メキシコのサンルイスポトシ。
豊かな自然に囲まれ、素晴らしい観光スポットがたくさんある、日本人にはまだあまり知られていない隠れおすすめスポットなのですが、
そのサンルイスポトシ州の南端にある「ヒリトラ(Xilitla)」という村に、めちゃくちゃ可愛いホテルがあるので紹介します。
Hotel Tapasoli(ホテル・タパソリ)
自然たっぷりのヒリトラのなかに突然現れる、まるでロードオブザリングに出てくる「ホビット村」のような外見のホテル。
南国植物が生い茂り、カラフルな花が咲き、なんともエキゾチックな雰囲気です!
手前の池はプールになっていて、泳ぐことができます。
ドアはまんまる。
かなりホビット感ありますよね!!
でもここはホビット村を真似して作ろうとしたわけではなく、オーナーは、「自然と調和した、環境への負荷が少ないホテル」を作ろうとしたんだそうです。
数部屋だけの小さな宿で、部屋の中もそんなに大きくないです。
でもこのドアをくぐるたびに、ワクワクします♪
ホテルはサンルイスポトシの絶景を見渡せる場所にあって…
素晴らしい景色を楽しむことができます!
聞こえてくるのは、水の流れる音と、風と、木々が揺れる音のみ。
ゆったりと時間が流れていきます。
敷地内を流れる滝の音を聴きながら、のんびり過ごしたい宿です。
Wi-Fiや電波もあまり機能していないので、デジタルデトックスにピッタリ。笑
ちなみにここ、安い部屋なら200ペソ〜泊まることができるんです。高くても400ペソ。(今後値上がりするかもですが)まさかの格安宿!!
ヒリトラの見どころ
ヒリトラといえば、エドワード・ジェームズが作った「ラス・ポサス(Las Pozas)」や「Jardín de Edward James」、「Jardín Surrealista」などと呼ばれる庭園が有名です。
「Huasteca Potosina(ウアステカ・ポトシーナ)」と呼ばれるサンルイスポトシ東部エリアの大自然のなかにある、1番有名な観光地です。
観光客などにも一般公開されている広大な私庭なのですが、シュールレアリズムに影響を受けたイギリスの小説家エドワード・ジェームズ(1907-1984)本人が、40年もの年月をかけて作った大作でもあります。
ジャングルの中に不思議なコンクリート製のオブジェがたくさんあり、それが長い時間をかけて自然と調和しています。
その外見から、日本人の間では「メキシコのラピュタ」とも呼ばれています。
ジェームズ氏が1984年に亡くなったあとは、建設も打ちやめで建設途中のオブジェや建物もちらほら。(…とはいえシュールレアリズムアートは、どれが完成でどれが未完成なのかも説明がないとわからない笑)
そしてここは、ハフポストにより「世界中どこを探してもないような場所」と表現されていて、その通りで本当に面白く、見応えがあります!!
ジェームスは、サルバドール・ダリが「シュールレアリズムを全部あわせても、エドワード・ジェームスよりクレイジーになることはない」と表現した男だ。どんな建築のカテゴリーにも分類されず、ファンタジーとリアリティーの間を揺れ動くような、家と彫刻の庭をデザインした。
ハフポスト
ジェームス氏、あの有名なダリからも評価されてるなんて、めっちゃすごい人なんか…!と思って調べてみたら、この人、なんとペギー・グッゲンハイムと並ぶ超大富豪の英国貴族だったらしく、1920〜30年ごろの当時絶頂期のシュルレアリスムの大パトロンでした。
特にダリにはゾッコンだったらしく、画材は買ってあげてるし、1938年のダリの作品はすべて購入しているほど。他にも、マグリットなど世界でも最大規模のシュルレアリズムの作品の個人コレクション持っています。
このラス・ポサスの庭を作るためにも、当時破格だったメキシコの物価でも相当なお金がかかったらしく(約500万ドル…今のレートだと約6億円)、大事なシュールレアリストのアート作品をオークションで売ってお金を作ってたそうです。
そんな彼は、作品収集だけに飽き足らず、自分の生活までもシュールレアリスムで埋め尽くしていったのだそう。
そんな彼の狂気(笑)と、サンルイスポトシの自然の美しさ、両方を楽しめるのがここなのです!!
なのになぜこんなに日本人の間で有名ではないのかというと…
とにかく行きにくい!!!!
メキシコ好きな人でもなかなか訪れたことがない(車がないと行きにくい💦)秘境で、それもあってガイドブックにはほとんど載っていません。
行くなら、レンタカーかなあ…。
でも、バスを乗り継ぎなんとかヒリトラまで辿り着けば、そこからタクシーや歩きで彫刻を巡ることは可能です。
でも、周辺には他にもたくさん自然系の美しい見どころがあるので、やっぱり車があったほうが便利です。
でもぜひ行ってほしい素晴らしいスポットなので、またいつか別の記事で詳しく紹介したいと思います!