わたしが、個人的にめちゃくちゃ大好きな村「レアル・デ・カトルセ(Real de Catorce)」を紹介します!!
小さな村ですが「異世界」のような雰囲気を味わうことができる、メキシコ政府公認の「魔法の村(Pueblo Magico)」であり、「幻の村(Pueblo Fantasma )」とも言われています。
それから何度も訪れて、毎回この村の面白さに驚嘆してます…✨
機会があれば、ぜひ訪れてみてください😊
もくじ
「レアルデカトルセ(Real de Catorce)」とは?
レアルデカトルセは、メキシコ・サンルイスポトシ州の山間にある、小さな村です。
村の正式名称は、「レアル・デ・ミナス・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・リムピア・コンセプシオン・デ・グアダルーペ・デ・ロス・アラモス・デ・カトルセ」(Real de Minas de Nuestra Señora de la Limpia Concepción de Guadalupe de los Álamos de Catorce)」。
長っ!笑
これが「レアル・デ・カトルセ」になり、さらに約して「R14」と呼ばれることもあります。(ちょっと暗号っぽい感じ😊)
メキシコ政府公認の「魔法の村」
メキシコには、魅惑的な町や村に送られる「Pueblos Mágicos(魔法の村)」という称号があり、「魔法の村」認定を受けると、景観を保持する必要があります。
現在、メキシコ国内に100ヶ所以上の「魔法の村」があるのですが…
わたしがこれまで訪れた数十か所のうち、ここレアル・デ・カトルセは、「魔法の村」の名に最もふさわしい土地だと思います✨
メキシコの隠れ里「R14」
…というのもここレアルデカトルセ、なかなかアクセスが難しい土地にあり、狭いトンネルを抜けた先にある「隠れ里」なんです。
川端康成の『雪国』の書き出しで、有名な一文があります。
長いトンネルを抜けると雪国であった。
わたしが初めてこの村に来たときは、まさにそんな感じでした。
トンネルの外側は晴れていたはずなのに、村に入った瞬間、村中が真っ白な霧に覆われていて、山はうっすらと雪をかぶっていました。(たった数分のトンネルなのに!)
「うわあ、スゴい辺鄙なところに来ちゃったな〜!」と思ったのを覚えています。
霧と、廃墟と、幻想の村
ほぼ毎朝、霧に包まれるこの村。霧が晴れてくると、村の全容が見えてきます。
村は中心地でも石畳に覆われ、古めかしいコロニアル風の建物や、石造りの建物が並んでいます。人通りも少なく、でも田舎ながらの安全な雰囲気。
遠くから、ニワトリの声や馬の歩く音が聞こえてきます。
そして、少し路地に入ると…そこは廃墟まみれ。壁や床はサボテンに覆い尽くされ、村自体が自然と時の流れに淘汰されている様子が感じられます。
移動手段は、ジープか馬
小さな村なので歩いて十分観光できますが、少し遠くまで行きたい場合は、村での移動手段は、ボロボロのジープ車(の荷台)か、馬の2択です。
ローカルの車に乗せてもらうことはあっても、タクシーは走っていません。
わたしも、この村での滞在中はよく馬に乗ってました!
先住民ウイチョルの聖地
そして、ここ「レアル・デ・カトルセ」は、メキシコの先住民「ウイチョル」たちにとっての聖地であり、「世界が生まれた場所」だと信じられています。
ナヤリト州やハリスコ州に暮らす民族で、現在メキシコに2万人ほどいる。
カラフルなビーズや羊毛のアート(民芸品)作り、伝統儀式で有名。
わたしも、ここに初めてきた時は「ウイチョルの現地調査」で行きました。
しかし、この村自体にウイチョルが住んでいるわけではなく、村民の大半は、ふつうのカトリックのメキシコ人たちです。
ウイチョルの人々は、乾季の10月から2月ごろ、最長1ヶ月の徒歩の巡礼を経て(最近はやる人は少ないですが)西部から一年に一度ここにやってきます。
このあたりの土地は、ウイチョルの言葉で「ウィリクタ」と呼ばれ、彼らにとって今もとても大切な場所です。
幻覚サボテン・ペヨーテの自生地
ウイチョルの宗教で「神様」とみなされているものの一つに、「ペヨーテ」というサボテンがあります。(ウイチョルの言葉では「ヒクリ」と呼ばれる)
ペヨーテにはメスカリンが多く含まれ、幻覚作用があります。
ウイチョルの人々は、
- ペヨーテを食べた時に見たビジョン
- 「あらゆるものがカラフルに見える」効果
からインスピレーションを受け、カラフルなアートを作っているそうです。
ここレアルデカトルセの村にほど近い砂漠には、この幻覚サボテン「ペヨーテ」がたくさん自生していて、巡礼では「ペヨーテ狩り」をするためにこの土地にやってきます。
ウイチョルの友人いわく、「この土地のペヨーテは特に強力な力をもち、他の土地のペヨーテとは全く違う」んだそうです。
レアルデカトルセの観光・見所
レアルデカトルセ自体はとっても小さな村ですが、1週間いても飽きないほど色々な見所があります。
3〜4泊くらいして、のんびり過ごすのがおすすめです。
石畳の路地と、廃墟を散策
まずは、石畳の村の中を、自分の足でいろいろと散策してみるのが楽しいです。
↑中心地の広場には、週末になると地元のマリアッチ隊が登場します!
「魔法の村」認定を受けてからは、観光客も増えてきているので、メインストリートにはレストランやカフェもいろいろあります。
ウイチョル・アートのショップ
民芸品(ウイチョルのアート)のショップもあります。
カラフルなビーズアートがいっぱい。
教会・ミュージアム
村の歴史を紹介するミュージアム、教会もあるので、一通り見てみるといいかも。
レアルデカトルセの標高は2,700mくらいあり、坂の多い村です。
メキシコにきたばかりの人はちょっと息が苦しいかもしれません。
レアルデカトルセの治安はとてもいいので、ひとり旅でも安心して散策できます。
乗馬ツアーが人気
人気でおすすめなのは、馬を持っている人に頼んで行く「乗馬ツアー」。
いろんな行き先の中から好きな場所に行けます。コースは、だいたい半日くらい。
村に行ってから、適当に「だれか乗馬ツアーしてないか?」と村人に聞けば、知り合いや親戚で馬を持っている人は紹介してくれます。
3、4つくらいコースがあり、どれもめちゃくちゃ楽しいです。
- 廃墟の工場コース
- ウイチョルの聖地コース
- 砂漠コース
① 廃墟の工場コース
砂漠までの道のりの途中にある、かつて工場だった廃墟に遊びに行きます。
かなり大規模な廃墟で、探検が楽しいです!!(ホラーな雰囲気はゼロ)
巨大なトンネルは、見もの!
建物の中は崩れる可能性があるので少し危険ですが、自由に入れます。
朽ちた建物に、多肉植物がはびこります。
かつて石炭を運んだ道具も、そのまま打ち捨てられています。
② ウイチョルの聖地「Cerro el Quemado」コース
「Cerro el Quemado(=煙の山)」は、ウイチョルの巡礼のゴール地点(世界が生まれた場所)です。
砂漠とは反対方向へ、ずっと馬で坂を登っていきます。
廃墟「Pueblo Fantasma(幻の村)」の近くを通り、
山の上からレアルデカトルセ村の景観を眺めることもできます。
壮大な山の景色も楽しめます。
途中からは、馬を降りて登山になります。(標高が高いので、結構キツイです…!)
「Cerro el Quemado(=煙の山)」の名前の通り、霧に覆われていることが多いです。
ウイチョルについて詳しい村人であれば、山の頂上にある祠(ほこら)や、儀式に使う場所の歩き方など、しっかり案内してくれて面白いです。
↑外側からくるくると入り、真ん中で捧げ物をしたり、祈りを捧げたりします。
↑山の頂上にあるほこら。
↑近くにはOjo de Dios(=神の目。ウイチョルの言葉で「Tzicuri」と呼ばれる)が立ってました。
本当に、素晴らしい景観です!!!(運良く晴れれば、ウィリクタの砂漠を見渡せます。)
③ 砂漠(ウィリクタ)コース
ペヨーテの自生している砂漠(ウィリクタ)に行くコースです。
レアルデカトルセから、北西方面にオフロードの坂を永遠に降っていきます。
↑砂漠地帯。低木とサボテンが生い茂っています。
ここで、ペヨーテ探しもできます。
砂漠の中には、トゲのある植物がめちゃくちゃたくさんあります。
靴にも刺さってくるので、きちんとした運動靴で行ったほうがいいです!
砂漠では、自分で道具を持って行ってキャンプをすることもできます。
ただし、その場合は乗馬ではなくジープで砂漠まで下り、現地の人の許可を得てから砂漠に入ります。(一応、私有地でもあるらしい)
他にも、乗馬で行けるいろんなコースがあると思います。
時間のある人は、馬の持ち主と相談していろいろ行ってみるといいです!
ペヨーテ体験ツアーもある
幻覚サボテン「ペヨーテ」を体験したい人は、(わりとオフレコですが)ペヨーテ体験ツアーもあります。
これも、村の人に砂漠に連れて行ってもらう乗馬ツアーです。
ただし、ペヨーテを神聖視するウイチョルの人々にとっては、観光客が村人と一緒にペヨーテ狩りに行くのは「喜ばしくない事態」らしいです。(乱獲と同じなので)
村人のポケットマネーになる上に、一部のナチュラルドラッグ好き(主に外国人)によってペヨーテが大量に採られ、個体数も減っているそうです。
↑乗馬のガイドさんも、「レアルデカトルセを訪れる観光客に売る用」のペヨーテをがっつり採ってました。この大きさに育つまで、数十年かかります…。
本来、ウイチョル以外のペヨーテ体験(摂取)は、メキシコでは「違法」なので、そういう問題も考えた方がいいかも。
砂漠行きの乗馬体験では、
「ペヨーテ体験はしなくてもいいから、砂漠に行って自生しているペヨーテを見てみたい!」
というのは、全然アリです。(わたしも毎回行ってます)
ペヨーテ探しは、慣れないとなかなか見つからないですが、宝探しのようで楽しいです!!
ペヨーテ狩りや儀式を見学したい場合、信頼できるウイチョルの人と一緒に行く方法があります。
ただし、そのウイチョルの家族の分の旅費や儀式に必要な道具のお金は、こちらですべて負担するかたちです。
レアルデカトルセの食事情報(レストラン・カフェ)
ここからは、レアル・デ・カトルセのグルメ情報をまとめました!
小さい村ですが、意外にもどこで食べても美味しい!かなりレベル高いです。中でも、わたしのお気に入りのお店を紹介します。
村で唯一のおしゃれレストラン「Mesón de la Abundancia」
Mesón de la Abundancia(メゾン・デラ・アブンダンシア)…訳すと「見捨てられた食事処」。ユニークな名前ですが、廃墟の多いこの村にぴったりのネーミングです。
高級ホテルも併設している村の有名レストランで、古い石造りの建物をそのまま使った雰囲気のある内装。
ピザが人気ですが、何を食べても美味しいです✨
値段は高級め(予算:2,000〜3,000円/人)ですが、レアルデカトルセに来たら一度はココで食事したいところ。
価格帯 | ちょっと高級 |
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場所 | LANZAGORTA No. 11(メインストリート沿い) |
営業時間 | 土・日・月の、9:00〜20:00 |
安くて美味しい!おすすめ庶民派食堂
わたしがよく行ってた食堂を紹介します。
1. La Flor del Desierto
毎回絶対行く、お気に入りのお店。
ここの「Cardo de Res(牛のスープ)」が絶品なのです!!(ご飯・トルティーヤ付き)
あと、いろんな具から選べるゴルディータも美味しい。
メイン通りに面しているのでアクセスも楽。レアルデカトルセ滞在中、ほぼ毎日通ってました!
価格帯 | 安い |
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場所 | メインストリート沿いの白い家 |
営業時間 | ?(いつ行っても開いてた印象。) |
2. El Gambuzino
朝ごはんとランチのメキシコ料理の店。何を食べても美味しいし、お手軽価格な店です。
100ペソ(約600円)程度で、お腹いっぱい食べられます。
価格帯 | 安い |
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場所 | Constitución通りとMoleros通りの角 |
営業時間 | 毎日8:00〜23:00 |
3. Gorditas Y Menudo
中心地から外れたところにある、ローカルに人気の小さな食堂。土・日・月限定の営業です。
週末の定番「Menudo(メヌード)」というモツのスープや、ゴルディータが美味しいです。
カルニータ(ジューシーな豚肉)のタコスや、このあたりでしか食べられない郷土料理「Enchiladas Mireras」「Enchiladas Potocinas」があることも。
価格帯 | 安い |
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場所 | Zaragoza通り |
営業時間 | 土・日・月の、9:00〜20:00 |
コーヒーの美味しいカフェ
最近は、村にカフェも登場してきました。
コーヒーが美味しいのは、メイン通りに面した「Realbucks Café(レアルバックス・カフェ)」という、Starbucksを完全にパクった(笑)名前のコーヒー店です。
ロゴもそっくり。笑
価格帯 | 普通 |
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場所 | Lanzagorta esquina, con Morelos(メインストリート) |
営業時間 | 毎日9:00〜23:00 |
レアルデカトルセのおすすめ宿(ホテル)4つ
わたしが実際に泊まったことのあるホテル・宿が中心です。
どこも、メインストリートまで徒歩3分以内。便利な立地の宿だけを選びました!
1. Hotel Amor y Paz
大人限定(18歳以上)の、石造りの素敵なホテル。
屋上テラスや中庭も美しく、隅々まで清潔でシャワーのお湯もしっかり出ます。
泊まった人からの評価も高い、快適&安心のホテル。3つ星ですが、とてもコスパ良いです!!(しかも朝食付き)
値段 | 5,000〜6,000円/部屋 |
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場所 | Juarez 10(地図でみる) |
予約ページ | Hotel Amor y Pazの予約ページ |
2. Casa Curtos
アパートメントタイプの、家一軒貸切できるホテル。暮らすように滞在できます。
1泊4,500円(2人で泊まれば一人2,000円台)で、コスパも◎。
ちょっと村の外れにあるので、荷物の少ない人向けです。Web予約OKですが、到着時間など事前にオーナーとやり取りする必要があります。(現地で使える携帯持っている人向け)
値段 | 4,500円/部屋 |
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場所 | Calle Zapata 14(地図でみる) |
予約ページ | Casa Curtosの予約ページ |
3. Hotel Real de Alamos
レアルデカトルセの、立地がよい安宿。(たぶん村内で最安レベル)
部屋は狭めですが、シャワーも熱いお湯が出て、それなりに快適に過ごせます。(朝はお湯がぬるいこともありますが…)屋上からの眺めもいいです。
バックパッカーや、節約旅行のひとり旅におすすめ!
値段 | 一人部屋:300ペソ(約1,800円) 二人部屋:500ペソ(約3,000円) |
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場所 | Constitución 21(地図でみる) |
予約ページ | なし。直接行って交渉か、電話で予約(+52 488 887 5009) |
4. Hotel Mina Real
中心地の便利な立地にある、石造りのすてきな内装のホテル。
とても清潔できちんとしていて、安心して泊まれます。屋上スペースもあります!カップルや子連れファミリーにおすすめです。
値段 | 7,000円〜/部屋 |
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場所 | Ramón Corona 5(地図でみる) |
予約ページ | 直接行くか、事前に電話で予約(+52 488 887 5162) |
レアルデカトルセのホテルにはWi-Fiがないことが多いのですが、ここで紹介した4ヶ所は、どこも「Wi-Fiあり」です。
自分で宿を探す場合、「Wi-Fiがあるか」と「ホットシャワーが出るか」は、事前に確認しておくといいです。
まとめ
以上、大好きな村「レアル・デ・カトルセ(Real de Catorce)」についてでした!
かなり田舎で、アクセスしにくい辺鄙な場所にありますが、行く価値あり!!村全体に、不思議な魅力と、「ここにしかない空気」があります。
馬に乗って登山したり、砂漠や廃墟を探検するのもとても楽しいですが、村で散歩したり、コーヒーを飲んだりしてのんびり過ごすのもまた、味わい深いです。
かなりの確率で「霧まみれで何も見えない日」にあたりますが、それもまたレアルデカトルセの魅力。
ぜひ、真の「魔法の村」、レアルデカトルセを楽しんできてください😊😊
レアルデカトルセ村への行き方・アクセス方法は、こちらの記事で詳しく紹介してます!↓