃ美味しいビリアを味わうことができます!
地元民に大人気の、最高に美味しいビリア専門店を紹介します♪
メキシコシティなら「サンタ・バルバラ(Santa Barbara)」が一番有名。いつも人でいっぱいです。
ブエナビスタ駅のすぐ近くにある「Birria el Güero」も名店。わたしはサンタ・バルバラよりもこっちの方が好きですが、好みの問題です。
「Birria El Jarocho」、「Birrieria El Rancho」あたりも美味しいです。
↑ここまでに紹介したのは、治安面で不安のないエリア。夜に食べに行っても全然OKです。
そしてなぜかビリアの名店(特に小さいところ)は、ちょっと治安面で不安があるエリアにあることが多いです…。
わたしがメキシコシティで一番好きなのは「Don Chuy」というお店なのですが、ここもあまり治安良くない…。笑 でもめちゃくちゃ美味しくて、いつもローカルでいっぱいです。
↑Don Chuyのビリアは、全然山ヤギ肉臭さがなくて「コレ本当に山羊肉?」って思うほど。初めてわたしにビリアの美味しさを教えてくれたのが、このお店でした。
行くなら、日中の明るい時間帯に行ってみてください!
Birriaのレシピ
「ビリアを作りたい!」という人は少ないかもしれませんが…一応書いておきます!
ヤギ肉だけでなく、牛肉でも作ることができます。
わたしは、自分で作るとなぜかヤギ肉の臭さがとんでもないことになるので、基本牛肉でしか作りません…。(肉の新鮮さの問題か…?)
一番のポイントは、生肉の塊をよ〜くマリネ液に漬けること。最低一晩は浸けます。
基本の「マリネ液」材料
ビリアのレシピには、日本で手に入りにくい食材は実はあまりないです。
本格的な材料となると、こんな感じ↓
- ニンニク
- タイム
- クミン
- 粗塩
- 生姜
- オレガノ
- コショウ
- クローブ
- 唐辛子
これがベース。固定された分量はなく、基本、好きな分量とバランスでマリネ液を作ります。
パイナップル酢、リンゴ酢、オレンジなどフルーツ系の酸味を加えると、さらに味が締まるのでおすすめ。
唐辛子は、本場ではいろんな種類をミックスするけど、日本では手に入りにくいものが多いので、とりあえず「guajillo(ワヒージョ)」という乾燥唐辛子があればOK。
さらに「ancho(アンチョ)」という乾燥唐辛子もミックスすると、より味わい深く本格的な味なります。(どちらも楽天とかで買えます。)
唐辛子の下処理と、マリネ液作り
むいたニンニクと、塩と、水を煮立たせます。(塩分濃いめで)
唐辛子は、水から沸騰させ、しばらく蒸らしたら開いてヘタやタネを取り出します。
あとは、マリネ液の材料を全部ミキサーに入れてミックス!そのマリネ液に肉の塊を投入して、一晩漬け込みます。
煮る
ビリア作りでは「超低温調理」が基本です。
大きめの鍋に、肉とつけ液を入れます。さらに、焼き目をつけた玉ねぎとトマトをミキサーにかけたサルサも投入。
じっくり弱火で熱していきます。アクが出たら取り除きます。2時間くらい。
家にある人は、圧力鍋を使っても時短できるみたいです。
完成
できたお肉とスープをもりつけたら、さらに生玉ねぎとパクチーのみじん切り+ライムを搾り入れて、完成!
一緒にトルティーヤも用意しておけば、完璧です!