メキシコの手仕事

オアハカの、サンマルティンティルカヘテ村のアレブリヘ職人まとめた。

オアハカのSan Martín Tilcajete村には、たくさんの木彫り動物「アレブリヘ」を作る職人が住んでいます。

この記事では、おすすめのアレブリヘ職人やお店(工房)について紹介します。

オアハカのSan Martín Tilcajete(サン・マルティン・ティルカヘテ)村

サンマルティンティルカヘテは、木彫り動物「アレブリヘ」作りで有名な村です。

村中にアレブリヘの工房兼ショップがあり、ほとんどのショップはメイン通りに集中していています。

ショップは、アレブリヘのお店らしくカラフルでユニークな壁画があったり、ドアが飾り付けられていたりして楽しい外見。看板や大きいアレブリヘもたくさん出ています。

村には、全部で30か所以上のショップ、工房があり、数えきれないほどの職人さんが住んでいます。

職人さんごとにモチーフもデザインも違うので、村を巡りながら自分のツボに入る職人さんや作品を探すのも楽しいのですが、少し知識があればさらに吟味できるはず!

ということで、この数ある工房やショップ、そして職人さんの中から、おススメを紹介します。

ティルカヘテ村のアレブリヘの巨匠3人

まずは、「巨匠」(スペイン語で”Grande Maestro”)と呼ばれる職人さんから紹介します。

巨匠の作品は、一目で誰ものかわかるような特徴的なものがほとんど。

ここで紹介する3人は、この村の巨匠としてメキシコのアルテサニアの本に何度も登場している人達です。

1. Jacobo y Maria Angeles Ojeda(ハコボ/マリア・アンへレス)


Photo by:RicardoAngelesMendoza CC BY-SA 4.0

住所【Calderón del Olvido #9】

ハコボさんとマリアさんは、夫婦でアレブリヘ作りをしている、世界中で引っ張りだこの巨匠で、現在のアレブリヘ界の第一人者です。

彼らのアレブリヘは、ミトラ遺跡の模様からインスピレーションを得たとても繊細な模様が特徴です。

しかし、作品は初心者には高価で手が出せないものがほとんど…。職人というよりも「アーティスト」の枠内です。

村の奥にある彼らの工房では、無料でアレブリヘ作りの全工程を見せてもらえます。

この村と、周辺の村からアレブリヘ作りを習いに80人ほどが通いに来ており、アレブリヘ作りの学校にもなっています。

2. Isidoro Cruz Hernández(イシドロ・クルス・エルナンデス)


Photo by:Friends of Oaxacan Folk Art

住所【Domicilio Privada del Olvido #1】

ハコボさんたちの工房を出てすぐ左側にある家に住んでいたイシドロさんは、木彫りの仮面づくりの巨匠です。

かつて、アレブリヘ産業をこの村に広めたこの村の木彫り工芸の第一人者でもあります。

残念ながら2015年に亡くなってしまったのですが、現在は彼の息子家族がここでアレブリヘを作っています。

3. María Jiménez Ojeda(マリア・ヒメネス)


Photo by:Friends of Oaxacan Folk Art CC BY-SA 3.0

細かく鮮やかな花模様が特徴的なアレブリヘを作ります。その繊細な絵付けは多くの人の心をつかみ、海外にも多くのファンがいます。

基本的には、彼女の兄弟が木を彫り、彼女が絵付けをする分担制です。

彼女の家(工房)にはほとんど作品はないので、彼女の作品が欲しい場合は村のメイン通りにある「Raíces」というお店に行くといいです。

ティルカヘテ村に住む有名なアレブリヘ職人たち

Inocencio Vásquez Melchorさんとその親族

イノセンシオさん一家は、デビルや天使、動物人間など、人型のアレブリヘを得意としています。

彼だけでなく、彼の家族が作っているテイストの似た作品、メイン通りにある「La Iguana Mágica」という大きめのお店で売られています。

お店のオーナーのホアキンさんは、彼の甥で、同じく動物人間や悪魔を作っています。

この村のほとんどのアルテサーノは動物ものしか作らないので、人型の作品がたくさん見られるのはレア。唯一無二のものを求めている人にはぴったりです。

Martín Melchor Ángeles

住所【Andrés Portillo #2】

上記の住所の家の敷地内の工房で、自転車や人力車に乗った動物、釣りをしている動物など、とてもユニークな大きめなアレブリヘのおもちゃを作っています。

種類はあまりないのですが、家(兼工房)に行けばいくつか作り置きの作品を見せてもらえます。値段はクオリティーとオリジナリティーの割にかなり良心的です。

Xuana一族

木彫りのマスクや木製ミニチュア作りが得意な一家です。

Adadさんは、 動物系のマスクを作る達人で、亡きマスク作りの巨匠イシドロさんの甥っ子です。

イシドロさんに習って木彫りを学んだ最初の6,7人のグループの一人で、村で毎年行われるカーニバル用の木彫りマスクも作っています。

彼の娘のAnaも、マスクを作ります。父からマスク作りを教わり、ミニチュアサイズでもとても細かく模様を入れ、素晴らしいミニマスクを作ります。マスクの他にも、マーメイドなどマリン系のアレブリヘも好んで製作しています。

メイン通りにある「Xuana」、「Taller Antonio Xuana」という二つのショップで、Xuanaファミリーの作ったマスクを見ることができます。

Una Inspiración de mi vida

この工房を営む一家は、メイン通りからかなり外れた場所に住み、親戚ぐるみでアレブリヘを作っています。(メイン通りに出ている大きな看板についていけば辿りつきます。)

天然の木の形をそのままアレブリヘに取り入れて、いくつものコンクールで入賞している実力派ファミリーです。


以上、ティルカヘテ村のおすすめの職人さんたちについてでした。

また、こちらの記事では「ティルカヘテ村のメイン通りにあるおすすめ店3選」も紹介しているので、参考にしてください。
オアハカの村へ、メキシコが誇る手仕事「アレブリヘ」を見に行こう!

楽しいアレブリヘ探しができますように♪

参考文献:Arden Aibel & Anya Leah Rothstein (2007) Mexican Folk Art: From Oaxacan Artist Families

ティルカヘテ村での調査日: 2016年12月13日、16日