メキシコのグアナファトは、「世界一カラフルな街」として知られています。
わたしも、初めてグアナファトを訪れた時は想像以上のカラフルさに驚かされました!!
街の中にある普通の民家が、赤、オレンジ、ターコイズブルー、黄緑など鮮やかなペンキで塗られ、街の展望台からの眺めはおもちゃ箱をひっくり返したかのよう。
今回は、そんな美しいまち、「グアナファト」のカラフルさの秘密に迫ります!
もくじ
グアナファトはなぜカラフル?
グアナファトの街がなぜカラフルになったのか、歴史とともに説明します😁
1. グアナファトに人が集まる
元々グアナファトの街のある場所は、銀山で有名なエリアでした。
スペインからは一攫千金を夢見た人々が、そしてメキシコ中から多くの労働者が集まり、大きな街になっていきます。そして18世紀には、植民地時代初期のメキシコで最も豊かな街にまでなりました。
銀が採り尽くされた後も、その富で作られた美しい街グアナファトには、多くの人々が住み続けました。
2. 家をペンキで塗るようになる
ペンキが世界で普及し始めた19世紀後半から、乾燥の早いラッカー塗料の開発も進み、メキシコにも最初は「車や金属の塗装」のために入ってきます。
そのペンキを、当時(今も)グアナファトで主流だった、セメント造りの家の塗装にも使うようになりました。
当時のグアナファトの民家は、とても質素なもの。セメントづくりの積み木のようなシンプルな家が、ずらっと並んでいました。
「自分の住んでいる家が、すぐにわかるように」
そんな思いからか、人々は自分の家をペンキでカラフルに塗るようになったと言われています。
さらに、ペンキで塗ることで壁の補強にもなるので、家のメンテナンスの一環としても役に立つんです。
3. 観光客から人気の街になる
…実は、家をカラフルなペンキで塗る文化はグアナファトだけでなく、メキシコ中で見られます。
ただ、なぜグアナファトだけがこんなに「カラフルな街」になったのか、というと、やはり観光地化が大きな理由です。
20世紀になり、世界中からメキシコに外国人観光客が訪れるようになると、グアナファトにもやはり多くの人々が訪れるようになります。
今でこそ「カラフルな街」として有名なグアナファトですが、かつてこの街は鉱山からの莫大な富によって生み出された美しいバロック建築都市として有名でした。
グアナファト内には、世界的に素晴らしい建築がたくさんあります。街の「ラ・コンパニア教会」と「ラ・バレンシアナの教会」の二つは、中南米で最も美しいバロック建築として知られているほど!!
さらに、グアナファトでは毎年10月に「国際セルバンテス祭」というラテンアメリカ最大の芸術祭が開催されます。街中で劇やライブが開かれ、世界中から人々が集まるようになります。
そんなグアナファトを訪れた観光客が、ある時お椀型に広がるグアナファトを見下ろして言います。
「なんてカラフルな街なんだろう!!」
「この街でしか見られない、素晴らしい景色だ!!」
これは、グアナファトの人々にとっては予想外の反応だったと思います。自分たちにとってわかりやすいように、と家にペンキを塗っていたのが、意外な形で評価されるようになりました。
当時、「ペンキでカラフルに塗られた家」はメキシコ中にあったので、別に珍しいものではありませんでした。しかし、グアナファトのお盆型の地形を展望台から眺めたら、特別カラフルな街に見えたのでしょう。
4. 街がカラフル化に力を入れる!
グアナファトの街にとって、「観光業」は大きな財源の一つ。
そんなグアナファトの街に「もう一つの見所」が生まれたとあれば、もちろん自治体は応援します!
そして、自治体主体で「グアナファトのカラフル化」を推進していきます!!
具体的には…街にいろんなルールを作りました。
- 「隣の家と同じ色に塗ってはいけない」
- 「ペンキの色が褪せてきたら、塗り替える」
などなど。
どれほど厳密なルールなのかは不明ですが、現在のグアナファトの街(とくに中心部)を見ると、そのルールはちゃんと守られているようです!(中心部を離れると、崩れかけの廃墟や、セメント剥き出しの灰色の家も結構ありますが…😅)
グアナファトに住んでいる友達のおばあちゃんは、
「今年塗り替えるんだけど、わたしは黄色に塗りたかったのに、隣の家が去年黄色に変えちゃったから違う色にしないといけない💢」
と怒ってました。笑
あとは、外壁塗装ペンキの「補助金」のようなものも出るようで、自治体から塗り替えるよう指示された家の住民は、ほぼ負担なし〜かなりお安く家の塗り替えができるみたいです。
さっきも触れた通り、ペンキは家のメンテナンスの面でも役に立つので、住民も積極的に「街のカラフル化」に協力するんでしょう。
最近では、2016〜2017年ごろに一斉塗り直しがあったので、今のグアナファトは以前よりもさらに鮮やかでキレイかもしれません!笑
…というわけで、現在のグアナファトがカラフルな街な理由とは、「街がカラフル化に力を入れているから」です!
グアナファトは、迷路の街?
何度も何度も違う年にグアナファトを訪れていると、気づくことがあります。
それは、景色がどんどん変わっている、ということ!
お気に入りの路地の写真を撮ってみも、「あれ?前と何かが違う…あ、この家の色が変わったんだ!!」と。
なので、「あの黄色い家はどこだっけ?」と思って数年前の記憶だけで街を歩いていると、ずっと見つからない、なんてことや、お気に入りのストリートアートをもう一度見に行こうとしたら、塗り替えで塗りつぶされてしまってた、ということも何度もありました。
グアナファトはもともと路地の多い迷路のような街ですが、目印がどんどん変わるので、一向にGoogleマップなしでは出歩けません😂
でも逆に言うと、いつ行っても「新しい発見」がある、とっても面白い街なんです!!
グアナファトの見所や魅力は、こちらの記事でも紹介しています。これからグアナファトに行く人は、ぜひご覧ください😀↓
メキシコには他にも、カラフルな街がいっぱい!
「カラフルな街」が好きなら、グアナファトから片道1時間、日帰りで行ける「サンミゲル・デ・アジェンデ」という街もとってもお勧めです!!
グアナファトと違い、サンミゲルは「暖色系カラーの多いカラフルな街」です。
民芸品生産が盛んで、かわいいメキシコ雑貨の宝庫!しかもおしゃれなレストランやカフェも多く、とても楽しいです♪
あとは、カラフルではないけど「真っ白な街・タスコ」もとてもお勧め。
石畳、タクシーの白ビートル、白壁の家々が、本当にフォトジェニックな街です!
メキシコには、個性的で素敵な地方都市がたくさんあります!
巡れば巡るほど、メキシコ沼にハマっていきます…!笑
旅行の時間が許す限り、ぜひいろんな素敵なメキシコの街を訪れてみてください😄一緒にメキシコ沼にハマりましょう!!!