支援活動についての最後の記事になります。
昨日の夜、わたしはオアハカを出てメキシコシティに移動してきました。
バタバタしていてなかなか支援内容についての報告ができず、やっと、協力していただいた方々にオアハカでの支援金の使い道について、最終の報告ができます!
前回の報告:フチタンへ。400人分の支援物資の詰め込み&ちょっと信じられない話
もくじ
最後の支援物資は、San Mateo del Marへ
最後の支援物資は、メキシコ・オアハカ州の「San Mateo del Mar(サンマテオ・デル・マル)」に送りました!
San Mateo del Marとは
San Mateo del Marは、前回支援物資を送ったフチタンの近くにある、イスモ地方の町です。
実は、こんなかわいい織物が有名な民芸の産地でもあります。(↓)
地図で見ると…
メキシコ・オアハカ州の、
ココです!
イスモ地方の半島に位置していて、地震の影響をもろに受けている街の一つです。
今回、必要な物資の聞き取りのために支援センターに行き話を聞いたところ、サンマテオ・デル・マル今こんな状態なんだそう。
- 80%の家が住めないレベルに倒壊している
- 残り20%の家もダメージは受けていて、余震による倒壊がひどく心配で家で眠れない人が多い
- 1,500世帯が避難生活を送っている
- 避難所である役所の建物も余震で崩れ、小学校へ。地震後も移動が続く
- 強い雨が続いていて、避難所含め街全体が洪水状態に
- 地震でダメージを受けた家に雨が入りこみ、さらに酷い状態に
- 食べ物は十分にあるが、生活物資が足りていない
- (雨によって)蚊が大量発生しているので、野外生活が辛い
話を聞く限り、かなりひどい状態のようです。
地震による直接被害だけでなく、その後に続く余震や強い雨によって、さらなる建物の倒壊、浸水、などの二次被害も広がっています。
そして、「今」「緊急で」必要な物資を聞いてみたところ…こんなものが必要とのこと。
- 雨で大量発生している蚊から身を守るための、蚊帳(カヤ)
- 雨や日中の強い日差しを防ぐための、丈夫なビニールシート
- 外で寝る用のマット(雨で浸水しないよう、ビニールで覆ってあるもの)
買い出しへ!
というわけで、その3つを買い出しに行きました。
前にもMixe地方への支援で送った丈夫な4×6mのビニールシートをまた大量に買います。
大きめのサイズの蚊帳。
これも、大量に購入!
4×6のビニールシートと蚊帳は、合わせてこんな感じになりました。
そして、ビニールシートの巨大サイズがあるといいと聞いていたので、9×14mのものも。
たった一枚でこのサイズ!重すぎて、わたし一人の力では持ちあがりませんでした…。
しかもこれ、信じられないくらい高価なんです。一枚、まさかの2,800ペソ以上(約2万円)!!これも、なかなか支援物資として届けられないのも納得の高さでした。
そして、ビニール製のカバーがついているマット。
これは、持ち運びやすいように丸めてもらいます。
クレカ問題とおばちゃんの優しさ
ところで、かなり個人的な話なのですが、ありがたいことに想像以上にたくさんの支援金が集まり巨額の引き出しを繰り返した結果、月の限度額を迎えてしまい、オアハカでの最後の2,3日現金が足りない状態になっていました。
ここのお店はクレジットカードOKだったので安心していたところ、クレジットカードでの支払いだと卸の割引(約10%)がつかない、とのこと。
この時購入したのは15万円ほどの物資だったので、ここで10%OFFが付かないとなるとなんと約15,000円のロス。
みんなから集めた支援金だから無駄にしたくない。でも今は現金がない(しかももう明日オアハカを出なきゃいけない)。
「どうすればいいんだろう…」とかな~り悩んでいると、お店のボス的なおばちゃんが、
「これはイスモに送るの?」と聞いてきました。
「そうだよ。」というと、
「じゃあ、今回は特別にクレジットカードで卸価格でいいよ。」と一言。
お、おばちゃん!!!
感動しました。
卸価格に値下げしたうえに、クレジットカードの手数料(最低3%)を考えると、お店側の利益が約5,000円分削られたことになります。
5,000円ってメキシコでは大金です。普通の人の給料4日分です。
おばちゃんは、お店の利益を削ってまで、支援物資の購入に協力してくれました。
支援物資収集センターへ
そんなこんなでお店への感謝と感動を胸に支払いを済ませ、タクシーを捕まえて物資を支援物資収集センターに送ります。
荷物が多すぎて、なかなか捕まらないタクシー。
今回の物資は、2回に分けてセンターに運びました。
軽いけどかさばるマット類と、、
重~いビニールシートと蚊帳たち。
支援物資収集センターに到着すると、たくさんの物資が届けられていました。
実は、サンマテオ・デル・マル行の支援物資収集センターは、公共施設などではなく一般の方の家です。
地震が起ころうが起こるまいが常にサンマテオ・デル・マルの支援している、という現地の教会メンバーによる支援物資の運搬活動です。
そして、このスペースを貸しているのも、先住民の権利のために日々戦う弁護士のご夫婦でした。
ここに、サンマテオ・デル・マルのために購入した支援物資をすべて任せてきました!
現地に到着後の様子も、写真などによって報告してくれるとのこと。
28日にこの作業を終え、29日の早朝にトラックが出発したと聞いているので、もうすでに物資を必要としている現地の人達の元に届いたはずです!
しっかり物資を現地に届けてくれる、信頼できるセンタ―に預けることができたのは、わたしがオアハカに到着する前から活動をしていたオアハカ在住のさる屋さんはじめ多くの方からの情報あってこそでした。
本当に、多くの人に感謝です!
支援金のご協力、ありがとうございました。
9月29日(日)を持ちまして、わたしの口座での支援金受付を終了しました。
世界中にいる日本人の方々からご協力いただき、2週間で合計384,600円分の支援物資を被災地に送ることができました。
想像以上にたくさんの方に協力していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
あらためて、支援金集めに協力してくださったみなさま、本当にありがとうございましたm(_ _)m
いただいた支援金は、本記事含め以下3本の記事で紹介したように、被災者に確実に届く方法で使わせていただきました!
支援物資は、すべて以下の地域に送られています。
- San Mateo del Mar(少量Guichicoviへ)
- Juchitan
- Mixeの村々
メキシコ地震の応援スローガンとともに、今回の活動を一旦締めくくりたいと思います。
“Fuerza Mexico!!!”(がんばれメキシコ!!)
これからも、復興活動は続きます。
一日でも早くオアハカの、そしてメキシコのすべての被災地に平和が訪れますように。
写真は、現在タイにいるカービングパフォーマーのメイカさんが、応援フルーツ・カービングを作ってくれました。デザインは、フチタンのウイピル(民族衣装)の花をイメージしているそうです!!色も、メキシコカラー!