メキシコのアミーゴ③ 動物を(規格外に)愛する青年、ホセ

この記事は、「ホセ・シリーズ」の続きです。

  1. メキシコのアミーゴ① すべてを賄賂で解決する男、ホセ
  2. メキシコのアミーゴ② 上位2%のお金持ち、ホセの暮らす家

アフリカで出会った強烈キャラ「ホセ」の話を聞き、メキシコに行ってみたくなったわたしはアフリカを回り終わってから初めてのメキシコへ。

無事、ホセの家に辿りついて、彼の住む豪邸に度肝を抜かしました。

メキシコのお金持ちの考え方

次の日、時差ボケもあり、昼前に起きると、ホセがキッチンにむかって「なにか食べるもの作ってくれ!」らしきことをスペイン語で叫んでいました。

そして、「ケッサディーヤ」という、チーズをトルティーヤに挟んだメキシコ料理をいただきました。

その時のことは、こちらの記事ケッサディーヤはタコスに並ぶ、チーズ好きのためのファストフード!でも書いたのですが、あまりに美味しくてびっくり!

今思い出しても、ホセの家のケッサディーヤは今まで食べた中でも三本指に入るくらい美味しかったので、きっととても良質なチーズを使っていたんだと思います。

あとからダイニングに、ケッサディーヤを作ってくれた女の人が入ってきたので、ケッサディーヤと、泊めてもらえることのお礼を言うと、

この人はママじゃなくて、メイドだよ。

とホセが一言。

あ~…ですよね。いますよね、メイドさんくらい。

「メキシコでは、共働きの家ではメイドがいるのが普通なんだよ。」

「そうなんだ…。でも、それは上位2%の金持ちに限って、ではなく?」

「いや、少し余裕がある家はこうやってメイドに働いてもらって、雇用を生み出すんだ。こういうかたちで、貧しい人たちに貢献しているんだよ。うちの場合は、2人メイドがいるから、彼女たちの子供たちを含め、5,6人の暮らしを支えているよ!」

今までてっきり、メイドには、自分たちの生活を「助けてもらう」ものなのだと思っていましたが、ホセは全く逆で、自分たちが雇うことでメイドを「助けてあげている」という感覚のようでした。

ホセの家の庭

朝ごはんを食べてから、昨日家に着いたのはかなり遅く家の中をサッと見ただけだったので、まだ見ていない他の部分を案内してもらいました。

「ここは〇〇の部屋、トイレ、ママの部屋、パパの部屋の部屋、トイレ、〇〇の部屋、トイレ、トイレ…」

とりあえず、トイレが家に8か所くらいありました。

ベースメント(地下)には、ビリヤード台や映画を見る用の部屋などのエンターテイメント施設(?)がいろいろあり、なんだか家のつくりの規模も、家具の感じも、アメリカの巨大な家みたいだなあ、と思いました。

庭は、昨日の夜は良く見えなかったのですが、今日見てみるとバスケットコートがまるごと入るくらいの大きさでした。

わー!ひろい!と、外に出てみようとすると、

待って、気をつけて!!!」とホセ。

「なんで?」

ワニがいるから!

ワ、ワニ…?!

「それは…危険だ…」

「そうなんだ。知らないうちに踏んづけて、ワニが死んじゃうといけないからね。

そっちかーい!と思いつつも、とりあえず外に出るのはやめました。

まだ小さい赤ちゃんワニらしいのですが、それでも怖いです。

「でも、なんで庭にワニがいるの…?」

「今、飼ってるんだ。4匹くらい。…でも、いまは3匹さ。おれがこのまえ踏んじゃったから…。」

「そ、そうなんだ……。」

思わぬ地雷を踏んでしまいました。

「じゃあ、策に囲って飼えば安全なんじゃない?庭にも出られるようになるし!」と提案してみました。

いや、それはできない!

ホセが突然、声を荒げました。

「おれは、動物には堂々と、自然の中のように暮らしてほしいから、こういうスタイルで飼っているんだ。アフリカで暮らしてから、おれは野生の動物に感動したんだ。あいつらは、生き生きしている!!動物園の中にいる動物とは全然違うんだ。動物園で柵の中にいる動物を見てみろよ、目が死んでるんだ…。」

ちなみにホセは、わたしにザンビアで会う前、タンザニアで1年間ボランティアをしていました。

庭にワニが放し飼いなのも、そういう理由があったのか、と、一瞬納得しそうになりましたが、結局ホセは自分の足でアレしてしまったようなので、これが本当にいいのかはやっぱりわかりません。

「アフリカに行ってから、おれは動物が本当に大好きになったんだ。ほかにも、ペットがいるから見せてあげるよ!」

気を取り直して、ホセのほかのペットを見に行きます。

ホセは自分でペットを探す派

ホセと一緒に、前の日に空港に一緒にお迎えに来てくれた弟の部屋へ。

その「ほかのペット」は、弟にゆずったようです。

弟がどでかいケースから、コロコロした子亀を何匹か出してきました。

↑ ホセ弟のペットのかめたち

「本当は庭で飼いたいんだけど、ワニに食べられるといけないから今はここにいるんだ。」

「うん、その方が良さそうだね。」

子亀たちは、甲羅が盛りあがっていて、ゾウガメのような見た目です。

「メキシコではなかなか見つからない、高級なカメなんだよ。」

「へえそうなんだ、これ一匹いくらくらいなの?」

実はこれ、無料だったんだ。」嬉しそうにホセが言います。

今度は、どんな手を使って…?

すると、ホセは、彼なりの「ペット論」を語りはじめました。

「ペットを業者から買うのは、よくない。買えば買うほど、ペット業界を盛り上げてしまうことになって、よりたくさんのペットが捉えられたり、売るためにむりやり量産したりするのを手助けすることになってしまう。おれは、そんな最低なペット業界を盛り上げるようなバカなマネはしたくないんだ。なるべく、野生の動物を守りたい。」

うんうん。

「だから俺は、できるだけ動物は自分でとってくることにしてるんだ。

う…ん?

「…じゃあこのカメは…」

「おれが捕ってきたのさ!」

「え…、どこで?」

「そりゃあ、アフリカだよ!!」

「でも、どうやって持ってきたの?生き物を飛行機に乗せて持って来るのって、たしか禁止されてたんじゃ…」

「ああ~、とりあえず、ジャケットのポケットに入れて持ってきたよ!

ホ、ホセ…!

「そ、それって大丈夫なの?」

「全然余裕だったよ!それに、もし見つかったらワイロを渡せばいいんだから。

さすが、ワイロの達人ホセ。

しかしこの時、わたしはいろいろとツッコミどころや驚きが多すぎて、頭が追いつきませんでした。

とりあえず「カメの甲羅って、X線に反応しないのかな…」とか考えていました。

「…じゃあ、あのザンビアにいたときにはもう…」

「ああ、テントの中にいたよ!」

そうだったんだ…。(笑)

わたしは、目の前のカメにいる亀たちとなんだか久しぶりに再会したような気分になりました。

ふと、庭にいるワニたちのことを思い出しました。

もしかしてあの庭のワニたちも、ジャケットのポケットに…?!

「いや、あれはもらったよ。叔父さんから。」

…ホセの叔父さんも、なかなかキャラが濃そうです。

おれはほかにも、叔父さんからいろんなペットをもらったことがあるんだ。」とホセは言います。

つづく。
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