わたしの大好きなメキシコの民芸品に「ニーチョ・ボックス(nicho box)」というものがあります。
英語では「シャドウボックス」と呼ばれ、”Mexican shadow box”は、世界中にコレクターのいる大人気のフォークアートです!
今回は、そんな魅惑のアート「ニーチョ」について紹介します!
ニーチョ・ボックス(nicho box)とは?
ニーチョ・ボックスとは、小さな箱の中にミニチュア世界を詰め込んだもののこと。
「nicho」は、スペイン語で「ニッチ(隙間)」のことです。「隙間」のようなとても小さなスペースに、ミニチュアを詰め込んで世界を作ったものがニーチョなのです。
日本だと、ドールハウスとかミニチュアボックスに近いですね。
ニーチョボックスの歴史
もともとニーチョは、ローマカトリックの奉納絵「レタブロ」から生まれたと考えられています。
↑レタブロ
↑レタブロとニーチョの間くらいの作品。
レタブロは平面の奉納絵ですが、それを「立体バージョン」にしたことでニーチョが生まれ、その後「持ち運びできる祭壇」として広まりました。
「ニーチョがあれば、教会まで行かなくても、自宅や旅行先でいつでも祈れる!」
というわけです。
なので、昔のニーチョのデザインは、カトリック系(マリア様や聖人、十字架など)が多く、真面目な内容でした。そしてニーチョの形は、昔は観音開きのものが主流でした。
その後、メキシコでは宗教を超えて、いろんなテーマで「ニーチョボックス」が作られるようになりました。形も変わっていき、観音開き以外にも、横開き、ガラス張りなどさまざま。
今は、ガラス張りのものが多く作られています。
実は、今あるメキシカン・フォークアート多くは、もともとカトリック由来です。
さっき話した祭壇画「レタブロ」も今は人気のフォークアート。
メキシコ州の代表的な民芸品「生命の樹」は、もともとはカトリック系の教会の細か〜〜いバロック装飾的センスと、先住民的センスが融合して生まれたんじゃないかと言われています。
メキシコのミニチュア文化はスゴい!
実はメキシコは、ミニチュア大国です!
メキシコ=「おおらかで大雑把で、細かいことは気にしない国」というイメージが強いので意外かもしれませんが、メキシコを訪れる外国人は、メキシコの職人の繊細な作品に感動する人も多いです。
職人大国である日本人も、メキシコの民芸品の繊細さには驚く人続出です。
いろんなミニチュアのフォークアート
ミニチュア技術が駆使されたフォークアートは、メキシコ中で作られています。
手先のとっても器用な職人たちが、一生懸命に小さな小さな陶器のフィギュアを作っています。
生命の樹
これは、先ほど触れた「生命の樹」
アレブリヘ(オアハカ州の木彫り)
ディズニーピクサー映画『リメンバー・ミー』でも登場して話題になった、絵付けの木彫り動物たち。とってもカラフル!
メキシコの首都メキシコシティにある「MAP(Museo de Arte Popular=メキシコポピュラーアートミュージアム)」に行ってみると、メキシコの職人たちの器用さがよ〜〜くわかります!
ここには数十年前の古い作品もたくさん飾ってあるのですが、昔から手先の器用な職人に恵まれた国だということがよくわかります。
まとめ
以上、メキシコの可愛いミニチュアアート「ニーチョ」についてでした!
ちなみに、ニーチョを探すなら、おすすめはメキシコシティで土曜日にだけ開催される「サンアンヘルの土曜市」です。ここは、ニーチョの職人がたくさん集まっていて可愛いニーチョが手に入ります!
あとは、同じくメキシコシティの民芸品市場「シウダデラ市場」にもあります!
興味のある人は、ぜひメキシコで探してみてください♪