世界中に「メキシコが舞台の映画」は数あれど、ほとんどが麻薬やマフィアなどメキシコへの偏見が酷いものが多いです。
そんな中で「アニメ」は、やはり内容が子供向けなこともあり、メキシコの暗い部分だけでなく、明るい部分(魅力や文化の面白さも)映し出してくれます♪
そこで今回は、メキシコが舞台になっていて、かつメキシコの空気感や文化も丸ごと楽しめるような「アニメ映画(日本語Ver.があるもの限定!)」を4つご紹介します!
みなさんの知っているような映画会社やアニメも多いので、興味があったら見てみてください^^
もくじ
ドラえもん のび太の太陽王伝説
まず最初は、有名な「ドラえもんシリーズ」の『ドラえもん のび太の太陽王伝説』から。
このドラえもん映画作品は、ドラえもん誕生30周年記念作品として制作された第21作目で、2000年3月11日に公開されました。
今からもう20年近く前の映画なんです。
あらすじ&予告編ムービー
白雪姫の劇の練習をしていた5人。しかしどうにもうまくいかない。しかもドラえもんのひみつ道具「万能舞台セット」をジャイアンに取られてしまう。絶対返してくれないと判断したドラえもんは、「タイムホール」を使って取り返そうとする。ところが失敗し、おまけにのび太が無理した結果、タイムホールの時空が乱れ、その影響で、のび太の部屋のタイムホールが古代の太陽の国といわれるマヤナ国に繋がってしまう。そこでのび太は、自分そっくりの姿をしたティオ王子に出会う。現代文明のことを知ったティオは興味を示し、しばらくのび太と入れ替わってほしいと頼む。ティオの母は魔女レディナの呪いで眠り続けており、ティオはレディナを倒す強い力を求めているという。ティオと入れ替ったのび太は王子様気分を楽しむも慣れない王国での暮らしにタジタジ、のび太となったティオは慣れない現代世界のあちこちで騒動を起こす。やがて秘密を知ったしずかたちも、のび太と共にマヤナ国へやって来る。そんな折、ティオに仕える少女ククがレディナに捕われてしまう。ティオはレディナの神殿へ向かい、ドラえもんたちも後を追い、時空を超えた大冒険が始まる。
映画の予告トレーラー
この映画の注目ポイント
この映画の舞台(ティオの王国)は、マヤナ国。つまりメキシコのマヤ文明の王国だと思われます!
苔むすほどの湿度があるジャングルや、聖なる泉「セノーテ」の存在、そして石造りの台形ピラミッドの存在も、ユカタン半島のマヤ文明を彷彿とさせます。
もちろん、実際のマヤ文明とは違う描写も多々ありますが、そこはアニメのご愛敬。それでもかなりメキシコの古代文明の魅力をガッツリ伝えてくれる、楽しい映画です♪
(↑)映画に登場するセノーテ
…実は、幼いころのわたしは、この映画で「メキシコ」という国の存在を知りました!!いや、正確には、「この不思議で魅力的な古代文明の世界観を知った」というかんじでしょうか。
そして、「実際のメキシコがどんな国なのか」や「物語の内容の面白さ」よりも、この映画に登場する石像、ピラミッド、人々の暮らし、価値観、何もかもがすごく面白い!と夢中に。映画ドラえもんシリーズをそれぞれ30回ずつくらい見てきたほどドラえもん大好きだったわたしの、一番のお気に入り映画に輝いていました。
そして、バックパッカーだったときに初めてメキシコに行ったとき、首都メキシコシティにある博物館で、この映画に出てくるピラミッドや石像を実際に目の当たりにし、
「ドラえもんに出てきたあの世界って、本当に存在したんだ!!!」
と、ものすごく感動したのを覚えています。そのときの衝撃はこれらの記事(↓)でも書いています。
つまり、このドラえもん映画が、わたしが(今このウェブサイトを作るくらい)メキシコにハマった最初のキッカケだったんです!
ぜひ、子供たちと一緒に見てみてほしいです^^(将来の「メキシコドはまり仲間」育成のため。笑)
まったく違う世界の価値感や、考え方を知るのにも役立つかもしれません!
クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃
あの「クレヨンしんちゃん」からも、実はメキシコを舞台にした長編映画が出ています!
この作品の存在はわたしもごく最近知ったのですが、2015年4月18日に公開されたばかりの比較的新しい映画のようで、『クレヨンしんちゃん』劇場映画シリーズの中では23作目なんだそう。
あらすじ&予告編ムービー
ひろしは、メキシコの町に生息するサボテンの果実を集めるために双葉商事の部長から異動と同時に部長昇進を命じられる。はじめは単身赴任を考えていたものの、みさえから「家族はいつも一緒!」との一言により一家総出でメキシコへ引っ越しすることに。慣れ親しんだ春日部の住人達と涙の別れを告げることになった野原一家。メキシコのお姉さんはみんなスタイル抜群と聞いたしんのすけは喜んで旅立つ。
引っ越し先の町「マダクエルヨバカ」にて個性的なご近所さん達に囲まれ不安だらけの新生活が始まるが、そこでしんのすけ達を待ち受けていたのは人間を捕食する歩くサボテン・人喰いキラーサボテンだった。 果たして野原一家は、メキシコのご近所さん達と共にこのピンチを乗り越えることができるのか!?
予告編ムービー
この映画の注目ポイント
なぜメキシコになったんだろうと思い調べてみると、こんな記述を発見!
メキシコが選ばれた理由としては「ほとんどの人が名前を知っているが実際に行った事のある人はあまりいないという微妙なさじ加減が良かった」と監督の橋本は語っている。
また、製作にあたって現地取材も行われ、作中の街並みやゲストキャラクターなどに活かされている
by:映像ソフト付属解説書、監督・脚本インタビュー
というわけで、ほとんど「ちょうどよかったから」選ばれただけみたいです^^;
それでも、実際にメキシコでの現地取材も行われたようで、実際「メキシコあるある」をいたるところで見つけることができます!
野原家がメキシコの街に移り住んでからの、コンビ(大型バン)で出勤する父ヒロシの暮らしぶり、マリアッチ(音楽隊)やルチャ・リブレ(メキシコのプロレス)のキャラクターなどなど。
あと、野原家が移り住んだ「マダクエルヨバカ」って、絶対メキシコの「クエルナバカ(実在)」のことですよね!!実際に調査に行ったのか、クエルナバカの中世ヨーロッパ風の古びた街並みもしっかり再現されていて、面白かったです^^
(それに、駐在でメキシコに行く日本人も意外と多いので、彼らにとってはかなり「うわあ、わかる~!」の連続かもですね。)
このお話は「サボテン」に襲われるのが一番の見所なのですが、実際メキシコに生えている野生の巨大サボテンたちからは、ものすごい生命力というか、パワーを感じます!
(↑)わたしがお手伝いをしていた遺跡発掘の現場。日々サボテンに囲まれ、常に襲われ(刺され)ながら作業をしてました。ここでは完全に、人よりサボテンの方が強かった…。(笑)
メキシコの古い家や建物は、どんどんサボテンに侵食されて自然淘汰されてしまうし、この映画ほどではないにせよメキシコではサボテンパワーを感じられるなあ、と思いました!
リメンバーミー(洋題:COCO)
おなじみ『リメンバーミー(洋題:COCO)』は、ディズニーピクサーによって日本では2018年3月(メキシコ・アメリカでは2017年の死者の日シーズン)に公開されました。
あらすじ&予告編ムービー
12歳のメキシコの少年ミゲルの家族は、過去のある出来事がきっかけで音楽を嫌悪し禁止していた。その「出来事」とは、ミゲルの曽祖父が音楽家になるという夢のため妻を捨てたこと。しかしミゲルは、家族に隠れながらも音楽への情熱を心に秘める、ギターの天才少年だった。
ある日、彼にとっての音楽のヒーローである故アーネスト・デ・ラ・クルズと自分との関係を偶然にも知ってしまったとき、ミゲルはうっかり死者の国に入りこんでしまう…。
予告ムービー
この映画の注目ポイント
この映画について、注目ポイントがあまりにありすぎて、今までに記事を書きまくってきています。(笑)(↓)
何よりも素晴らしいのが、ディズニーピクサーチームによる長期のフィールドワーク(現地調査)に加えて、オリジナルキャスト(英語の声優)もみんなラテン系の人を選んでいるという点!
さらに、映画の1コマ1コマ、もういたるところに「メキシコの要素」が詰め込まれていて、メキシコ好きならみんな感動するレベル!!!アンクリッチ監督が「現地メキシコの人にも愛される、自分たちの文化に誇りに思ってもらえるような映画を作ろう!!」と考え、その努力を惜しまなかったことが、よーくわかります。
「死者の日」というメキシコが世界に誇るお祭りを、忠実にていねいに映し出しているので、「死者の日」や「メキシコ文化」について知りたい人にとっても勉強になる映画です^^
ブック・オブ・ライフ ~マノロの数奇な冒険~
この映画を知っている人は少ないかもしれませんが、2014年に発表された「闘牛士の青年マノロの恋と、冒険の物語」です。
メキシコの「死者の日」をテーマにしていて、主人公が音楽好き、「生者の世界」と「死者の世界」を行き来することからも、「『リメンバーミー』の真似では?」と思われることも多いのですが、リメンバーミーができるよりも前に発表されています!
あらすじ&予告編ムービー
先祖代々闘牛士の家系に生まれたマノロは、闘牛士ではなく音楽家に憧れる心優しい男の子。マノロには、勇猛な軍人の息子ホアキンと、自由闊達な将軍の娘マ リアという幼馴染がいて、3人はいつも一緒に過ごしていた。いつしかマノロとホアキンは、美しいマリアに恋をしていた。そして、祝祭<死者の日>に、死者 の国の支配者ラ・ムエルテとシバルバが3人を見つけ、「将来どちらの男がマリアと結婚するか」で悪戯に賭けをした。勝負に負けたくないシバルバは、強力な 力を秘めた永遠のメダルをホアキンに渡しマリアを惹きつけ、毒蛇を使ってマノロを死者の国へ誘ったのだった。同じくして、盗賊団が町を襲い、マリアの身に 危険が訪れる……。死んでしまったマノロは元の世界へ戻ってマリアを救うため、死者の国の冒険へ旅立つ。果たして、マノロの運命は!? そして2人の恋の 行方は!?
予告編ムービー
この映画の注目ポイント
この映画は、死者の日、闘牛士、音楽、マリアッチを使ったプロポーズなどなど、メキシコらしい要素がてんこ盛りです!
(愛に燃えるところも、ラテンっぽいかも?!)
目玉は、とにかくメキシコらしいカラフルな世界!とくに、死者の国の世界はリメンバーミーと並ぶか、それ以上にクリエイティブで面白いです!
また、メキシコの独特な死生観もしっかり感じられるので、リメンバーミーが好きな人にはぜひ見てみてほしい映画です。日本語Ver.もあるので、ぜひこの機会に見てみてください^^
配信サイトでは、「ディズニープラス」と「Prime Video(別途300円)」で見られます!
まとめ
以上、メキシコを舞台にしたおすすめのアニメ映画4選でした!!
どの映画も、それぞれ「独自の切り口」からメキシコを描いています。
メキシコを知らない人でも、メキシコ好きでも、子供でも、見る人みんなが楽しめるようになっているのが、アニメ映画のいいところ!!
また、暴力的な場面などでメキシコが差別的・偏見的に描かれることもなく、純粋にメキシコ文化や面白さを感じられ、しかもどの映画もメキシコ現地での調査を踏まえて作られているというのも◎です^^
物語も簡単なので、難しいことを考えずに楽しむことができます。
ぜひ、見てみてください^^