テオティワカン遺跡といえば、メキシコシティに行く人は絶対に訪れるべき必見スポット。
市内から1時間で簡単にアクセスでき、見応えもバッチリな超おすすめな見所です。
そんなテオティワカン遺跡ですが、実はわたしは数年前にここで1ヶ月ほど働く機会がありました。(「働く」と言っても、一番簡単な仕事をお手伝いしてただけです。大学にテオティワカン遺跡の発掘をされている考古学の教授がいらっしゃったので、その先生に頼んで実現しました。)
その期間に、テオティワカンの街に住んで何度もテオティワカン遺跡を訪れ、たくさんの見所を知りました。
(↑)ちょうど日食の日にもテオティワカンで働いていて、お昼休みに遺跡を訪れたところ、白装束の軍団が儀式をしているところも見かけました。
そんなテオティワカン遺跡ですが、実は有名なピラミッド以外にも見所がたくさんあります。
が、その一部はほとんど誰にも知られていません…。(なぜか、ガイドブックにも載っていません。)
アピールしなすぎて、誰も見にこないのが残念すぎる&もったいないので、せっかくなのでそんな地味スポット(←失礼)も含め、「テオティワカンで見るべきもの」について、一気に紹介しようと思います!!
「メキシコシティからの行き方(バス利用)」も詳しく紹介しているので、行く予定の人は参考にどうぞ!
もくじ
メキシコシティからテオティワカン遺跡への行き方
テオティワカン遺跡へは、メキシコシティの北バスターミナルから直通バスが出ています。
遺跡までは、ツアーやタクシーで直接向かうこともできるのですが、今回はより安価なバスを使った行き方を紹介します。
簡単・安全・安い!ということで一番おすすめです。節約も兼ねて、ぜひバスで行ってみてください。
ということで、まずはメトロ(地下鉄)やタクシーを使って、メキシコシティの北バスターミナルに向かいましょう!
ステップ①:テオティワカン行きの直行バスが出ている北バスターミナルへ行こう
メトロ(地下鉄)でバスターミナルまで行く場合
北バスターミナルは、メトロ「Centro Norte(セントロ・ノルテ)」という地下鉄駅と繋がっています。
なので、メトロで行く場合はとりあえず「Centro Norte駅」を目指すことになります。
- 滞在している宿の最寄りの地下鉄駅に行きましょう。
メトロは、乗り換えも含め、どこまで乗っても一律5ペソです。改札の前にある窓口でチケットを買うことができます。 - 欲しいチケットの数だけ言って(「1-ウノ」、「2-ドス」など)、お金を入れると、おつりとチケットをくれます。
<ヒント>
もし帰りもメトロを使ってホテルまで帰る予定の場合は、行きと帰りの2枚チケットを買うようにしましょう。北バスターミナルのメトロ駅、Centro Norte駅のチケット売り場は、かなり混んでいて長時間待たされることがあるからです。 - チケットを改札口に入れて、入場します。
(チケットは「入場券」なので改札に入れたら帰ってきません。どこまでも行っても一律料金。) - 乗換駅などを地下鉄内にある地図で確かめ、行きたい方向のメトロに乗りましょう。
乗り換えの際には、「SALIDA(出口)」ではなく、「CORRESPONDENCIA(乗り換え)」のサインについていきましょう。乗る電車の「方向」も、間違えないように。乗り換えには結構歩くこともあります。
セントロ・ノルテに行くときに乗り変えることになる「La Raza(ララサ)」という駅の乗り変えは衝撃的に長く、10分弱歩きます。
長すぎるからか、乗客を楽しませる(?)ために「科学ミュージアム」と称した宇宙誕生、生物の進化などについて説明したパネルが廊下に沿って飾られ、宇宙空間のようになっているエリアもあります。
それも楽しみながら進みましょう。 - Centro Norte駅に到着して改札を出たら、「Centro Norte」「Terminal de Autobus」などとと書かれた看板についていき、改札を出て外にいったん出たら、目の前が北バスターミナルです!
地下鉄を使う際の注意点
- スリが多いので、注意。
特にポケットには携帯、財布など何も入れないように。 - 女性はできるだけ女性専用車両(右側の車両)を使いましょう。
- 7:00~9:00はラッシュアワーの時間帯です。メキシコシティのラッシュアワーは日本並みにえげつないので、必ず7:30以前か、9時以降に乗るようにしましょう。
タクシーでバスターミナルまで行く場合
ホテルで安全な「シティオ・タクシー」を呼んでもらったら、「Centro Norte(セントロ・ノルテ-北バスターミナルの名前)」、「Terminal de Autobus Norte(テルミナル デ アウトブス ノルテ)」まで、とお願いします。
「バスターミナルまで」と言っても、メキシコシティにはバスターミナルが4か所あるので、必ず「”北”バスターミナル」に行きたいということが伝わるようにしましょう。
メキシコシティの中心地からは、渋滞のない場合は15~20分ほどで到着します。
しかし、平日の朝(特に7:30~9:30)に行く場合は、道路渋滞に巻きこまれる可能性がかなり高いので、あまりおすすめできません。(その時間帯は地下鉄でもラッシュの満員状態です…。)
メキシコシティの渋滞はかなりひどく、下手したら一時間くらいかかる場合も…。平日に行く場合はさらに朝早くか、休日に行くのがおすすめです。
メキシコシティでは、配車アプリ「Uber(ウーバー)」の利用も安全で楽なのでおすすめです。
ステップ②:バスターミナルからテオティワカン遺跡へ
無事バスターミナルに到着したら、あとは簡単。
バスターミナルは横に広い構造なので、入り口に入ったらずっと左側(Sala 1~8の中の、8番の方面)に行きます。
一番奥から二番目の、小さなブースにあるピラミッドマークを掲げるバス会社「Autobus Teotihuacan」(8番カウンター)で、テオティワカン遺跡までのチケットを往復で購入します。(どうせ帰りも買うことになるので。)
往復で買っても別にお得にはならないですが、帰りスムーズに乗車することができます。
「テオティワカンまで。(「A Teotihuacan」か「A piramide)」)と言えば、チケットを出してくれます。このバス会社を利用する外国人の99%は遺跡に行く人なので、何も言わなくても買えると思います。笑
バス会社名 | Autobus Teotihuacan (アウトブス・テオティワカン) |
---|---|
値段 | 往復で104ペソ (値上がりの可能性あり) |
予約 | 不要 |
バスの出発頻度 | 15分ごと |
所要時間 | 片道1時間 |
遺跡に到着したら、バスの運転手が「Piramide(「ピラミデ」=ピラミッドのこと)~!!」と教えてくれるので、そこで下車です。
周辺の街も「テオティワカン」という名前なので、現地の人は遺跡を区別するために「ピラミデ」と呼んでいます。
「バスは難しそう…。」と思った人は、タクシーやUberで行ってもいいと思います。予算は、1台あたり500ペソ/台ほど。
もしくは、プロの日本人ガイドが説明してくれる現地ツアーもあります。
テオティワカン遺跡の入場チケットの値段
テオティワカン遺跡の見学には、入場料がかかります。
テオティワカンの入場料
一人あたり90ペソ
入場券は、前売りはなくエントランスで買います。現金のみ。
また、メキシコ国民で以下の条件にあてはまる人は、テオティワカン遺跡に無料で入ることができます。
- メキシコの学生(身分証が必要)
- 教職員(身分証が必要)
- 60歳以上 / 年金享受者 / 退職者
- 子ども(13歳以下)
外国人観光客は、「日曜以外」に行くのがおすすめ。
テオティワカン遺跡に持って行くとよさそうな持ち物
「絶対に持っていった方がいいもの」は、この3つくらいです。↓
- 帽子(日差しが強く、日陰がないため)
- 水たっぷり
- 運動靴
ペットボトルの水やお菓子は、遺跡エリア内でも買うことができます。
いつも観光客に冷たくあしらわれてるのを見て、不憫だったので…。😭
ただ、「ピラミッドに登る時点」では、できるだけ身軽な方がいいと思います!
また、遺跡エリア内では意外とたくさん歩いて階段も上り下りするので、運動靴の方がいいです。サンダルは滑って危ないので、おすすめしません。
また「日傘」も、風にあおられてピラミッドの階段から転落する危険性があるので、NG。(ピラミッドの階段の角度、めちゃ急なので。)日よけは帽子にしましょう。
持っている人は、「日差し対策のサングラス」もあるといいと思います。高地は太陽パワーがスゴイので。
遺跡内にタコスなどの食べ物屋台はない(レストランのみ)ので、昼過ぎまでいる予定の人は遺跡エリアの外に出ている屋台で腹ごしらえしておいたり、スナックがあるといいと思います。(スナックは遺跡エリア内のショップでも買えます。)
テオティワカン遺跡の、見所スポットまとめ。
さて、ここからは遺跡エリア内の見所を紹介していきます。
メキシコシティからテオティワカン遺跡までバスで行った場合、だいたい蛇神殿(ケツァルコアトルの神殿)の目の前のエントランス「Puerta 1(1番エントランス)」から入場します。
※たまに太陽のピラミッド正面の入り口に到着することもあるみたいです。
入場券を買ってエントランスを抜けたら、すぐ目の前に遺跡エリアが広がっています。
遺跡内には見所がた〜くさんあるので、一つ一つ紹介していきます!!
1.ケツァルコアトルの神殿
遺跡エリアに入ったら、まずはそのまま死者の大通りを横切って草むらを直進して、目の前にあるピラミッドに行きましょう。
手前にある低いピラミッドを登ると、目の前に蛇神殿(「ケツァルコアトルの神殿」)が現れます。
蛇神殿(ケツァルコアトルの神殿)は、このエリアにある遺跡の中で三番目に大きく、そして最も美しいピラミッドです。
ちなみにわたしは、その神殿の手前にあるピラミッドを下から見たとき、
「なんだ、ただの小さめのピラミッドか。早く大きい太陽のピラミッドの方に行こう。」
と、3回くらい完全にスルーしてました。(しかも何度も。)
装飾の美しさはここがNo.1で、遺跡エリア内でも指折りの必見スポットなので、わたしのようなミスをしないように注意。
羽毛の生えたヘビ「ケツァルコアトル」(水の神、地中の時の支配者)や、「トラロック」(雨の女神)の彫刻・壁画がしっかり残っているのはココだけ。
赤色の壁画の一部や、壁面を埋めていたと考えられる白い漆喰が残っており、かつてはここは極彩色に彩られ、とても美しい装飾のピラミッドだったのだそう。
実は、中からは当時の生贄の体もたくさん見つかっているそうです…!
そして、もしかしたらこの近く or 地下に王墓が存在する可能性も出てきている、かなりエキサイティングなスポットなのです。
2.死者の道(遺跡エリアを貫く大通り)
ケツアルコアトルのピラミッドを見たら、南北に2kmほど伸びる巨大な「死者の道」を通って、遠くに見える月のピラミッド方面に歩いていきましょう。
途中、何度も階段を登ったり降りたりしてちょっと面倒くさいです。
横には、小さめの台形のピラミッドが並んでいます。ここの階段部分で横を向いて手を叩くと、音が反響して、
「クワックワッ」
と、なんとも不思議な音がします。
この音が、「ケツァルコアトルの鳴き声」だという人もいますが、テオティワカンのプロであるわたしの先生いわくそれはただの迷信らしいです(笑)
それでもやってみると面白いので、ひたすら続く階段上り下りに飽きたら、試してみてください。
ちなみに、テオティワカン遺跡から遠く離れたユカタン半島のマヤ遺跡「チチェンイッツァ」でも、ある場所で手を叩くとこれと全く同じ音が聞こえました。
(↑)チチェンイッツァで手を鳴らすガイドのオマール。
オマールの手叩き技術は「遺跡ガイドNo.1」だそうで、音もよく聞こえました。
オマールいわく、これは
「かつての貴族が、ピラミッドの上にいる王様を下から呼ぶ時や、王様がピラミッドの上から大衆に向かって話すときに、よく声が響くように完璧に計算されている」
らしいです。
この「クワックワッ音」にも何かしらの意味があり、当時は活用されていたのかもしれせんね。
3.太陽のピラミッド
「太陽のピラミッド」は、高さ65m、そして1辺の長さが225mもある、テオティワカン遺跡で最も大きなピラミッドです。
ここのピラミッドには、頂上まで階段で登ることができます。「248段」…と聞くと楽勝な気がしますが、ピラミッドの階段はとにかく急で一段一段が大きい!
標高の高さ(=酸素の薄さ)もあいまり、メキシコに来たばかりの人には、心臓破りなピラミッドです。(これもあり、テオティワカン観光はメキシコシティに到着から「2日後以降」をおすすめしています。)
が、
太陽のピラミッドの頂上からの景色は最高なので、ぜひ登ってみてください。
(↑)頂上から見た「月のピラミッド」。
(↑)天気のいい日には、メキシコシティ方向を見ると街の大気汚染がはっきりと目視で確認できますよ~!(笑)
だいたいゆっくり登って10〜15分ほどかかります。(ダッシュで5分)
「登り+頂上で休憩&景色を楽しむ+下る」で、合計30分くらい見ておくといいと思います。
4.ジャガーの壁画
太陽のピラミッドと月のピラミッドの間、死者の道の右側に、ジャガーの壁画がひっそりと描かれています。
ジャガーは当時の人々にとって「最強の動物」であり、「もっとも恐るべき対象」でもありました。このジャガーへの「特別な動物」という視線は、マヤやアステカなど他の多くのメキシコ古代文明でも見られます。
ここまで状態のいい壁画はテオティワカンの中でもとても珍しいので、ぜひ少し立ち寄って見てみてください。
ピラミッドは、元のピラミッドの上にかぶせるような形(けずることもある)で何度も建て直しが行われているのですが、その建て直しの際にこの壁画も上の壁に埋められていたことから、劣化せずこんなにいい状態で見つかったのだそうです。
色もしっかり残り、かつての極彩色に彩られたテオティワカン都市を思わせるような、とてもカラフルな壁画です。
5.月のピラミッド
月のピラミッドは、死者の道の正面に位置している、2番目に大きいピラミッドです。
ここで儀礼などが行われたことがわかっており、テオティワカン遺跡にある建物の中で最も重要な役割を持つピラミッドだと言われています。
高さは、太陽のピラミッドよりも少し小振りな42m。紀元後350年ごろに作られたとされています。ピラミッドの頂上までは行けないのですが、途中までは登ることができます。
ゆっくり登っても2分ほどで登ることが出来るので、体力に自信のない人は太陽のピラミッドの代わりにこちらのピラミッドに登るのがおすすめ。
ただし、月のピラミッドの階段は異常なほど急(太陽のピラミッド以上に)で、今までに、観光客が転げ落ちた死亡事故も何度か起きています…。おりる時には特に、真ん中のロープをしっかり持って、なるべくゆっくり降りるようにしましょう。
そして、高所恐怖症の人は登ったが最後、下りられなくなるかもしれないので、登るのは避けた方がいいと思います。
高所恐怖症じゃなくてもかなり怖いので…。(高所恐怖症の友達は、「ここ10年で一番怖い体験だった」って言ってました😂)
6.ケツァルパパロトルの宮殿
当時のテオティワカンの建物の姿を最も完全に近い状態で復元したのが、ここ、ケツァルパパロトルの宮殿です。
月のピラミッドの前にある「月の広場」のすぐ西側の、お土産屋さんが建ち並ぶエリアの前にあります。
テオティワカンのかつての住居(神官の住居だと思われる)が再現された、必見スポットです。
ちなみに、屋根部分は赤い部分は完全に再現されたレプリカなのですが、柱は半分くらいは本物(オリジナル)です。
よ~く近づいて見たときに、「縦方向の傷の様なシマ模様」が入っているのは復元された部分で、入っていない部分がオリジナル部分です。(↑)この写真だと、右半分がオリジナルですね。
ここは、オリジナルがかなりしっかり残っている珍しい場所です。
鳥の目の部分には、ここの地域でよくとれて石器としても活用されていた黒曜石が埋め込まれていました。良く見ると、何箇所か丸い黒曜石が埋め込まれています。
7.ジャガーの宮殿
ケツァルパパロトルの宮殿を見終わったら、そのまま続く「ジャガーの宮殿」に行きましょう。
ここには、鮮やかな、状態のいい壁画が残っています。(↑)の写真の「ほら貝を吹いている羽毛付きジャガー」の壁画は必見。
続くトンネルを潜り抜けていくと、その先にはほぼオリジナルで残っている、部屋のようなスペースがあります。
柱も、壁もオリジナル部分が多く、色もしっかり残っていてとても美しいです!(NOフラッシュです。写真はフラッシュっぽいですが焚いていないです。内部も結構明るい。)
ここの内部も、月のピラミッドと同じように紀元後350年ごろに作られたとされています。
8.シティオ博物館
太陽のピラミッドのすぐわきにあるここの博物館には、テオティワカン遺跡から発掘で見つかったものが展示されています。
わたしはテオティワカン遺跡に5回行っても全く存在を知らず、6回目にして初めてこの博物館の存在を知り、「こんな場所があったのか!」と相当な衝撃を受けました。(笑)
それくらい、影の薄い場所にあります。
が、展示内容は充実しているので、テオティワカンに行く際にはぜひ立ち寄ってみてください。
土偶、石器、土器、そして見つかった生贄の骨なども見ることができます。
このへんは、テオティワカンの発掘に参加していたわたしでも見た事のないようなクオリティーのものも沢山あり、感動しました!
テオティワカンの土偶は、ちょっとしたゆるキャラのようでかわいらしいです。
たまらないユルさ。笑
「人間の下あごを首飾りにしている生贄体たち」も見られます。(↓)
ミニチュアのかつてのテオティワカンの都市の様子が再現してある大きな部屋もあります。(↓)
現在の太陽のピラミッドを大窓から眺めながら、かつて栄えていた巨大都市の「立体地図」を眺めるのはなかなか面白かったです。
9.壁画博物館
ここは、下手したら、1日に数人しか来ないのでは…?というレベルで、シティオ博物館よりもさらに影の薄いところです。
しかも、わざわざエントランスから出て道沿いに歩いていかないと辿りつかないので、本当に誰も来ません。というか、みんなここの存在を知りません。(笑)
が、しかし。
ここにも、かなり価値のある素晴らしい壁画がたくさん展示されているので、かつてのテオティワカン人の描いた壁画や、彼らの世界観を学びたい人には必見のスポットです。
意外に思えますが、テオティワカンは当時「真っ赤な都市だった」と言われています。現在までに出てきている建物や壁画の多くに、赤色がしつこいほどに使われているからです。
ここの壁画を見ると、その「赤さ加減」がよくわかります。とにかくどの展示品も真っ赤です。
壁画は遺跡の中でも特に重要な発掘品なので、時間に余裕のある人はぜひ少し足を延ばして、壁画博物館の方も見てみてください。
テオティワカン遺跡を、もっと楽しめる豆知識
テオティワカン遺跡をもっと楽しめる、ちょっとした豆知識を紹介します。
1.壁の模様の秘密
秘密でもなんでもないのですが、テオティワカン遺跡の壁の模様のナゾについて紹介します。
今遺跡エリアで見られるテオティワカンの建物は、すべて石造りです。その壁を近くで見てみると、(↑)の写真のように、大きな石の間に小さな小石がライン状に入っています。
これ、テオティワカンでよく見られる石壁なのですが、実はこの小さな石は、「復元後」という意味で入れられています。つまり、この小石が入っている部分はオリジナルではないのです。
オリジナル部分は、小石が入っていない部分。上の写真でいうと、真ん中の白い部分ですね。
これを知ったうえでテオティワカン遺跡を巡ってみると、どこの部分がオリジナルで残っているのかがよくわかります。そして、それがどれだけ少ないのかも。(笑)
しかし、このオリジナル部分を直線で繋げていった結果、どんな建物なのかわかる→再現が可能になるんだそうです。
2.遺跡周辺には昔の住宅があった
テオティワカン遺跡は、遺跡エリアの中のピラミッドだけではありません。
本当は、遺跡エリア以外にも(なんと、今ある近隣の村まで!)かつてのテオティワカンの住民の居住区が地下に広がっています。
テオティワカンは、かつて巨大都市だったんです!!!
実際、現在もそのエリアの発掘調査は行われていて、わたしが参加していたときは太陽のピラミッドの見えるところで発掘をしていました。
実は、太陽のピラミッドや月のピラミッドの頂上に登って、遺跡周りの森の中をよ〜〜〜く見てみると、遺跡のまわりの草原やサボテンの樹の森の中で働いている人が見えます。彼らは、テオティワカンの遺跡発掘調査をしている人たちなんです。
発掘しているエリアには一般の人は入ることはできませんが、死者の道の脇の階段を登ると、すぐ近くで発掘していることもあります。
余裕のある人は、ピラミッドに登ったときにそれを意識してまわりを見渡してみると面白いかもしれません。
「あれは絶対に元・ピラミッドだな」と思えるような「小山」があちこちにありますよ。
(↑)月のピラミッドから見た図。サボテンまみれの一角に発掘仲間が見えました。(写真はめちゃわかりにくいですが)
テオティワカンの見所をまとめた地図を作ってみた。
テオティワカン遺跡内の見所をまとめた地図を作ってみました。参考にどうぞ!
遺跡の効率的な回り方
テオティワカンには、出入り口(チケットオフィス)が3箇所あります。
どこからでも出入りできますが、バスで行った場合「1番口(もしくは2番)」から入ることになり、順番に見所を見て行ったら最後に「3番口」から出て帰る、という流れです。
1番口から入った場合、見学の流れは以下の通り。
- 1番口から入場
- ケツァルコアトルの神殿
- 死者の道
- (シティオ博物館)
- ジャガーの壁画
- 太陽のピラミッド
- 月のピラミッド
- ケツァルパパロトルの宮殿
- ジャガーの宮殿
- 3番口から退場
- (壁画博物館)
大体の人が、こういう順番で見学することになると思います。
2つある博物館は、どちらもめちゃアクセスしにくいところにあるので、時間のある人向けです。
「戻らない」前提で観光しよう
入口と出口が違うので、「また後で戻ってこよう」と思わず、「もう2度と戻ってこない」と思って回ったほうがいいです。
遺跡エリアは想像以上に広く、死者の道も2kmくらいある(&炎天下)ので、十中八九疲れて戻ってこられないです。笑
テオティワカン遺跡散策におすすめな時間帯は、朝。
テオティワカン遺跡を訪れるのにおすすめの時間帯は、午前中です。
なるべく早く行った方が観光客の数も少なくより空いていて、落ち着いた厳かな雰囲気の遺跡を楽しめます。
ただし6時台など早朝すぎると、霧が立ち込めていて前方がほとんど見えなかったり、草ツユでズボンや運動靴が濡れます。
雨期は、午後雨が降る
また、雨季(4月~10月)のメキシコは、昼以降、特に夕方から雨が降る確率がものすごく高いです。
テオティワカン遺跡のピラミッドの階段はとても急で石造りなので滑りやすく、雨の日は少し危ないので、雨季に行く予定の人は、特に、午前中に行くようにしましょう!
晴れている日は、標高が高い(約2,000m)分太陽光線が強く、かなり暑いうえにたっぷり日焼けします。遺跡エリア内にはなかなか日陰がないので、やっぱり「日差し」という観点からも比較的涼しくて快適な午前中に遺跡を巡るのがおすすめです。
ちなみに、朝の8~9時ごろに行けば、観光客の乗っている気球&ピラミッドのコラボを見ることもできます。
メキシコの日の出は7時~8時くらいと遅めなので、季節によってはテオティワカンで朝日を見ることもできます。
「太陽のピラミッド」や「月のピラミッド」の上で、朝日を見ながらヨガや瞑想をする人もいるようですよ〜。
テオティワカンは、日帰りで十分!
テオティワカン遺跡の観光は、サクッと見れば半日で足ります。
とても興味のある人やヨガもしたい人は丸一日使うかもしれませんが、基本的には日帰りで十分です。
また、夕方(5時)以降はメキシコシティへ帰るバスが渋滞に巻きこまれる恐れがあるので、それまでに見終われるよう、逆算してプランを立てるといいかもしれません。
気球に乗りたい人は、ツアーを予約
テオティワカン遺跡には「気球ツアー」もあり、結構人気です。
「ピラミッドを空から見下ろす気球体験をしてみたい!」という人は、ツアーに参加すればメキシコシティのホテルまでの行き帰りの送迎もつきます。
時間帯は、その時期の「日の出の時間」に合わせて催行されます。
わたしはお金がないのでやったことはありませんが、実際に体験した人いわく「最高の体験」だったそうです!
ちなみに気球の値段は、一人当たり190ドル前後(約20,000円)です。
メキシコの物価を考えるとべらぼうに高いですが、テオティワカン遺跡を空から見下ろすと、古代都市の位置関係や全体像を一望できて面白いと思いますよ~。(テオティワカンで働いてた時は、毎朝うらやましい気持ちで見上げてました。)
まとめ
以上、「テオティワカン遺跡への行き方」や、「遺跡エリア内の見所スポット」についての紹介でした!!
テオティワカン遺跡は、だいたいみんなピラミッドを見たら帰ってしまうのですが、時間位余裕がある人はぜひ博物館にも訪れて欲しいです。入場無料だし、結構充実の内容なので、考古学に興味のある人は楽しいと思います。
そして、テオティワカン遺跡はまだわからないことがいっぱいの未知の遺跡でもあります。
新しい発見があるたび、どんどん情報が更新されていくので、「テオティワカンの歴史」として紹介されている文章も、中には間違った情報のものも。
(例えば、日本のガイドブックやウィキペディアではいまだに「紀元前2世紀〜6世紀」と紹介されていることがあるのですが、これが間違いだった、など。)
それくらい、「まだわからないことがいっぱい」なんです。あとは、王墓も見つかっていない(可能性のある場所は見つかっているけど、発表はされていない)し。
これから先も、考古学者たちによって様々な発見があるだろうと思われます^^
テオティワカンツアーは、いろんなツアー会社から出ていますが、日本語ツアーでも意外とお手軽価格なものもあるので、「自力で行くのが面倒」という人はぜひチェックしてみてください。
>テオティワカンの日本語ツアー
この記事が、これからテオティワカン遺跡に行く人の役に立ちますように!!
メキシコシティについては、他にも記事を書いているので参考にどうぞ。(↓)