今回は、最初は戸惑うメキシコの挨拶、「ほっぺにキス」について紹介します。
もくじ
メキシコには、ほっぺにキスする文化がある
メキシコでは、挨拶するときにほっぺに軽くキスする文化があり、「ベソ(スペイン語でキスの意味)」とか「ベシート」と呼ばれます。
これは最初はとてもビックリしますが、メキシコではとても一般的な挨拶です。
わたしも、様々な恥ずかしい間違えを重ねながら、なんとなくメキシコの挨拶のルールがわかってきたので、今回はその「ほっぺにキスする挨拶」について紹介しようと思います!
メキシコ流「キスの挨拶」の仕方
キスの挨拶の文化は、メキシコだけでなく、フランスやスペイン、アルゼンチンなどのラテン国などにもあります。(フランスでは、ビズと呼ばれるみたいです。)
国によりルールが少しずつ違うので混乱しがちですが、今回は「メキシコ流のキスの挨拶」の仕方を紹介します。
メキシコのベソは、「相手の右側のほっぺに一度だけ」です。
図で描くと、こんな感じ。↓
つまり、自分は、左側に行きます。
これ、間違えて右側に行こうとすると、目の前でお互いの顔がゆらゆらなって気まずいです。(わたしは何度もやりました。)
また、2回(両頬)、3回とベソをする国もあるのですが、メキシコは1回だけです。
ラテン系の国の人同士でも、文化が違うと間違えることも多いです。
フランスやスペインでは2回するので、フランス人やスペイン人がメキシコに来た時や、その逆の時、彼らもよく間違えて、「文化の違い」を感じるのだそうです。
実際はほっぺにキスしてない
わたしは最初、てっきり「ほっぺにキス=相手のほっぺに唇をくっつけないといけない」のだと思っていたのですが、ほとんどの場合、唇はつけてません。
実は、ほっぺをくっつけた状態で、空中にキスを放っているのです。
よく考えたらたしかに、二人とも同時にほっぺに唇を当てるのって、相当無理のある状態です。
さらに、日本人は「軽いキスの音」を出すのも慣れていないと思います。
わたしは最初うまいこと音が出せず、無言でほっぺをくっつけてました。
毎回、ちょっとシュールでした。
キスの挨拶はだれとする?
では、普通、どういう関係の人とベソをするでしょうか?
簡単に言うと、こんな感じの人たちです。
- 家族、親族
- 仲のいい友達
- 仲のいい同僚
- よく顔を合わせて会話をする人
普通、キスの挨拶をするのは、親しい人限定です。
つまり、基本的には「面識のある人達」です。
ただし、例外もあり、初対面でもキスの挨拶をすることがあります。たとえば、
- 仲のいい友達に紹介してもらった人
- 「仲間意識」の強いコミュニティーに参加するとき
などの場合は、初対面でもキスの挨拶をします。
キスの挨拶には、「あなたは私の身内、仲間ですよ。」というメッセージが込められているのです。
男女で違う、キス挨拶ルール
しかし、男女でキス挨拶ルールも少し変わります。こんな感じです。
- 女-女 ⇒OK
- 男-女 ⇒OK
- 男-男 ⇒△
女同士、男女の場合はしますが、男同士では普通しません。
ゲイ・コミュニティー間ではしますが、とりあえずゲイではない男性は、男性にはしないようにした方が無難です。ゲイの人の場合でも、相手がゲイでない場合は遠慮するようです。
しかし、アルゼンチンは例外で、ゲイではない男同士でもこの挨拶をします。
他のラテン国での男同士の挨拶は、普通、握手や半身ハグ(背中を叩く)です。
キスの挨拶をしない人
初対面の人以外にも、以下の人たちとはキスの挨拶はしません。
- まだ知り合ったばかりの人
- ビジネスで会う人
- (上下の)力関係がはっきりしている人
- 毎日のように会う人
相手のことをよく知っていても、「家の近所の人たち」、「家のお手伝いさん」など、多少の距離があった方がいい関係では、キスの挨拶をしない場合が多いようです。
さまざまなキスの挨拶の種類
ちなみに、キスの挨拶にも様々なパターンがあります。
- オーソドックスな「会えてうれしいよ」
⇒ほっぺを軽くくっつけてキスを空中に。 - 見るからに化粧が濃い時
⇒ほっぺも触れず、キスを空中に(パーティーなどで多い) - 一方の愛が半端なく盛り上がっている
⇒一方的にほっぺにキス(ばあちゃん→孫などの場合に多い)
などなど。
顔のケアもするといいらしい
この挨拶をする時は、人の顔にかなり近付くことになるので、顔周りのケアは気を付けた方がよさそうです。
特に、口臭、顔臭(?)、ほっぺ周りの毛などは、メキシコの人も気にしてケアしているようです。
顔から匂いがするのかどうかは不明ですが、キスの挨拶が多くなりそうな日(パーティーなど)には、女性は首元に大量の香水を付け、男性は、髪の毛やほっぺ側の髭がボーボーにならないように気を付けています。
でも、日本人の感覚で普通に清潔にしていれば、心配しなくても大丈夫です!
最後に
ラテンの人々は、「他の国ではこの挨拶をしない」ということをわかっているので、戸惑ったり、できなかったりしても心配しなくて大丈夫です。
それに、私たち日本人にとってはオープンなイメージのアメリカ人でも、このラテン特有の挨拶は「オープン過ぎる」ようで、戸惑う人が多いのだそうです。
しかし、この挨拶をしてくれる人はあなたを「身内」「仲間」と思ってくれています!
最初はびっくりするかもしれませんが、異文化もまるごと受け入れて、メキシコを楽しみましょう。
以上、メキシコ流・ほっぺにキスの挨拶についてでした。