メキシコの木彫り

個性的な魅力溢れる!ヒメネスさんのアレブリヘ(木彫り動物)の世界

メキシコのオアハカ、「アラソラ村」に住むManuel Jiménez Ramírez(マヌエル・ヒメネス・ラミレス)さんは、カラフルな空想上の生き物の木彫り、通称「アレブリヘ」の巨匠です。

木彫りアレブリヘの生みの親・Manuel Jiménez Ramírezさん


Photo by: Friends of Oaxacan Folk Art / CC BY-SA 3.0

Manuel Jiménez Ramírezさん(通称マヌエル・ヒメネスさん)は、オアハカの、アラソラ村に住む木彫りの彫刻家です。

彼は、メキシコにおける「アレブリヘ」の地位を確固たるものにした、「木彫りアレブリヘの生みの親」です。

2005年に亡くなってしまったのですが、彼の作品は今でも多くのコレクターに愛されています。また、彼の家族が彼の特徴的なデザインのアレブリヘを受け継ぎ、アレブリヘを作り続けています。

写真の中で手に持っているのは、彼の作るアレブリヘの中でも特に人気の「人の顔を持つ架空の動物・ナフアル」です。

マヌエル・ヒメネスさんの作るアレブリヘの特徴

ヒメネスさんの作るアレブリヘの特徴は、主にこの3つです。

  1. 強いコントラストを活かした色使い
  2. 楕円形のドットによって表すテクスチャー(質感)
  3. シンプルかつ個性的なデフォルメ

では、それぞれの特徴について、見ていきましょう。

強いコントラストを活かした色使い

彼の作品では、「色のコントラスト」が強調されているものが多いです。

」、「オレンジ色水色」など、まったく違う色を組み合わせることによって、作品にいかにもメキシコらしいカラフルさと、つい笑顔になってしまうような楽しげな「ポップ」感を生み出します。

楕円形のドットによって表すテクスチャー(質感)

彼の作品の最大の特徴である「楕円形のドット」は、動物の質感、毛並みを表しています。

犬や猫などの毛のある動物を表現するときには、長細いドットによって毛の向きなどを表し、

カエルや魚などの毛のない生き物の場合、ドットの形状を変化させ、質感を表現しました。

上の写真のカエルのドットは、イボのようにも見えますね。

シンプルかつ個性的なデフォルメ

彼の作る動物は、シンプルに、そして個性的にデフォルメされたものです。

「デフォルメ」とは、対象の形態を意識的に変形すること。
つまり、アレブリヘの場合「動物の特徴をつかんだうえで、個性的に表現する」という意味になります。

アレブリヘは、基本的に「リアルな動物」を表現することを目的としていません。
どちらかというと、「どのように個性的に彫れるか」「どのように自分流のデフォルメができるか」が重視されます。

リアルな動物は経験を積めば彫れますが、「アレブリヘ」を作るには、自分の個性・表現方法をよく考え、「自分にしか作れない作品」をうみだす必要があるのです。

上の画像は、ダックスフントを彫りだしたものです。長い胴を丸めて休んでいる様子が表現されています。
緑ベース黄色模様の体に加え、個性的な色使いで目が描かれています。

ヒメネスさんが作るアレブリヘは、シンプルで素朴な木彫りに、カラフルで派手な絵付けが加わることで、独特な個性と、他にはない魅力を生み出していました。

マヌエル・ヒメネスさんの家と家族

アラソラ村にあるヒメネスさんの家は、現在「ミュージアム」として開放されています。

入場料は無料で、ヒメネスさんが作った様々なアレブリヘを見学することができます。

また、ヒメネスさん(Manuel Jiménez Ramírezさん)はもう亡くなってしまいましたが、実の息子であるAngelicoさん、Isaiasさんを筆頭に、今でも彼の家族が、彼の特徴を受け継いだ「ヒメネス流・アレブリヘ」を作り続けています。

ミュージアムでは、AngelicoさんとIsaiasさんによる作品も見ることができます。

「アラソラ村」について

アラソラ村へは、オアハカから乗り合いタクシーで30分ほどの小さな村です。

アレブリヘの生産で有名な村で、村にはたくさんのアレブリヘ職人と、それを販売するお店があります。

かつては、みな農業に従事していたのですが、ヒメネスさんの影響により多くの人がアレブリヘ作りをはじめ、今では村の多くの人々にとって大切な収入になっています。


たくさんの個性的なアレブリヘをつくる職人の中でも、ヒメネス家のアレブリヘは最も有名で人気があります。

一目で「ヒメネスさんの作品だ」とわかる特徴的なアレブリヘは、今でも世界中にファンを持つ、大人気のアルテサニア(民芸品)なのです。