メキシコ民族調査① フレンドリーなウイチョール族を探して

ウイチョール族と、かれらの伝統的な儀式についての現地調査をした時の記録です。

ウイチョール族について

わたしは、数年前に「ウイチョール族」という独特の民族アートを作る人たちについての研究をしたいと思っていました。

というのも、彼らのアートがすごく好きだったからです。

ウイチョール・アートは、とにかくカラフル。カラフルなものが溢れるメキシコの中でも、1,2を争う鮮やかさです。

↑ ウイチョール族のビーズアート

↑ ウイチョール族の羊毛アート

シャイなウイチョール族

そこでまず、メキシコシティーにいるウイチョール族の人たちを探しました。

ウイチョールの人は、ビーズアートを売っていたり、民族衣装を着てのんびりしていたりと、わりと普通に見かけます。

しかし、勇気を出していろいろ話しかけてみても、なかなか話が弾まない。

メキシコ人とは、少し話せばアミーゴになれる

と思いこんでいた私にとって、目を合わせてくれず、むしろ早くどっか行ってくれオーラを出しはじめる彼らの塩対応は、なかなかのカウンターでした。

メキシコ人の友達にこのことを相談すると、

「彼らはシャイだから。あと、スペイン語が話せないからあまり話したくないのかもしれない」と言われてしまいました。

メキシコ人にとっても、ウイチョール族の人たちと友達になるのは少しハードルが高いようです。

他のメキシコ人の友達にも聞くと、見方は人ぞれぞれですが、みんなウイチョール族について「排他的」、「シャイ」、「スペイン語が完ぺきじゃない」みたいなことを言っていました。

なるほど。でも、わたしもスペイン語は完ぺきじゃないけど頑張ってるんだ!!という押し付け精神で、

「フレンドリーなウイチョール人もいるかも」という微かな希望を胸に、ウイチョールの人がいる露店などをいろいろ見て回っていました。

フレンドリーなウイチョール族との出会い

メキシコへの訪問3度目にして、ようやくフレンドリーなウイチョールの男性、「ホルヘ(仮)」に会うことができました!

ホルヘは、「自分たちの文化は自分たちの中だけのものにしておきたい。あまりよそ者に教えたくない」というほかのウイチョール族の人とは真逆の考え方をしていて、

ウイチョールの文化を広めて、人々に知ってもらうことが、自分たちの文化を守っていくことに繋がる」と信じていました。

ウイチョール族の宗教観、世界観についても、いろいろなことを教えてくれました。

さらに、特別に聖地「レアル・デ・カトルセ」でウイチョールの伝統儀式を見学させてあげる、という夢のような提案をしてくれました。

「レアル・デ・カトルセ」とは

まず、ウイチョール族は、メキシコで数少ない、民族衣装を着て伝統を守り続けている民族でもあり、とてもユニークな文化や習慣を持っています。

そのひとつが、毎年行われる「巡礼」。

約1か月間かけて、歩いて山々を超えていきます。

その長い長い巡礼のゴール地点が、「レアル・デ・カトルセ」なのです!

レアル・デ・カトルセは、彼らにとっての「世界の中心」であり、「太陽が生まれた場所」だと信じられています。

普通の人にとっては、ただの山奥のさびれた村なのですが、ウイチョールの人々にとってはとても神聖な場所なのです。

いざ、聖地レアル・デ・カトルセへ

レアル・デ・カトルセに向かう日、「砂漠で夜通し儀式を行う」とのことだったので、ウォルマートでテントを買い、寝袋も持って旅立ちました。

バスターミナルで待ちあわせをしていたら、ホルヘが大きなボロボロのトランクを持ってやってきました。

(あの巨大トランクの中に、儀式用具がたくさんつまっているのかなあ)

と、ワクワクしながらバスに乗りこみ、その際に荷物チェックがあったので彼の荷物の中身をチラ見すると、なんかの棒?らしきものが一本入っているだけでした。

「いやカバンでかいわ!!」と心の中でツッコミながら、でも、もしかしたらそのスペースにも何か意味があるのかもしれないと思い、考えるのをやめました。

そんなこんなでレアル・デ・カトルセに向かいます。

 

つづく。

メキシコ民族調査② 計算ミスの多いウイチョール族ホルヘ