コラム

メキシコの職人の間でケータイとSNSが普及しだしている。嬉しい!

最近、メキシコの職人の間でモバイル(携帯電話)普及し、さらに、SNSを活用する職人も多くなってきました。

わたしも、メキシコの職人と連絡を取る時には、よくSNSを活用しています。

モバイルを持つ人が多くなった

最近、メキシコの職人の間で急激に、モバイル(携帯電話)を持つ人が多くなりました。

首都メキシコシティで会う職人はほとんど、田舎の方でも持っている人は多いです。

そして、モバイルを持っている人のほとんどが、何かしらのSNSを使っています。

最近では、それを通して最新の作品を見ることができたり、オーダーの連絡をとったりすることができてとても便利です!

固定電話は難しい…

モバイルを持ってない人もたくさんいます。

そういう職人は、家の固定電話の番号を教えてくれます。

しかし、固定電話に電話するとなると、留守だったり、村が停電している時は連絡がとれなくなったりします。

あと一度あったのが、山奥の村に住むある職人に電話しようとしたとき、首都のメキシコシティからは電話番号が通じませんでした。

メキシコ人にも手伝ってもらって、いろいろ工夫してみても、どうしてもかからない。

結局、その村の近くの同じ自治体内まで行って、やっと電話が通じた、なんてこともありました。

つまりわたしがもらった番号は、自治体内のみで使える電話番号だったってことです。

こういうことがあると、やっぱりメキシコのどこにいても通じるモバイルは便利だなあと思います。

マイペースな職人たち

メキシコの職人たちは、マイペースな人が多いです。

「一か月後までにこれを作っておいて」と頼んでおいても、約束の日になって会ってみたら、「なんか、作れなかった。」と言われることがたまにあります。

そんな時は、「何のために一か月待ったんだろう…」と、悲しくなります。

特に、時間とお金をかけてそこまで受け取りに行ったときにそんな感じだと、ちょっと落ち込みます。

せめて事前に連絡をとることができれば、「できているのか、いないのか」くらいは知れるので、

モバイルが職人たちの間に浸透してきて、あの時のような悲しいできごとが減るのはとてもありがたいです!

職人との連絡で使うSNS

わたしが職人と連絡を取る時によく使うSNSは、「Facebook」と「WhatsApp」の2つです。

Facebookで友達になっておけば、メッセンジャーを使って個人的にメッセージをやり取りすることができます。

WhatsAppは、世界中で使われている、相手の電話番号にメッセージを送ることのできるSNSです。

今どんな感じで製作を進めてくれているかなどを、作っている途中に写真を送ってもらったりして経過を知ることができてとても便利です。

写真を見ながら、途中で細かいリクエストをすることもできます。

SNSを活用して自分を売り出す職人の出現

最近わたしが注目しているのは、写真をシェアするSNS、Instagram(インスタグラム)を活用している職人の存在です!

いままで、職人の作る作品は、現地まで行って、その人の工房を訪れないと見れませんでした。(今でも基本的にそうですが…。)

特に、人気の職人さんの場合、「注文が入らないと作らない」という人もいるし、完成したら即発送なので、タイミングが合わないと全然見ることができないのです。

しかし、モバイルが普及したことで、モバイルについているカメラ機能で写真を撮って、作品をデータとして残して置くことができるようになりました。

さらに、最近は、撮った写真をインスタにアップして、全世界の人が見ることのできるポートフォリオ(自分の作品集)を作っている職人が少しずつですが出始めているんです!

インスタで新しい職人を発見できる?

というわけで、それに気づいてから、毎日のようにそれっぽいハッシュタグからメキシコの民芸品職人を探しています。

わたしが適当にピックアップした数百枚の写真を見たところ、メキシコの民芸品の写真をアップしている人の内訳はこんなかんじ。

1位 ショップ

半分は、メキシコ雑貨や民芸品を販売している、ショップのアカウントです。

やっぱりショップだからか、更新率も高く、いろんなものをアップしているので、見ていて楽しいです。

2位 個人

40%は、メキシコに住んでいる人、たまたまメキシコに行った旅行者、コレクター、メキシコ雑貨のファン、手仕事好きの人などによる、個人的な投稿です。

思わぬ掘り出し物が見つかったりして楽しいです。

3位 インスパイアド系職人

8%は、たまにいる、メキシコの民芸品のデザインに影響を受けた欧米のアーティストです。

メキシカンテイストを織り交ぜながらも、自分のオリジナルの作品を発表している、メキシコにアイデンティティーを持たない職人たちを「インスパイアド系」と名付けました。

4位 職人(本家)

本家の職人は、たったの2%。少ない…。

おそらく、本当にインスタを使っている職人の数が少ないか、あまりに更新が少ないorハッシュタグをうまく使えていないから、見つけられないか…

この2%の職人も、メキシコシティなど都会に住んでいる職人か、すでに有名な巨匠くらいで、田舎の職人はほとんど見ていません。

 

…というわけで、そんな簡単に行くわけがありませんでした。

それでも、何人か面白い職人さんを見つけられているので、これから増えていくのに期待です。

いつか、メキシコにいなくても職人を探せるようになるかも

今まで、職人を探すのには、「現地に行く」、「本で探す」、「人に聞く」というものすごくアナログな方法しかありませんでした。

現地に行く、というのは、もちろん現地でしか実現不可能だし、本もメキシコにしかないものばかり。

人に聞いても、結局実際に会いに行かないと確かめられないので、とにかくメキシコにいなければならないのです。

もしもっとSNSが職人の間で広がれば、メキシコからは遠く離れた日本からでも、面白い職人を見つけることができるようになります。

ゆくゆくは、「いついつ行くから、この写真っぽい作品を作っておいて」とかもできるようになるかもしれない…。少しハードルが高いけど、送ってもらうとかも…!

夢は広がりますが、とりあえず今は、次にメキシコに行く時までに新たに面白そうな職人を発見しておこうと思います!

さいごに

わたしが前にオアハカに行った時、本で知った木彫り職人の工房をワクワクしながら訪ねたのですが、在庫がなく、作品をひとつも見ることができず、泣く泣く帰りました。

しかし、Facebookを通してあとから写真を送ってくれて、いろんな作品を見ることができました。

「次来るときにはあらかじめメッセージをくれれば、好きな作品を作るよ」と言ってくれて、とても嬉しかったのを覚えています。

 

最近は、職人さんの間では、「SNSを持っている方が仕事に繋がる」ということが確実になってきています。

これから、モバイルを持つ人も、SNSを活用する人も増えていくと思います。

彼らにとっても、仕事のチャンスが増えたり、心を込めて作った作品を世界中のたくさんの人に見てもらうことができるようになります。

このチャンスを、うまく活用していってほしいなあと願うばかりです。