メキシコの木彫り

メキシコの仮面はおもしろい!③ どこにでもいるアイツは誰だ

雑貨屋めぐりって、とても楽しいですよね。時間がたつのも忘れてしまいます。

ところで、わたしには、メキシコにはじめて来た時から気になっているある存在がいました。

とにかくソイツは、行くところどこにでも出現するのです。

どこにでもいるソイツ

この5枚の写真を見てください。どれも、メキシコ雑貨のお店の写真なのですが、ソイツがいます。

①1+2匹います。 雑貨屋にも。

②1匹 こんなおしゃれショップにも

③1匹 ここにも

④2匹 いる…!

⑤2匹 仮面にまぎれて

 

ソイツは、気付くといつもそこにいるのです。

 

ソイツとは、コイツです。

…だれだ、このおたふくフーフー顔は!!

おたふくフーフー顔の正体

調べてみると、正体がわかりました。

なんと、このフーフーの正体は、「エンジェル」なのだそうです。

プット」と呼ばれる、ルネサンス美術の絵画の中に描かれる、翼の生えた小さい赤ちゃんの姿をした天使です。

複数系は「プッティー」と呼ばれるんだそうです。プッティーってかわいい。

ルネサンス美術では、宗教画が多く描かれていました。

植民地化とともにキリスト教がメキシコに入ってきたとき、仮面のデザインが変わったことは前回の記事(メキシコの仮面はおもしろい!② 仮面は優秀なストーリーテラー!)で書きました。

このプットも、宗教画とともに同時期にメキシコにやってきたのです。

メキシコにおけるデフォルメの最高傑作説

正体はわかったものの「こんなキャラクター、ルネサンス美術の中で見た事がないよなあ。」と思い、

「オリジナルのプット」が、ルネサンス美術の絵画の中でどのように描かれるのか調べてみた私は仰天しました。

そこには、メキシコの「プット」とはかけ離れたプットが優雅に佇んでいたのです。

それが、こちら。

う、美しい…!

これが、あのプットなのか?

信じられません。

しかし、絵のタイトルは「眠れるプット」(ペロー画、1883)

もう一枚あります。

出ました、複数系のプッティー。

優雅です。

とりあえず、メキシカン・プッティー()とはだいぶ違います。

…そこで私は思い出しました。

メキシコ人が、デフォルメの天才だということを!

「デフォルメ」とは、あるモノの形を、特徴をとらえながら変形して表現することです。

一度メキシコ人の手にかかれば、どんなものも「癖強いメキシコ風」になって帰ってきます。

そう考えれば、あのおたふく顔は実は、あかちゃんのふっくらしたほっぺたや小さい唇を表現しているのかもしれないし、「眠れるプット」を見ても、なんとな~く面影があるような、ないような。

う~ん、なるほど。(?)

あとメキシカン・プットは、あまりに顔のインパクトが強いので見落としてしまいそうですが、ちゃんと羽も生えています。

頭からだけど。

体はどこにいってしまったんだろう、と思いましたが、まあそのへんは

職人「体いらないよな、作るの面倒くさいし。とりあえず翼は顔から生やしておこう。」

といったかんじで消えたのでしょう。

かくして、いろいろ省いてフーフーさせたメキシカン・プットが誕生しました。

プットの役割と意味

さて、プットは何を表現している存在なのでしょうか?

ルネサンス美術の絵画の中で描かれるプットには、どのような意味があるのか。それがわかれば、の意味もわかるはず。

調べました。

わかりました。

そして、答えは、「意味はない」です。

プットに意味はないんです。しいていえば、「装飾」なんだそう。絵画中の草花や鳥、雲と同じです。

一枚目の絵、ペローによる「眠れるプット」は、プットが主役として描かれる「例外的」なとても珍しい作品です。

二枚目の絵の、赤ちゃんキリストの上を優雅に舞うプッティ―には、得に意味はありません。たしかに、絵の中にプットがいたところで、あまり注目しませんよね。

絵のテーマ的には、いてもいなくてもどっちでもいのですが、居てくれるとなんだか絵全体がいいかんじになるのです。

プットを装飾として生活の中に取り入れてみよう

みなさんも、プットを装飾として生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

花瓶の花だと思って。

空に浮く雲だと思って。

プットがいてくれるだけでなんだか部屋全体がいいかんじになるかもしれません。

それでは、プットを取り入れたインテリアを見てみましょう。

こちら。

 

う~ん、存在感が凄い。

 

全力で「ここにいるよ!!」と主張してきます。

部屋の主役の座をかっさらってます。

そう、メキシコ風にデフォルメすると、なにもかもが主役級の濃さを得てしまうのです。

そんなわけで、バランスを取るにはどうすればいいのか?を考えました。

そして思いつきました。

こうすればいい。

プットと同レベルで存在感の強いほかの装飾をぶっこむのです。

思い出してください。

最初の方に出したメキシコ雑貨屋の写真の中で、プットは完全に空間に溶け込んでいましたよね。

ほかには、こんな手もあります。

プットをプッティーにすることで、ひとつひとつのプットの「主役感」を軽減します。

 

このふたつの方法を実践すれば、部屋にプットがなじみます。

というか、プットに部屋がなじみます。

いまのところ、これしか解決策が思いつきません。

まとめ

我が家も、全く同じ方法でプット率いるメキシコ雑貨たちに侵略されました。

ルネサンスのころの存在感薄めのエンジェルだと思って、「部屋の装飾にでも」と軽い気持ちでプットに手を出すと、とんでもないことになります。

みなさんも気を付けてください。

なんだか話が脱線しましたが、この仮面において重要なのは、

  • 実はルネサンスの天使
  • 特に意味はない(装飾品)
  • でもメキシコで大人気

以上の三点です。

メキシコでは、少し注意して見れば、この仮面をどこでも見つけることができます。

ぜひ、プットの仮面探しをしてみてください!

次の記事:メキシコの仮面はおもしろい!④ 仮面の「鼻」を見てみよう