メキシコのアミーゴ④ 絶滅危惧種を違法でペットにする男、ホセ

この記事は、ホセシリーズの続きです。

  1. メキシコのアミーゴ① すべてを賄賂で解決する男、ホセ
  2. メキシコのアミーゴ② 上位2%のお金持ち、ホセの暮らす家
  3. メキシコのアミーゴ③ 動物を(規格外に)愛する青年、ホセ

前回の③では、ホセがいかに斬新な方法でペットを入手しているのかを話しました。

今回は、ホセのさらなるペット歴について紹介します。

「おじさん」にもらうペットたち

ホセは、基本的に「自分のペットは自分で捕ってくる」という謎のポリシーの持ち主ですが、たまに「おじさん」にペットをもらったりもするそうで、家の裏庭で放し飼いしている3匹のワニたちも、おじさんからもらったのだそうです。

おれはほかにも、叔父さんからいろんなペットをもらったことがあるんだ。」とホセは言います。

「どんなペットをもらったの?」

「とりあえず、写真を見せてあげるよ。」

ホセがタブレットを取り出して、動物の写真をいろいろと探し始めました。

「ほら、これだよ!!」

「これは、メキシコにしか住んでいない珍しい動物なんだ。」

「へえ!なんていうの?」

「名前は詳しくはよくわからないけど、ウーパールーパーの仲間だと思う。メキシコシティーの近くの沼地にしか生息していない、天然記念物なんだよ。」

「へえー、天然記念物って飼えるんだ」

「いや、本当は、飼うのは禁止されているんだよ!

だろうなと思ったけども。

「じゃあ、ホセのおじさんはどうやってこれを手に入れたの?」

「う~ん、たぶん、川に行って捕ってきたんじゃないかな~」

やはり、さすがホセの身内です。まさかの「捕ってくる派」でした。

そのあとも、ホセはおじさんにもらったいろいろな動物を見せてくれました。

あとのペットは、だいたい普通のウサギとかでしたが、とにかくどれも何か特別な種類だったらしいです。

どこかに消える動物たち

しかし、「この動物は、今どこにいるの?」とホセに聞くたび、必ず帰ってきたのがこの言葉。

It’s gone.(どっかいった。)

その後ホセは特に何も説明しないので、詳細は不明ですが、とにかく彼の言葉をそのまま使えば、いつも「突然、姿を消す」のだそうです。

「たぶん、珍しい動物たちだから、泥棒に盗まれたんだ!!」とホセは悔しそうに言います。

この豪邸から毎回動物だけを盗む泥棒がいるとは思えないのですが、もし本当に盗まれたなら、絶対に家のセキュリティーを見なおした方がいいと思いました。

もしかしたら、ホセの家から逃げただけかもしれない(たぶんそう)のですが、だとするとホセの家の周りはいろんな珍しい動物がたくさん生息していそうです。

週末プラン

話は変わり、「来週末は、時間があるから友達とかも呼んでどこかに遊びに行こう!」とホセが提案してくれました。

どこに遊びに行くのかな?と思っていたら、

テントを買って、山の向こうの砂漠地域にキャンプしに行こう!」と言い出しました。

めっちゃワイルドな週末だなあ、と思っていたら、ホセ弟がものすごく嫌がっています。ホセと弟がスペイン語で言い合いを始めました。

結局、弟抜きで行くことになったようなのですが、弟にどうして行かないのかを聞くと、「オオカミがいるから危険なんだ。去年殺された人もいる。」と言い出しました。

ええー!だったらわたしも行きたくない!!と思ったのですが、ホセは「大丈夫、大丈夫!」と謎の余裕。

「俺はオオカミのことはよくわかっている。飼っていたことがあるくらいだからな!

いやいやいや…てか、飼ってたのか。

結局、ホセの友達も都合がつかなかったらしく、キャンプは中止になりました。心の底からホッとしました。

絶滅危惧種を飼っていたホセ

オオカミを飼っていたことについて聞くと、ホセは、

「オオカミも、おじさんにもらったんだ」といって、今度は違うタブレットで写真を探し始めました。違うタブレットの方には、また違うペットたちの写真が溢れています。一体ホセは、今まで何匹のペットを飼ってきたのでしょうか…。

「ほら、これ!」

ドキドキしながらのぞきこんでみると、そこに映っていたのは寒い国にいそうな犬、「シベリアン・ハスキー」でした。

「…これ、シベリアンハスキーじゃない?」

「いや、オオカミだよ。まあ、犬にかなり似てるんだけど。こうやって人が飼うと、オオカミも犬みたいになるんだ。成長すると、ものすごく大きくなるんだ」

「へえーそうなんだ。じゃあこの時は子オオカミなの?」

「うん。パピーだ。」

あの写真が本当にオオカミだったのかどうかは未だに謎ですが、メキシコでも(というか世界的に)絶滅危惧種を勝手に飼っているホセはやっぱりぶっ飛んでるな、と思いました。

「大きくなった時の写真も見せて!」ワクワクしながら訪ねると、

「いや、ない。コイツもたぶん盗まれたんだ。」

「あ、そうなんだ…」

とりあえず、ホセの家の近くを一人でうろつくのは控えよう、と心に決めました。

ホセのおじさん

「そういえば、おじさんはオオカミも捕ってきたの?」と聞くと、

「わからないけど、たぶんそうなんじゃないかなあ。」とホセ。

もちろん違法なはずなので、メキシコでオオカミが売られているところは一度も見たことがありません。やっぱり自力で捕まえてくるか(可能なのか?)、秘密のルートで手に入れるしかなさそうです。

 

「…ところで、おじさんは何の仕事をしているの?」

「う~ん。よくわからない。たぶん、貿易関係だと聞いたことがあるけど。」

謎すぎる。

身内でもよくわからない仕事、数々の珍しい動物の入手、貿易関係…@メキシコ

ホセの「謎のお父さん」に並び、おじさんも私の中で勝手に恐ろしいキャラになりました。

そういえば、ホセのお父さんはなぜか別の家で暮らしているそうで、まだ会ったことがありません。

すると、ホセがこんなことを。

「ところで、来週ちょうどおじいちゃんの家でクリスマスパーティがあるよ。うちの親戚が全員集まるんだ。きみも来週まだここにいるなら、おいでよ!」

なにい。タイミングが良すぎる!

「家族のパーティーに参加していいの?」

「もちろん!美味しいものがたくさんあるよ。」

話を聞くと、その日は毎年、親族がみんな集まる唯一の日なのだそうです。

ホセのおじさんとお父さんの正体(?)もわかりそうだし、ホセいわく「これは絶対に参加すべき最高のパーティー」らしいので、お言葉に甘えて参加させてもらうことにしました。

メキシコのパーティに参加するのは初めてなので、とても楽しみです!

つづく。

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