プエブラは、「メキシコ郷土料理の発祥地」と呼ばれるほど、地元グルメが豊富な街です。
今回は、そんなプエブラで食べておきたい名物グルメを紹介します!
プエブラで食べたい名物グルメ
有名なものから、どんどん紹介します!
1. モーレ・ポブラーノ (Mole Poblano)
プエブラの名物グルメを語る上で絶対に欠かせないのが、これ。
プエブラ州を代表する伝統的なソースで、「メキシコの国民食」としても知られています。
チョコレートや唐辛子、ナッツ、スパイスを使った風味豊かなソースは、数十種類の材料を使用して作られています。甘み、辛味が複雑に絡み合い、一言では言い表せない味。
とにかく「好き嫌いが分かれる料理」としても知られていて、美味しく作るのがとっても難しく、入れる材料や作り方で大きく味が変わるので、味はシェフの腕次第!
一度食べてみて「口に合わない」と思っても、ぜひ別の店で食べてみてください!全然味違うので!!
わたしは愛知の三河出身なので、「苦味と辛味を足した”つけてみそ・かけてみそ(赤だしベースの甘味噌だれ)”みたいなソース」って説明したことがあります。(友達には全然違うって言われたけど…笑)
モーレは、ローストした鶏肉や七面鳥にかけて食べます。あと、巻きタコスにかけて食べる「エンモラーダス」という料理もあります(「エンチラーダ」のモーレ版。)
起源にはいくつかの説がありますが、最も広く知られているのは、「プエブラにあるサンタロサ修道院の修道女たちが17世紀にこのソースを作った」という話です。
訪問する司教のために特別な料理を作るために、手元にあった材料をすべて使ってモーレを作り上げたんだそう。
今でも、モーレ・ポブラーノは、特別なお祭りや家族の集まりなど、大切なイベントで作られることが多い、手間暇かけて作られる特別な料理です。
プエブラでモーレ・ポブラーノを食べられる有名店は、以下の通り。メルカドでも食べられます。
- 「El Mural de los Poblanos」住所: 16 de Septiembre 506, Centro
- 「Fonda de Santa Clara」住所:v. 3 Poniente 307, Colonia Centro
ちなみに、東京の田町にある「CABOS(カボス)」というお店で食べたエンモラーダスも、絶品でした…✨
2. チレ・エン・ノガダ (Chile en Nogada)
プエブラ名物の「ポブラーノ」と呼ばれる大きなピーマンのような青唐辛子に、ピカディージョ(ひき肉と果物、ナッツのミックス)を詰め、クルミのクリームソースとザクロの種で飾った料理です。
フレッシュなポブラーノとザクロが取れる、7〜9月の夏限定料理です。
赤、緑、白とメキシコ国旗カラーの料理なので、メキシコ国民にとって大切な祝日である「メキシコ独立記念日(Independencia de México)」を祝う時の、定番メニューでもあります!
ただこちらも、モーレ・ポブラーノに並んで「好き嫌いが分かれる」で有名な料理。笑
味は、肉詰めピーマンに甘いクリームをかけたような…不思議な味わいです。…何度食べても、なんだか慣れません。笑 でも、メキシコ人のアイデンティティにも深く繋がる料理なので、メキシコ人の前で「まずい」は禁句です。笑
この時期にプエブラを旅行するなら、ぜひ食べてみてほしい名物料理です!!
チレエンノガダの有名店は、こちら。↓
- 「Fonda de Santa Clara」住所:v. 3 Poniente 307, Colonia Centro
伝統的なチレエンノガダのレシピで作られています! - 「Mesón Sacristía de la Compañía」住所:Calle 6 Sur 304, Centro Histórico
3. チャルーパ(Chalupas)
チャルーパは、小さくてちょっとぶ厚いトルティーヤに、サルサ、細切り肉、粉チーズがトッピングされています。トルティーヤはカリカリに焼いたり揚げられたり。
昔プエブラの農村に住む農民たちが、畑仕事の合間に「手軽に作れる軽食」として、そして祭りや特別なイベントで提供される料理として広まりました。
船の形に作るバージョンが有名ですが、Chalupas Poblanas(プエブラ風チャルーパ)は、タコスのような平らな形。
サルサもたっぷりかけて食べるのがプエブラ流です!
これは、メルカドや道端で食べるのが一般的です。
4. セミタ・ポブラーナ (Cemita Poblana)
これも、プエブラにきたら絶対に食べてほしいストリートフードの一つ!!
「セミタ(セミータス)」とはメキシコ風ハンバーガーのことですが、特製のパン(このパンの名前もセミタ)に、アボカド、プエブラ名物の香草パパロ、オアハカチーズ、肉(「ミラネサ」と呼ばれる薄いとんかつ)を挟んだサンドイッチです。
セミタのパンは、ゴマが振られた丸いパンで、外はカリカリ、中はふんわりとした食感です。
セミタ・ポブラーナの起源は、19世紀にまで遡ります。セミタパンの製法はスペイン流で、プエブラのパン職人たちがプエブラで取れる美味しい素材を挟んで食べるようになったのが始まりです。
ものすごくボリューミーで、2人で1つでも十分なくらい!
セミタ・ポブラーナは、サボレス市場や5月5日市場にたくさんお店がありますが、5月5日市場内にある「Super Cemitas Esther」というプエスト(店)のセミタがおすすめ。
ここのおばちゃんのサービスはかなり塩ですが(笑)、地元でも評判なだけありとっても美味しいです!!!プエブラで食べたものの中で一番美味しかったかも☺️
プエブラのセミタには「パパロ(キルキーニャ)」という、パクチーとルッコラを足して2で割ったみたいな野菜が入っていることがあります。
これが香りがクセ強なので要注意です。笑 でもプエブラのローカルが愛する味なので、食べられる人は抜かずに一緒に食べてみて!
5. モロテ (Molote)
揚げたタマルのようなストリートフードで、中にはチーズ、肉、ポテト、豆、チョリソー(ソーセージ)などの具材が詰まっています。
とうもろこし生地で作ったコロッケのようなイメージ。
揚げたてのモロテに、サルサ・ベルデ(緑のソース)やサルサ・ロハ(赤いソース)、粉チーズやクリームもかけます。(メキシコのスナック全部このセットかけるから、いつも同じ味になる😂)
道端でもよく売っているので、小腹が空いた時にぜひ食べてみてください!
6. タコス・アラベス (Tacos Árabes)
直訳すると「アラブ風のタコス」。「タコアラベ」とも呼ばれます。
1920年代に中東からメキシコに移住してきたレバノン人やシリア人がプエブラにやってきて、アラビア流の肉の回し焼き(シャワルマ)を伝え、そこからメキシコ文化と組み合わさって独自のタコスになりました!なので、比較的新しいタコスです。
プエブラの名物で、ケバブのように羊肉や豚肉を回し焼きして、ピタパン風のトルティーヤで包んで食べます。
お肉はクミンやオレガノなどのスパイスでマリネされていて、香辛料の効いたエキゾチックな香りが食欲をそそります!さらに普通のとうもろこしトルティーヤではなく、「パン・アラベ」と呼ばれる、ピタパンのような小麦パンが使用されます。(トルティーヤも用意してあります)
プエブラで一番人気のお店が「Tacos Tony(タコス・トニー)」という70年続く老舗で、「タコス・アラベスを食べるならココ!!」ってくらい有名です。
- 「Tacos Tony」住所: Blvd. Héroes del 5 de Mayo 1103, Centro
- 「Taquería Los Ángeles」住所:Av. Don Juan de Palafox y. Mendoza 608B, Centro
- 「Antojitos Acapulco」住所:Av. 23 Poniente 301, Colonia Volcanes
7. タコス・アル・パストール(Tacos Al Pastor)
パストールタコスも、タコス・アラベスとよく似ていて、マリネしたタコスをケバブ風に回転機械で焼き上げます。
ただパストールの方は、実はメキシコで一番人気のタコスの一つで、プエブラだけでなくメキシコ全土で食べられています。
メキシコ北部やバハ・カリフォルニアなどメキシコ沿岸の一部の場所では、同じものでも呼ばれ方が変わって「タコ・デ・トロンポ」や「タコ・デ・アドバダ」とも呼ばれます。
パストールとアラベの違いは、こんな感じ。
アラベ | パストール | |
レア度 | プエブラ以外ではあまり見ない | メキシコ全土で大人気 |
包む部分 | ピタパンが多い | とうもろこしトルティーヤ |
肉 | 羊や豚 | 豚 |
その他特徴 | 巻き型が多い | パイナップルのスライスを乗せることが多い |
やっぱり、メキシコ人にはとうもろこしトルティーヤを使ったパストールの方が人気みたいです!笑
あと、アラベの方が、よりエキゾチックな中東の香りが強い感じがします。
プエブラ市内のパストール・タコスの有名店は、このあたり。
- 「Don Pastor Catedral」住所:C. 16 de Septiembre 305, Centro Histórico,
- 「La original Taqueria Viviana」住所:Av. 8 Ote. 402C, Centro histórico
8. ピピアン・ベルデ(Pipían Verde)
ピピアンは、ナッツや種、トマト、トウモロコシ、スパイスを使って作られるモーレの一種で、ベルデ(緑)バージョンでは名前の通りグリーンの食材が使われます。
「モーレ」といっても、さっき紹介した「モーレ・ポブラーノ」とは全然違う味です!
トーストしてからくだいたピピアン(カボチャの種)が主原料なのですが、そこにトマティーヨ(緑トマト)、唐辛子、ニンニク、玉ねぎ、ハーブなどをブレンドして作ります。
とっても優しい味わいで、わたしも大好きな料理です!日本人の味覚にも合うと思います!
日本だと、東京にある「サルシータ」というレストランで食べられるのですが、そこで食べたときはあまりに懐かしくて泣きそうになりました。笑
モーレ・ポブラーノと同じように、鶏肉の足のローストなどにかけて食べます。
- 「Fonda de Santa Clara」住所:v. 3 Poniente 307, Colonia Centro
↑この店は、いろんなプエブラの名物料理(モーレポブラーノ、チレエンノガダ、ピピアンベルデなど)を出しててどれもかなり評判がいいので、プエブラ滞在中に行ってみるといいかも!
プエブラの伝統的なお菓子も楽しもう!
プエブラは、実は料理だけでなくスイーツの生産地としても有名。
昔、植民地時代のサンタロサの修道女(尼)たちが、メキシコの地元の食材とスペインの伝統製菓技術を使ってレシピを開発したんだそうです。
プエブラのお菓子は、メキシコ人にとって「古き懐かしいお菓子」の名産地。若い人よりも、年配の方にウケがいいです。
甘いものが好きな人は、ぜひプエブラの伝統甘味にも挑戦してみてください♪
1. camotes (カモテ・サツマイモの甘いペースト)
一番定番でよく見かけるお菓子が、カモテ。
プエブラのカモテは、さつま芋を甘く砂糖で煮て練ったお菓子です。
フルーツ風味を練り込んだバージョンもあって、とても安い!10本セットで10ペソ〜
2. jamoncillos (ハモンシージョス・ミルクベースのキャンディ)
ハムのような見た目&食感の、甘ーいミルクベースのねり飴。
フルーツフレーバーがついてるものが多く、ぺピータス(カボチャの種)の粉に砂糖を入れて作っています。
食感はほろほろとねっとりが合わさったような不思議な感じで、素朴であまーいです!
3. borrachitos (ボラチートス・アルコール キャンディ)
酔っ払いという名前のこのお菓子は、本当にアルコールが入った練りキャンディ。
大人向けです!
4. muéganos(ムエガノス)
小さなかりんとうボールを集めて、大きなボールにしたようなお菓子。
プエブラ以外ではなかなか見ない、珍しいお菓子です!
どれも、日本人にも親しみやすい味わいなので、ぜひ食べてみてください。
お菓子系は、全てプエブラ中心部にある「Calle de los Dulces(お菓子通り)」のお店で販売されていて、とても安く試せます。
プエブラの観光地や見どころについては、別記事でかなり詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください♪↓