市場に現れる「全ての悩みが解決するナゾの薬草」を売るおじちゃん

前から気になっている、「全ての悩みが解決するナゾの薬草」を売っているおじちゃんについて紹介します。

怪しい薬草売りのおじちゃん

メキシコの地方では、毎週どこかで「ティアンギス」と呼ばれる、先住民市場が開かれています。

ティアンギスは、古代メキシコの時代から続くメキシコの伝統的な市場です。

野菜、果物、魚、肉、乾物などの食べ物から、民芸品や日用品まで幅広く扱っている、先住民の人々にとってのスーパーマーケットみたいな場所です。

そんなティアンギスに、怪しい薬草売りのおじちゃんはあらわれます。

ティアンギスの隅で繰り広げられる怪しい光景

ティアンギスの隅っこの少し開けたところで、その薬草を売るおじちゃんは、巧みな話術で薬草について紹介しています。

まわりには、いつも大きな人だかり。

みんな、とても真剣に話を聞いているんです。

熱心に話しをしているかと思ったら、ギャグを放って観客を爆笑させたり。なんだか楽しそうです。

おじちゃんと薬草の正体とは

おじちゃんの正体は、正直今でもよくわかりません。

「おじちゃん」といっても、ある一人の特定のおじちゃんではなく、同じような人がたくさんいます。

最初は、チアパス州にたくさんいる薬草のプロフェッショナル(兼・占い師、祈祷師、治療師、シャーマン)、「イロル」かと思いましたが、こんな俗っぽいわけないし…

結論:たぶん、ただの商売上手なおっちゃんだと思います。

彼らは、ティアンギスなどの大きい市場が開かれる時にだけ、「薬草売り」として現れます。市場以外では見た事がないので、おそらく各地の市場を渡り歩いているのでしょうか…。

女の人がやっているのは見たことがなく、ほぼ100%中年男性です。

そして、薬草の正体も不明です。薬草に詳しいマヤの人々にも売れているということは、何かその地方の原産ではない、「めずらしい」植物だと思います。

ちなみに、その薬草を配合した「塗り薬」もよく売っています。

おじちゃんが売りこんでいる薬草の効用

彼らが売っている薬草の効用は、多岐にわたります。

多いのは、ボロボロになった足が綺麗によみがえる、というもの。

だいたい、薬草を使ったときのすごいビフォーアフターの写真も一緒に持ってきています。

かさぶた・傷・角質でボロボロになった足(水虫…?)が、つるんつるんになるようです。

さらに、話を聞いていると、その薬草は万能らしく、体調が何か悪いな~という時、足が痛むとき、ぎっくり腰、飲みすぎなど、さまざまな体調不良に効くのだそうです。

そんなわけ…と思いながら周りを見渡すと、真剣に話を聞き、買い求める人々の姿が。

この既視感…いろいろ思い出した

これを見て、いろいろと思い出しました。

TVショッピングっぽい

おじちゃんの薬草紹介のテンションは、ちょうどあんなかんじです。一人で全役こなしてます。

どれだけこの商品(薬草)が良いものなのかを説明したあと、

あおるように「なんと今日だけ!!いつもは20ペソで1本のところ、5本で20ペソにしちゃうよ!これがなくなり次第終了だ~」と、「いますぐ買わなきゃ」という気持ちをあおります。

割引率も激しいです!

悩みに漬け込む系広告っぽい

おじちゃんが、いろんな効用を次々発表するたび、昔(今も?)、週刊ジャンプの一番後ろに載っていた、「身に付けるだけで幸せになるブレスレット」を思い出しました。

「ニキビが治って彼女ができて宝くじが当たった」、「購入者の98.7%の人が幸せを実感!」的な。

普通なら疑いますが、ジャンプを読むピュアな少年たちは信じてしまうのでは…?

ピュアな人が多い先住民も、「そんなわけない」と疑うよりも先に、「こんな万能な草があったのか!」となるかも。

(万が一、あれが本物の万能草だったら失礼ですが…)

効用から見えてくる、先住民の人たちの悩み

ただ、今も昔もこういう商品が売れるのは、人々に悩みがあるから。

このおじちゃんの売るナゾの薬草の効用からは、先住民の人たちのリアルな悩みがわかります。

ボロボロの足が治る、という呼びこみが多いのは、「先住民の人たちは、ボロボロの足に悩んでいる人がとても多い」ということ。

しかも、おそらく他の悩みについては他の解決方法がある(医者やシャーマンに診てもらう、他のイイ薬草があるetc)けど、ボロボロ足の解決策だけはないのかな、と思いました。

先住民の人たちが悩んでいないこと

逆に、先住民の人たちが悩んでいないこともわかります。

たとえば、草の効用には、日本でよく見る「痩せる」「肌がきれいになる」系はありませんでした。

みんなめっちゃ太ってるのに!(失礼) つまり、悩んでいる人があまりいないのでしょう。

わかりやすい問題の解決を求めている

考えてみたら、別に太っていても肌が汚くても、日常生活は送れますね。

だけど、腰痛、足の痛み、二日酔いなどは、生活や仕事をさまたげます。

先住民の人たちは、今も農業などの体を使う仕事をする人が多いので、体の不調は大きな問題なのです。

ボロボロの足だって、まず不快だし、水虫ならかゆいし、もし痛むなら働けなくなるし…かなり生活に直接的な被害が出ます。

彼らにとっては、肥満とかよりも、生活に支障が出るような悩みを優先的に解決したいんだと思います。

さいごに

これからも、あの薬草おじちゃんを見つけたら、効用と先住民の人たちの悩みの変化にも注目してみようと思います。

あとは、実際に買ってみるのも面白いかも!食べたくはないけど。

 

あのボロボロの足がどんな病気なのかはわかりませんが、もし水虫なら、日本から薬を持っていったら、バカ売れする気がします!

あとは、あのおじちゃんレベルの話術を見に付けないと…!