メキシコ観光

【魔法の村】死者の日で有名な「ハニツィオ島」の見所と行き方

メキシコのミチョアカン州にある「ハニツィオ島」は、先住民が多く住む「パツクアロ湖」の中にある小さな島です。

メキシコの祝日「死者の日」の名所としてもメキシコ中の人に知られ、土着文化が生きるこの島はとっても不思議な魅力を持ち、訪れる人が後を絶ちません。

メキシコ観光政府により「Pueblo Magico(魔法の村)」認定まで受けた、この島の魅力に迫ります!!

プレペチャ(タラスコ)の土着文化が色濃く残る「パツクアロ湖」

ハニツィオ島からの眺め

メキシコに32ある州の中でも、ハニツィオ島のあるミチョアカン州は、「メキシコの中でも伝統文化や古くからの暮らしが色濃く残っているエリア」といわれています。

そして、そんなミチョアカン州の中でも先住民率の多い「パツクアロ湖」の周辺には、今でも多くの「プレペチャ(=タラスコとも呼ばれます)」という民族の人々が住んでいます。

実際にパツクアロ湖の周辺の村を巡ってみると、村ごとに藁細工や銅細工、陶芸などのプレぺちゃの人々の伝統的な手仕事が受け継がれ、村のはずれにはかつてのプレペチャ王国(=タラスカ王国)の遺跡も残っています。

都市メキシコシティの喧騒とは正反対の、和やかでのんびりとした「メキシコの田舎」の雰囲気を味わうことができるんです!

ハニツィオ島散策

そんなエリアの中でも、「ハニツィオ島」は最も有名&観光客にも人気のある島。「Janitzio(ハニツィオ)」とは、この土地の言葉で「雨の降る地」という意味です。

ボートでしかアクセスできず、それがかえってこの島のユニークさと情緒を生み出しているのかもしれません。

メキシコ随一の「死者の日」の名所でもある

ハニツィオ島の墓地

ここ、実はメキシコ人の間で最も有名な「死者の日」の名所なんです!!

とっても小さな島ですが、ここには島の南に共同墓地があり、ゲートをくぐると、地元の人のお墓が並んでいます。

ハニツィオ島の墓地のゲート

(↑)墓地への入り口

ハニツィオ島の墓地の様子

死者の日の夜になると、人々はお墓をありったけのマリーゴールドやケイトウの花々やろうそく、故人の好きだった食べ物や飲み物で飾り付け、とても伝統的な死者の日の催しを見ることができます。

死者の日の様子

規模の小さな墓地ですが、それでも雰囲気満点。

ハニツィオ島に屋形船で向かう際や船の乗り場の近くからも、墓地でゆらゆらと輝くろうそくの光が見えます。

さらに死者の日の夜には、ろうそくを持った手漕ぎ船に乗った漁師たちによる水上行進も見られ、とっても幻想的です。彼らは、島に上陸したあとに揃って島の教会と墓地を巡ります。(先住民発端の「死者の日」のお祭りだけど、それでも「カトリックの教会に行く」というのが面白いですよね。)

ハニツィオ島の街並み

(↑)ハニツィオ島の教会。

死者の日のハニツィオは、まるで異世界に遊びに来たような不思議な雰囲気。「魔法の村」の名前も伊達じゃありません!

ハニツィオ島を散策して、地元文化に触れよう

パツクアロ湖から見たハニツィオ島

死者の日以外の時期でも多くの人が集まるハニツィオ。楽しみ方を紹介します!

ハニツィオ島は上の写真のようにこんもりとお山型になっています。

狭い路地の両側を、このあたりで作られた手仕事・民芸品のお土産屋さんが埋めつくし、とってもにぎやか。

ハニツィオ島のお店 ハニツィオ島の路地裏

中心地の島のてっぺんに向かって、階段を迷路のように歩いていきます。

ハニツィオ島の迷路のような街並み

猫もいたり。

展望台は巨大な石像!

ハニツィオ島の街並みモレーロスの石像

頂上の広場は、地元の人は無料ですが、観光客は10ペソ支払って入場します。

そして、頂上の広場には、メキシコの独立戦争のときのヒーローであるJosé María Morelos(ホセ・マリア・モレーロス)氏の巨大な石像(なんと40m!)がお出迎え!

この石像、なんと内部の壁に沿って螺旋階段になっていて、ずっと上の方まで登ることができます。

ハニツィオ島の石像内部

内部の壁には一面、Ramón Alba de la Canal氏ほかさまざまな壁画作家によって「モレーロスの一生」をテーマにした壁画が描かれています。

ハニツィオ島の石像

そして、頂上からはハニツィオ島周辺の湖やほかの島々、対岸などを望むことができます。絶景です!!

ハニツィオ島からの壮大な向こう岸の眺め

ミチョアカン州の名物「老人の踊り」も見られる

ハニツィオ島の広場

ハニツィオ島の港近くの広場と、頂上の広場では、「老人の踊り」というこのあたりの伝統舞踊が見られます!

「老人の踊り」とは、老人の仮面をつけた人々が腰を曲げて下駄を鳴らしながら「無理に若ぶって踊ろうとする危なっかしい老人」を数人で演じる、とってもコミカルな寸劇ダンス。

とっても面白くて、わたしも大好きな踊りです^^(死者の日にも見られるはず!)

踊り手の人たちがマスクを外して休憩しているところに突撃(?)して話を聞いてみると、彼らは地元の若者グループで、友達同士や兄弟・家族でグループを組んでいて、伝統の踊りを踊りながらおこづかい稼ぎをしているみたいです!

たしかに、老人の踊りはかなり腰に負担の来そうな踊り(ずっと腰を曲げてかがんだ状態で踊る)ので、若者じゃないと無理そう…。笑

ミチョアカン州の老人の踊り

中には、まだとっても小さい「4歳」のアブエリート(おじいちゃん)もいました!!幼くても、とっても上手に踊ります!ミニアブエリートは、「もらったお金で、お母さんを助けて、お菓子を買う」んだそう。

この島で踊っているのは、ほとんどが地元の子供たちです。踊りを見たら、ぜひチップをあげてください^^

名物グルメの「pescado blanco(小魚フライ)」

ぺスカードブランコ(小魚のフライ)

さらに、ここは「小魚のフライ」が名物グルメ。

伝統漁で収穫した小魚たちを、シンプルに油で揚げて、塩、チリソースをかけて食べます。白身魚にはあまり癖もなく、日本人でもなじみやすい味です!

パツクアロの名物料理

ただし、この小魚フライでお腹を壊す人も多いようなので要注意。なるべく衛生的に大丈夫そうな場所で食べましょう!

わたしは、道端の人が集まっていて売れていそうなところで食べました。さびれたレストランよりも、逆にこういうところの方が調理工程が見られて安全かも?と思い。(真相は謎です)

パツクアロ湖の伝統漁

パツクアロの伝統漁

パツクアロ湖では、プレペチャの漁師さんが伝統的な手漕ぎ船と長い棒で湖に漕ぎ出し、「マリポサ(スペイン語で「蝶」という意味)」と呼ばれる、まさに蝶のような形の大きな網を巧みに操って使って魚を収穫します。

パツクアロの伝統漁(ハニツィオ)

週末に屋形船で島に向かうと、途中で漁師の人が網や船を近くにやってきて網や船を見せてくれます。

ほかにも、島のてっぺんの像から見渡していると、島の周辺にポツリポツリと漁をしている人々の姿が見られ、観光客に見せるためだけではなく、現在でも同じスタイルで漁がおこなわれていることがわかります!

この漁も、パツクアロ湖の風物詩なんです^^

ハニツィオ島への行き方

ハニツィオ島の位置(マップ)

ハニツィオ島は、ミチョアカン州のパツクアロ湖の中にある小さな島です。

(↓)スマホの人は、2本指で拡大・縮小できます。

1.メキシコシティからパツクアロへ

メキシコシティから行く場合、長距離バスで行くことになります!

方法 長距離バス
発着バスターミナル メキシコシティの西バスターミナル(Central Poniente)
料金 約550~600ペソ
運行している会社 Autovias社、Primero Plus社
所要時間 片道5時間

行き方

  1. 直行バス
  2. モレーリアで一回乗り換え(メキシコシティ→モレーリア(乗り換え)→パツクアロ)

2パターンあります。

直行バスは楽ですが、1日に5~7本くらいしかバスが出ていないので、タイミング次第ではモレーリア(ミチョアカン州の州都)のバスターミナルで乗り換えた方がいいかも。

乗り換える場合、

①メキシコシティ→モレーリア 毎時1、2本 所要4時間
②モレーリア→パツクアロ 5~10分ごと 所要1時間

なので、時間のロスなくスムーズに移動できます。

2.パツクアロの港へ

パツクアロの街に到着したら、中心地まで行って、港方面(湖方面)に向かう大型乗り合いバンかタクシーで、ハニツィオ島行きの屋形船の出ている港に向かいます。

乗り合いバンの乗り場は、ボカネグラ広場(通称「プラザ・チカ」)のすぐとなり。

ハニツィオ島への行き方(パツクアロ)

この白いバンです。フロントガラスに、行先が書いてあります。

地図で見ると、ここです。(↓)

Dulceria(お菓子屋さん)の前の通りです。ここで、客寄せをしています。

行き方 プラザ・チカの横の通りから「Lago」と書いてあるバンに乗る
所要時間 10分
値段 8ペソ
距離 4㎞ほど北へ

乗り込む前に、運転手に「A lago?(湖行き?)」と聞いておきましょう。

3.屋形船に乗ってハニツィオ島へ

ハニツィオ島への行き方(屋形船)

バンもタクシーも、港の入り口で下してくれます。にぎやかなお土産物通りを通り抜けると、小さな港があり、売店のようなところで往復のチケットを購入できます。

ハニツィオ島への行き方(ボートのチケットブース)

チケットの値段は、売り場に表示してある通り。

ハニツィオ島への行き方(ボートの値段)
ハニツィオ行きの港の名前 Embarcadero, Patzcuaro-Janitzio(またはEmbarcadero General)
チケットの値段 往復70ぺソ(2018年夏時点)

実際のハニツィオ島への行き方(ボートのチケット)

所要時間 片道30分
本数 20~30分に1本
乗り場

屋形船は結構大きく、たぶん50人以上乗れると思います!

ハニツィオ島への行き方(ボートの中)

船では、ハニツィオ島の景色が楽しめる前の方に座るのがおすすめです!

ハニツィオ島(ボートからの眺め)

ホテル・宿情報

ハニツィオ島には宿はなく、基本的に「パツクアロ」に宿泊するのがおすすめ。

パツクアロには、安宿から中級ホテルまであり、ほとんどの場所がBooking.comから予約できます。

パツクアロの宿一覧(Booking.com)パツクアロの宿一覧

死者の日の宿予約について

死者の日のパツクアロはすぐ満室になってしまい、飛び込みでは予約は絶対にできません。パツクアロ自体小さな町なので、宿の数も50か所くらいしかないんです。

なので、パツクアロから1時間離れたモレーリアに宿を取って、バス+乗り合いバン+船で乗り継ぎ、ハニツィオ島を訪れるのがおすすめです!

モレーリアはやはり都市なだけありホテルも宿も、たくさん(100か所以上!)あります。

 

以上、ハニツィオ島についてでした。ハニツィオ島はじめ、パツクアロ周辺には素朴だけどユニークなプレペチャ文化が息づいています。

時間のある人は、ぜひ訪れてみてください^^

ハニツィオについては、以下の記事でも紹介しています。(↓)

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